頸損だより2000秋(No.75)

ミカリンの明るい生活相談

ミカリン

Q.知らない所への外出は、トイレ等の設備がちゃんとあるか不安で、楽しむことが出来ません。一緒に行っている人も楽しんでくれたかと心配になり、外出することが怖くなってしまいました。


A.車イスに乗っていると、トイレがあるかどうかは確かに心配になるよね。トイレのことが心配で楽しむことが出来ない気持ちも分かる。でも、お金が無いなら仕方がないけど(笑)、トイレのことが心配で外出できないなんて、ちょっと寂しくない?

だから、トイレになんか負けないで、どんどん遊びに行こう!

相談からは、性別とか年齢とか障害の程度とかが分からないけど、もし男性で「しびん」を使えるなら普通のトイレでもOKだし、傘の袋とかも便利だって聞いたことがあるよ。一度試してみてね。

もし女性とかでトイレに座らないとダメなら、やっぱり洋式トイレが必要。そうすると、何とかして洋式トイレを探さないといけないです。それも狭いトイレだと、車イスで入れないこともあるし、階段があるトイレも入れない。そんなときは、新しい駅とか大型スーパーとかを探してみましょう。あと、平日なら、社会福祉協議会とか福祉センターでトイレを借りるのも良いかも…。

ちょっと抵抗があるけど、頚髄損傷の人には「バルーンカテーテル」を入れている人も結構多いみたい。ただ、バルーンは衛生の管理をちゃんとしないとダメです。慣れてくると適当にする人もいるけど、ばい菌が入ったら大変なので、ちゃんとしましょう。「バルーンを入れてから行動範囲が広がった」って言う人も沢山いるから、どっちが自分にとって良いかを考えて、自分で決めてください。

それと最後に、一緒に行く人が楽しんでくれたか心配しているみたいだけど、いつも遊びに行く人なら、それは大丈夫だと思うよ。でも、相手も楽しんでいるのかを気に掛けるのは大切なことです。一緒に遊びに行ったんだから、半分ずつ楽しむことは、障害があってもなくても、友達関係の基本だよね。

外出できない理由を探すんじゃなくて、外出できる方法を探そう!


Q.一人暮しをしたいのですが、家で家族の手を借りながら生活しているので、自分が一人暮しをすることがうまく想像できません。でも、どうしても一人暮しがしてみたいので、何から始めればいいのか教えてください。


A.一人暮しをするために何から始めればいいかということだけど、その前に「何のために一人暮しをするか」を考えるほうが先決だと思う。一人暮しに憧れる気持ちは私にも解るけど、一人暮しは「目的」じゃなくて「手段」だから、一人暮しをしたのはいいけど、テレビを見る以外に何もすることが無いなんてことにならないように気を付けよう。まずは、少なくとも週に3〜4日は通う所が必要だと思うよ。仕事をするも良し、学校に通うのも良しだと思います。

その上で、やっぱり一人暮しを考えるなら、まずは自分の介助がどのくらい必要か考えてみたらいいと思う。一日の過ごし方を紙に書いて、介助の必要な時間数を計算してみて、介助者を確保できるかを考えることから始めてみよう。ボランティアでやってくれる人がいればいいけど、もしもいないならば、有料介助者の制度や自分が雇うお金を考えないといけません。何をやるにも費用は大切です!

あと「どこで暮らすか」も大切です。何のために一人暮しをするかを考えて、あと家賃のことも考えて部屋を探そう。車イスだと貸してくれる部屋が見つかりにくいけど、頑張って探せば、きっと見つかるはずです。障害があって一人暮しをしている人に聞くのもいいし、自立センターとかに行って情報を集めるのもいいかも…。もし介助が必要なら、「介助者が見つけやすいこと」もお部屋探しのポイントです。

それと、お金のことや介助のことでも、家族の協力は絶対に必要だと思うよ。反対されると、はっきり言ってムカつくときもあるけど、イザというときに一番の味方になってくれるのは、やっぱり血の繋がった家族でしょ。「家族は一番の障害だけど、一番の協力者だ」っていう言葉もあるし、まずは家族を味方にすることから始めよう。とにかく、一人暮しは、一人の力だけで暮らすことではないので、まずは一人暮しをして何をしたいのかを考えて、協力者を見つけることが大切だと思います。絶対に諦めないで頑張ってね!

みか


「ミカりんの明るい生活相談」は今号から連載として掲載していく予定です。皆さんも日頃、悩んでいることや、困っているコトがあったら、ミカリンに相談してみてね!

相談窓口はokson@anet.ne.jpまで・・・


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