頸損だより2001春(No.77)

「心に残るあのフレーズ」

赤尾広明

いつまでも心に残るフレーズというのは誰にでもひとつやふたつあると思います。例えば、挫折して前が見えなくなったときに気持ちを奮い立たせてくれた恩師の言葉とか、頸損になって絶望的な気分になってるときに励ましてくれた仲間の言葉とか…。僕自身これまでの人生を振り返ってみたらひとつふたつ…な、ないっ! これまでに何度も挫折したり落ち込んだりして、その都度誰かに元気づけられてきましたが、今思い出せないということは心に残ってない!? うー、なんてこった。これでは「看板(タイトル)に偽りアリ」になってしまう。

でも、僕が「人生」という迷路で彷徨ってるときに道標となった歌や映画はあります。そこで改題。「僕の心を突き動かしたあのフレーズ」ということで、今でもネガティブな気分になったときに聴いたりするミスチルの「終わりなき旅」という曲の歌詞を紹介します。


♪閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて

 きっときっとって 僕を動かしてる

 いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしたい

 もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅

 誰と話しても 誰かと過ごしても 寂しさは募るけど

 どこかに自分を必要としてる人がいる

 難しく考え出すと 結局全てが嫌になって

 そっとそっと 逃げ出したくなるけど

 高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな

 まだ限界だなんて認めちゃいないさ

 胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように

 いつも今日だって僕らは動いてる

 嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう

 もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅♪


そう、人生は「もっと大きな自分」を探すための終わりなき旅のよう。

旅の途中では凸凹道があってつまずいたり暗闇でまわりが見えなくなったり目の前に高く大きな壁が立ちはだかったりすることがありますが、それらの障害を乗り越えたときにきっと“何か”が見えて、その“何か”が自分を大きくしてくれるかもしれません。扉の向こうにあるのはいいことばかりとは限りませんが、それでもその場に止まっていないで、もっと大きな自分になる(注:体ではない)ために、目の前の扉を開こう…と、この曲が僕の背中を押してくれるんですね。

ネガティブな気分になったときに聴くと心の中にあるスイッチを前向きな気持ちに切り替えて、再び「人生」という終わりなき旅に出ようと思います。息が切れるまでニシエヒガシエ光の射す方へ。


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