頸損だより2000夏(No.74)

−ショップモビリティinアスタ−

神戸・新長田南商店街に
人情、下町のかほりを感じて・・・


※「ショップモビリティinアスタ」とは

ショップモビリティとは、イギリスで誕生した、高齢者・障害者などの移動に支障のある人に電動スクーターを無償で貸与し、それらの人々の街中における移動を容易にさせるためのシステム。

神戸市、新長田駅南商店街(アスタ)で高齢者・障害者、すべての人が商店街や、商業施設のハード面のバリアフリー、商品・品揃え・サービスといったソフト面のバリアフリーをともに考えていこうという目的で、実際に車椅子や電動3輪車を使いながら商店街地域を点検しようというイベントです。

今年、有珠山の噴火で近くに住む多くの地元の方達が避難生活を過ごされた。

同じように数年前、神戸の街が大きく揺れ、多くの方が避難生活の日々を過ごされた。その被害のとても大きかった街。長田。「復興」という名の下に数年経ったその街を、ボクたちは訪れるチャンスに恵まれた。

昨年、神戸貿易センタービルから「ルミナリエ」を鑑賞しよう。という企画に誘っていただいた方から、新長田南商店街のバリアフリー化を目指していこうというイベント「ショップモビリティーinアスタ」に頸損連絡会も参加しないか。と声がかかった。

3/20(日)、少々寒かったものの、朝9:30ころから連絡会メンバーが集まった。慣れない地でありながら現地のイベントスタッフの方たちに、いろいろとサポートしていただいたり、また商店街を案内していただいた。途中、「丸五市場」を案内してもらう。むかしながらの雰囲気がある市場で、どの店からもただよう美味しそうなニオイがたまらない・・・

市場の中のおばあちゃんが営むキムチ屋さん。われわれメンバー数名が、それぞれに買って帰ったが大好評。また次回訪れたら、ぜひ買って帰ろうと決意する。ニオイはキツイけれども、よく漬かっていた大根の辛さがとてもおいしかった。途中寄った酒屋さんの立ち飲み。中にいたオッチャンたちから、人生の哀愁がにじみ出てた。はじめて会ったはずなのに、ちょくちょく一緒に飲んでるかのように感じてしまうほど・・・。

今回噂のプレステ2が当たる、パンチボード(チャリティーゲーム)も一日中、商店街の世話役さん、イベントスタッフの方たちがゲームマシーンを商店街のあちらこちらに引きずって回りながら、多くの人にチャリティーを呼びかけ、またゲームを楽しんでもらいました。商店街中めぐりながら、集まったお金から経費を差し引き、頸損連絡会に寄付していただきました。

商店街のアーケードは一部震災当時のままで、グニャグニャと蛇のようにうねったまま。火災で焼けた土地はところどころにあったし、今も生々しい箇所が幾分残ったままでした。

新長田、ボクにとってはじめて行った街だったけど、人情いっぱいの雰囲気で昔ながらの市場なんかが残ってる下町のにおいが感じられる場所でした。

商店のおかみさんや、オッチャン、近所の中学生たちともいろいろ交流がもてた良い一日だった。どうも、新長田南商店街のみなさまお世話になりました。また寄せていただきたいと思います。そのときもどうぞ宜しくお願いします…。

■以上(とやとしはる)
注 写真、地図は省略しました。

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