頸損だより2002冬(No.84)


 冬の訪れ

鮮やかに染まる紅葉

萌える山並み

ふるさとに降る

純白の粉雪

華やかに街を彩る

つかの間のともしび

冷たい夜風に吹かれ

ぎゅっと唇かみしめた

春のぬくもり遠く愛しく


 精一杯

人生の目的

そんな立派な

ものなどないけど

夢にむかって精一杯

ただ精一杯に

生きてゆきたい


 ただひとり

そんなに自分を責めないで

君だって大切な一人

この世に唯一の存在

きっとあるに違いない

君だけにしかできないこと

君じゃなければ駄目なこと


 針

いつまでも進まぬ長針

あっという間に進む短針

退屈な時間

幸せな時間

秒針の速さは

いつだって同じ


 おやすみ

オヤスミナサイ

この一言に

秘められた

やさしさ

たった一言

その一言で

今日もがんばれた

明日もがんばれる

如月 優喜

戻る