頸損だより2002秋(No.83)


笑顔


いつも元気に明るい君は

いつもたくさん分けてくれる

勇気と希望と元気のもとを

もらってばかりいるけれど

いつの日かきっと

そのやさしさに応えられるよに

大切にしたい君の笑顔



味方


本気で笑ってくれる人

本気で怒ってくれる人

本気で泣いてくれる人

大切にしたい強い味方



母心


必死に涙をこらえ

弱々しく歩く母の後ろ姿

悲しかっただろう

苦しかっただろう

今になってやっと気づく

今になって胸が痛む

あなたの涙の尊さ

不変の愛の深さを



バースデー


真っ白な産着に祝福されて

あなたが生まれた大切な日

あなたのお母さんが

とっても苦しみがんばった日

そしてとってもよろこんだ日

感謝の気持ち

声に出して伝えよう

あなたのケーキが届かぬうちに



ヤシの実


色とりどりの果物の中

長い旅から開放されて

静かに寝てる大きな実

小さな八百屋の片隅に

ほのかに香る南国の風



夏の終わり


誰もいない静かな海

潮風がとても懐かしく

あの夏の日を思い出す

波うちぎわに書いた文字

すっと流れて波にまぎれた



藤堂 優喜

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