頸損だより2002春(No.81)

巻頭言

最近思うこと

増井信博

私達は、目や口、手や足など、身体のいろんな部分を使って物事を行っています。世の中、今も昔も、その身体の使い方が間違っているのでは? と思わせることが多く起こっています。

例えば、「自分の意に添わない」「考え方が違う」と言って、相手を攻撃し排除しようとすること。「今さえ良ければ…」「我が家、我が社、ひいては我が国さえ良ければ…」という思いから、後々のことも考えず、有るが上にも物を欲しがること。又、実際以上の評価を得ようと、他人をあざむき、落とし入れること。これらが挙げられるでしょうか。

今より向上しようと、一所懸命に努力をすることは素晴らしいことです。しかし、それが為に、他人を傷つけたり不正を働くことは、許されるものではありません。


目は、美しいものも醜いものも映し出します。そんな時“できるだけ良い面を見るように”してみたら・・・・。

耳にも、いろんな情報が入ってきます。誰かと話をする時“相手の言おうとしていることを、まず、良く聞くように”してみたら・・・・。

口からは、“人を傷つけたり・嫌がらせる言葉ではなく、楽しませたり・喜ばすような言葉を出すように”心がけてみたら・・・・。

少しは暮らしやすい世の中になるだろうと思うのですが・・・・。


目や耳から入ってきた事象を、どう感じるか。そして、口からどのような言葉を発し、手や足を使ってどのような行いをするか。それらを決定しているのは、一人ひとりの心であると思うのです。

誰の人生にも、楽しい事・辛い事、いろいろあると思います。その中で、心の持ちようによって、自分の人生が大きく変わり、時には、その一言で、周りの人の人生をも変えることがある。そう考える時、お互いに少しでも明るく豊かな人生になるように、心を遣いたいと思うのです。

注 写真は省略しました。

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