私たち当事者(大阪・兵庫・奈良の学生無年金障害者訴訟原告11名)は、7月5日(木)に大阪地方裁判所に提訴、第1回の口頭弁論が10月19日(金)午前10時30分〜午前11時に行われ、45席の傍聴枠に10人もの車イス障害者が入廷でき、裁判のバリアフリー化に一歩前進できえたと思うしだいです。
第1回弁論では、書類(訴状と答弁書)のやりとり、当事者の原静子さん・辻一(まこと)さんの口頭意見陳述、弁護団が代表して口頭意見陳述が行われ、最後に次回の進行と日程の調整がなされました。
原告の原さんは、障害者になったときから今までの経緯を述べ、障害を負っても親からの自立をしたい、仕事を持ち、家庭を持ち、普通の人と同じ暮らしがしたい、一人の市民としての生活がしたい。障害基礎年金がなかったことで如何に辛苦をしてきたか、障害者にとって年金は経済的、精神的に不可欠なものであるかということを陳述した。
原告の辻さんは、国民年金法が施行されてから幾度かの改正がなされてきた経緯を述べ、いかに不十分な法であり、全役所の年金係の知識もあいまいであり、卒業後就職すれば厚生年金(共済年金)等に入るのだから国民年金を掛ける必要は無いという誤ったアドバイスを受ける者も多々いた。 20歳当時の国民年金任意加入制度について役所の年金係と相談のおり、障害を持つ可能性については想定されず、障害年金の存在については、全く意識されていませんでした。そのために、大学生であれば年齢を問わず年金受給権に必要な所得条件の制限が生じるまで加入しなくても良いものと判断した以下の5点を述べた。
全国8地方裁判所(札幌・盛岡・新潟・東京1次2次・京都・大阪・広島・福岡)でも順々に裁判が行われており、提訴した原告者30名は地域の支援者に支えられて厳しい闘いをしています。それぞれの原告は、現在30〜60歳代で、いずれも重度の身体障害者、精神障害者の方々です。
各地方裁判所に提起した訴訟は、「行政訴訟と国家賠償請求訴訟」で、憲法14条違反、憲法お25条違反を主張しますが、国民年金法違反も主張しています。
障害基礎年金は、障害者の経済的自立に欠くことのできない基本的条件であるのに、無年金障害者は経済的自立を阻まれています。
20歳前の事故や病気が原因なら成人するのと同時に障害基礎年金を支給されるが、20歳を超えて障害を負った場合には、国民年金に加入していることが支給条件となる。国民年金は、20歳以上は全員加入が建前だが、学生の加入が義務づけられたのは平成3年(1991年)で、それまでの加入率は、わずか2%程度である。当時、成人した学生が事故や病気で無年金の障害者になった者は、かなりの人数にのぼると推測される。
無年金障害者の解消は公的年金制度改善とつながり、10万人といわれる無年金障害者の解消は、数百万人といわれている無年金者の解消となり、公的年金制度全体の底上げにつながります。
どういう原因で、無年金障害者になるのか?
私たちは、この活動を通して、4つの課題の実現を目指しています
傍聴席を支援者でいっぱいにし、無年金障害者問題が広く関心を持たれていることを裁判所に示したいと思います。是非、支援に駆けつけて下さい。
裁判後、引き続き報告集会を予定していますので、あわせてご参加をお願いいたします。
(備考)
ボランティア及び、皆さんのお知り会いの方で、20歳以上の学生の方は、国民年金を納付されている、または猶予手続きを取られているかどうか確かめて下さい。(老齢年金の不支給、無年金者になる可能性がありますので、ご注意を!)