8月26日(日)にボランティア部勉強会を行いました、ボラ部勉強会は、いつも会のお手伝いをしていただいている皆さんに、頚損やボランティアのことについてさらに理解を深めてもらうことで、よりよい介助をしていただくことを目的に毎年行っていますが、今年は初の試みとして、様々な改造を施した会員宅の見学会を実施しました。
この企画自体は、以前からアンケートなどで要望のあったもので、今回は一般の賃貸マンションの改造例として宮脇会長、そして障害者用マンションの例として会員の徳山さんにご協力いただきました。(宮脇会長、徳山さん、ご協力ほんとにありがとうございました)
また、参加した皆さんには、せっかくなので移動の道中、交代で車椅子介助の練習もしていただき、昼食時にはペアを組んで食事介助の練習もしていただきました。
なお、今回はボランティア以外に、自立生活に興味をお持ちの会員さん1名と外部から障害者の方1名も参加してくださいました。
当日は、まず朝9時半に西区民センターに集合して、頚損と車椅子介助についてかいつまんで説明した後、さっそくすぐ近所にある宮脇邸にお邪魔しました。宮脇会長がお住まいのマンションは、知り合いの方がオーナーと言うことで、マンションを出るときには改造個所をすべて元通りに戻すという条件付きで改造を認めてもらったそうです。改造ポイントとしては、1Fのマンションビル入口と自宅玄関口に鉄板製の簡易スロープを設置、室内の廊下/ダイニングキッチン間の扉を取っ払い段差をスロープで解消、寝室へのパートナー(天井走行型リフト)の取り付け、などでした。ちなみに、宮脇会長はC4・5レベルで、いわゆる日常生活動作(ADL)に関しては、ほぼ全面介助が必要です。改造費用は約200万円で、当初は元に戻すのに同額程度かかる見込みでしたが、最近、特に高齢者の増加などでバリアフリーの概念が一般的になってきたこともあり、大家さんの意識にも少し変化が見られ、今は段差解消などの一部改造はそのままでもよいと言われているそうです。
宮脇邸に20分程度お邪魔した後、今度は地下鉄御堂筋線、モノレールを乗り継いで、途中千里で昼食をとって、豊中にお住まいの徳山さん宅を訪問しました。徳山さんは、豊中の自立生活センターとのかかわりを通じて一人暮らしを考えるようになり、実家の玄関に5段ほど階段があって外出が困難だったこと、母親が年齢的にだんだん介助が大変になってきたことなどから、思い切って障害者住宅に応募され、今年春から今のマンションで自立生活を始められたそうです。ちなみに徳山さんも同じくC4・5レベルで全面介助が必要です。(徳山さんの自立生活のより詳細については、以前鳥屋くんが会報に載せた取材記事をご覧下さい)全面介助ゆえ、徳山さんご自身がマンションのバリアフリー設備をすべて利用されてるわけではありませんが、一応主なところを挙げておくと、まずマンション玄関にはスロープが設置され、車椅子入居者の部屋は車椅子での緊急時の避難を考えすべて1階にあり、ベランダからも直接外に出られるように配慮されています。また玄関の扉は引き戸になっていて、床はフローリングで当然全くのフラット。部屋の間取りは車椅子での動きやすさを考えてゆったり広めにとられています。それと、マンションへはすでに完成済みのところに入居する形で、建築途中で注文をつけたりはできないため、ベランダの物干し、洗面台、シャワーなどがスライド式で利用者に合わせて後で高さ調整ができるようになっていて、他に風呂場とトイレには多数の手すりが設置され、浴槽には車椅子の高さの腰掛けと壁設置型の電動リフトが設けられています。寝室には、天井工事をしなくて済むフレームを組むタイプのリフトが設置されていました。
設備見学後、参加者との活発な質疑応答を交えながら徳山さんに普段の生活ぶりについてお話を伺った後、この日は4時過ぎに現地解散しました。本当はこの後、西区民センターに戻って、見学した感想などについて話し合いを予定していたんですが、段取りが悪かったことや、また移動にも思った以上に時間がかかってしまったため、できませんでした。また約束の時間に大幅に遅れてしまった結果、途中合流した星ケ丘OTの岡先生や徳山さんには大変ご迷惑をおかけしてしまったこと、この場を借りてお詫び致します。
頚損者には受傷個所によって様々な身体状況の個人差があり、それに応じた改造も様々です。ですからまた機会があれば一戸建ての改造例なども含め、できれば第2弾の見学会を行えればと思います。ボランティアや会員のみなさんも、ボラ部勉強会でこういう内容・テーマを取り上げて欲しいというご要望がありましたら、是非当会 E-MAIL:okson@anet.ne.jp までご連絡ください。