頸損だより2000夏(No.74)

「途中経過報告」

コレクティブハウジングの建設に向かって

三戸呂克美(コレクトセブンの会代表)

その後、コレクティブハウジングはどうなっているのか、と気にしてくださるみなさんに経過と今進めている事をお知らせします。

JR舞子駅がある近く(神戸市垂水区西舞子1丁目)にコレクティブハウジングを建設する計画があります。このプロジェクトは、「街づくり支援協会」というところがが進めているものです。

「街つくり支援協会」とは、民間の組織で事務所を、大阪市西区江戸堀1丁目24-12-10に置き、今までは、震災で兵庫県から他府県に移住(避難)された人たちを以前の居住地に戻れるように活動していたのですが、その役目も終え、次にこれからの暮らしにおいて自分のスタイルで暮らそう、という事を掲げて、フレックスライフクラブ・フレックスライフ住宅研究会をつくり講演会や、学習会を行っている非営利団体です。

その実践として先に述べましたJR舞子駅の近くに「フレックスライフ舞子」を建設する運びとなったのです。

この「フレックスライフ舞子」は5階建て42軒(世帯)の賃貸のコレクティブハウジングですが、スケルトン・インフィル方式で作る計画で進めています。

スケルトン・インフィル方式とはどんなものかといいますと、建物の骨格部分(柱、梁、床といった建物自体を作っているもの)をスケルトンといいます。共有部分ですが、この部分はオーナーが作ります。そして、インフィル(自分の部屋の中)は入居者自身が住みやすいようにつくります。この専有部分は、自己負担です。これらを合わせて、いわゆる一般で言うマンションが出来上がります。それじゃ、賃貸と違うじゃない、と思われるでしょう。中に住む人は共有部分、すなわちスケルトンの部分を借りるので家賃がいるのです。(部屋の家賃はいりません。)一般の分譲マンションは、共有部分も入居世帯で頭割りしますのでその分購入価格が高くなります。住宅の持ち方はそれぞれありますが、自分にあった暮らし方ができる持ち方がこれからは見直されるのではないでしょうか。

「フレックスライフ舞子」に付いて詳しく知りたい方は「街づくり支援協会」

電話06-6443-3808事務局か三戸呂までご連絡ください。

内容については、案内チラシをご覧下さい。

前々回のコレクティブハウジングの内容を掲載したとき、公営住宅の入居申し込みで問題点があることを書きました。その問題点とは、「常時介護を必要とする方は申し込みできません」とあった事項ですが、次のように変更されました。「常時介護を必要とする方については、その内容ついて面接等により確認させていただきますので、事前に管轄事務所へご相談ください」に変わりました。(兵庫県・神戸市は申し込み案内で確認しました)

このことから、公営住宅で重度の障害者が単身で生活できる日が一歩近づいたように思います。

これらがもっと進歩し、ケアつきのコレクティブハウジングができれば、安心して安い家賃で生活できるのです。早くそんな住宅を作ろうではありませんか。

注 説明図は省略しました。

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