頸損だより2001春(No.77)

【巻頭言】

「話す事で教わる事」


昨年、中学生の前でお話しをする機会がありました。今までにも何度かお話しをさせてもらったことはあるのですが、人の前で話しをする前には「ちゃんと聴いてくれるのかな?」とか「ちゃんと話せるかな?」などと、かなりドキドキしてしまいます・・・。(大した事は言えないので、いつもお気楽な話しをさせてもらっています。)

先生曰く「こんな真剣に聴いて静かなまま終わる授業は始めてや」との事。感想文も書いてもらったのですが、しんどさよりももっと楽しい事があるから一緒に楽しい事しようよ、みたいに話していたつもりなのだけど、やっぱり「障害もっているのにスゴイ」とか「大変そう」って感想が多かった。だけど、「楽しい事はみんないっしょ」って思ってくれた子も結構いて嬉しかったです。ある意味、私の方が勉強になったと思います。お話しをする前には、自分が障害を持つ前の障害を持つ人に対するイメージを思い出したりすると、私が無知の偏見を持っていたあの眼差しに向かわれるわけだから・・・とか、あれこれ考えていました。自分は自分を受け入れる事が出来ず客観視しているのではないか?と再び考えたりもしてしまうのです。しかし、私は私なのだとみんなの前で話すことで、自分に問い掛けたわけで、それをちゃんと聴いてくれるみんながいて、普段ノートしない子も「書いてんねんからジャマすんな!」とメモってくれたりして、すごい私自身の自信というか、「私でいいやんっ!」って少し胸張って言えるようになったような気がしました。少しだけだけどね・・・(笑)

鈴木千春
注 写真は省略しました。

戻る