頚損連絡会の会員である姫路の田村さんが一人暮らしをされていることは、前回の会報でも報告されました。田村さんは、頚損でも最重度のレベルです。療護施設を出て地域で生活することを以前から考え、計画してこられての一人暮らしです。
しかし、住宅を探し、契約をしたのに突然入居を断られた、ということもあり、現在の生活に入るまでは多くの壁を越えてこられたことが報告されていました。自身それこそ命をかけた生活を今実践されています。行政の応援も少ないでしょう。財政も苦しいでしょう。なぜ、一生懸命に生きようとしている人に手が差し伸べられないのでしょうか。施設の生活ははた目にはよくうつります。中で生活している人たちもそれでよいと思っている人もいます。僕自身、施設の生活を経験したものとして施設を否定しません。むしろ、安心して生活できる場所といえるでしょう。その安心して生活できること、と地域に接した上での各人の生活、が一緒になった住宅があればどうでしょう。大きく見れば集団生活また施設生活に見えるかもしれませんが、自分のことは自分で責任を持つという生活。
一人生活に入られた、田村さん、西田清美さん、そして大先輩の曽我部さん、まだまだ居られますが、そんな先輩のあとを追うことも自分の生活を考える選択肢の一つです。そして僕らが造ろうとしているコレクティブハウジングもまた選択肢の一つでありましょう。もう一度、他人と共に住むことを考えてみましょう。安心して、自分の生活が出来る住宅、そんな住宅を造りましょう。