頸損だより2000春(No.73)

マイホーム・マイライフ

西村忠雄

俺は平成3年の11月にバイク事故で頚損になり

平成4年の一月にリハビリと首の手術の為に

星ヶ丘厚生年金病院に転院し平成4年の10月に

退院して実家に戻った。

俺の実家というか住んでる家は4階建ての

マンションでうちの親が建てたものです。

退院前に家の近くにマンションを買おうかとか

話しが出てたけどそんな金はないし家のマンションは

エレベーターがないのに4階に住んでたから

どうしようか迷ってたら俺のオトンが

2階からやったら担いで下りれるんちゃうかなーて

ゆうたから当時201号に住んでた人に出ていって

もらって車椅子でも動きやすいように2DKの部屋を

改造してワンルームみたいにしました。

床はフローリングにして頭が洗えるように流しを

シンクの横につけました。

あとは家具とテレビとベッドにパソコンを置いてる

机とー押入れの半分は仏壇を置くためにつぶしました。

正直ゆうてなかなか住み心地はええですよ。ほほほ

ところが、いざ階段を担いで降りることになってんけどー

オトンともう1人男の人2人で俺を担ごうとしたけど

これが大変やった。頚損の人はわかってると思うけど

体はフニャフニャで手もゆうこときけへんから

後ろになったり前に倒れそうになったりしてなんぎやった。

とにかくこのままやったらいざっちゅうときに俺は

下りられへんということでエレベーターをつけようとの

計画を立てた。

もともと階段しかないから建物の中に

エレベーターをつけるスペースはないし、どこにつけて

どこで乗り降りしようか考えた結果、外から乗り降りしようと

いうことになった。

幸い1号室だけはベランダが広くしかも

201号室だけはベランダの横に

1階の入口の屋根があってそこを工夫すれば

バッチリ乗り降りが可能。しかも雨にも濡れないように

できる。

いざ工事が始まるとコンクリートをハツル音が

死ぬほどうるさかった。耳栓しててもうるさかった。

なんやかんやと工事は順調よく進み結構早く

完成した。工事費はトヨタのレクサスの新車価格

くらいかなー。もちろんフルローンやけどね。

完成して始めて下りて行ったところが不在者投票やった。ほほほ

しかしエレベーターができてからは乗り降りが

雲泥の差くらいかわった。

たかが2階から下りるのにエレベーターとはとか思ったけど

あれば最高やね。

家の近くにカラオケがあるから友達とかと

ちょくちょく行ってるし夏なんか天気のええ日は

外で焼いたりしてます。


俺の普段の生活は朝9時に車椅子に乗って

ご飯食べたり顔を洗ったり新聞読んだり

テレビ見てパソコンしてーなんやかんやして夜の11時に

ベッドに乗る用意して11時半くらいには寝てるかなー。

毎日は外に出ーへんけど月に数回は出てます。

あとはねー仕事をしたいから資格を取る勉強したり

いろいろネットの仲間とかに仕事のこと聞いたりしてます。

注 写真は省略しました。

戻る