頸損だより1999冬(No.72)

コレクティブハウジングの建設に向かって

三戸呂克美(コレクトセブンの会 代表)

共に住む・・・こんなに、単純で複雑なことをやろうとしていることに、多くの仲間は賛同してくれる。しかし、賛同から一歩進んで、「一緒にやろう」とはいってくれない。進めない何かがあるのだ。何が問題になるのだろう。今の生活に、満足しているのか、また、満足はしないが生活を狂わせたくないと考えるのか、答えの出ない日々を過ごしているのが現在の状況なのだろうか?

自立生活を求めて訴え続けている、重度の障害者にとって、どこまで訴えれば満足の行く生活が待っているのだろう。満足できる日はこないのだろうか?人生は、楽しく生きなければならない。障害が、あろうと、無かろうともだ。

介助者のことを思うあまり、自分の意志を閉じ込めることは、楽しい人生とは思えない。自立という言葉を、簡単に使いたくないが、現在の生活から自立できればしたいと望むのは、決して無茶を言っているのではない。親、兄弟姉妹のやさしさから離れることは、裏切りではないだろう。重度の障害をもっているから、「あなたの生活はこのように決められています」という道は、塗り替えようよ。

自分の生活は、自分で決めることができるのです。それには、住む所から探さねばなりません。公共の住宅は、申し込み説明書を見た初っ端から頭を「ガツン」と打たれることが書いてある事を知っていますか。「常時介護を要する方は申し込めません」という内容のことが、です。(すべての説明書を見たわけではないので、全国の公営住宅がそうなのかとはいえません。)

結論を急ぎましょう。今、考えている住宅は、入居を希望する方が、直接設計者と話し合い、自分の使いやすいように作る「コーポラティブ方法」を用います。これは、分譲となり、大きな資金を必要とします。が、一般の分譲住宅よりも安くできます。もちろん自分の家です。

今ひとつは、賃貸住宅です。重度の障害があっても住める住宅です。一般の賃貸住宅を、改造して住むとなれば、簡単な改造なら家主も認めてくれるでしょう。しかし、天井にリフターをつけたり、風呂場や、トイレを改造となれば、認めてくれるでしょうか?木造(マンションも含まれるでしょう)などであれば、強度の問題や、あとの元に戻す費用などを考えれば無理な相談となるでしょう。

そこで、最初から障害者が住めるように作られれば、そのような心配はなくなります。オーナーにすれば、その分、建設費が高くなり、家賃も高くなります。が、入居する者には、大きな資金を必要としません。しかし、分譲でないので、すべてにおいて住みやすく作れるかはわかりません。

家が決まれば、介助をどうするか、ということになります。まだ、はっきりとしたことはわかりません。が、公的な制度で動いている、ヘルパー、訪問看護、介護人派遣制度を利用してのボランティア、などを考えています。そして、何よりもいいことは、仲間が側にいることです。不安材料は山とあります。それをすべて安心に変えるのは、一緒に生活する者達です。

とにかく、話を聞こう、また一緒に造ろうと考える方はご連絡ください。

注 個人の連絡先、図は省略しました。

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