頸損だより2000春(No.73)

巻頭言

『自分』について

比嘉昌美

みなさんは『自分』のことって、分かってますか?好きですか?どんなヒトか知ってますか?

自分のことを説明するのって、結構、難しい。。。取りたてて、あんまり意識することはないけど、私はヒトが自分自身のことを“自分はこういう人間だから”という風に言ってるのを聞いたりすることがあります。もちろん、そういう私自身も、そんな風に言ってしまう時はあります。でも、実際、そういう風に言ってところって、否定したり・されたりと、違っていたりするんですよね。そう考えると、自分のことって、分かっているようで、ホントは分かってないのかも知れません。それとも、分かったフリをしてるだけなのかも知れません。何か、自分自身で自分の性格なんかを決めつけてしまっていたり。一番近くにいすぎる存在だからなのかな。

自分だけが知っている『自分』。周りの人達だけが知っている『自分』。自分も周りの人達も知っている『自分』。誰も知らない『自分』。その他にも、たくさんの『自分』というヒトが存在しているのかも知れません。そんな、色んな顔を持った『自分』は、何気ないふとしたキッカケで現れてああ、自分にはこういうところがあったのか≠ニ、また新たな『自分』といものを発見していき、自分の中にある想いや考え方は、微妙に違っていったり、もしくは、全く違ったものになるのかも知れません。

どんな時でも『自分』は『自分』。世界にたった一人しかいない『自分』。誰にだって、良いところ・悪いところはあるハズです。考え方やヒトによれば、そういうところの感じ方も違ったりするんだろうけど。でも、全部ひっくるめて自分のことを好きになって、大切に想えるようになるのは、きっと、すごく良いことだと思います。

一人の人間として当たり前に生きていくこと。『自分らしさ』を忘れずに生きていくこと。『自分』の気持ちに正直に生きていくこと。ありのままの『自分』で生きていくこと。時には、嫌になったり、他のヒトが羨ましく見えたり、流されたりしたとしても、いつか、いごこちの良い『自分』の場所に辿り着けたらいいですね。


戻る