菜の花
あたたかい春の日差し
まだ大きなランドセル
ゆっくり歩く帰り道
ふと見上げたその先に
忘れもしない眩い光景
小さな胸に訪れた
初めての驚き
早く誰かに伝えたい
あの鮮やかに広がる
黄色い花のこと
母はやさしく答えてくれた
菜の花だよと教えてくれた
大喧嘩
激しい雨音
鳴り響く雷鳴
青空が恋しくて
見上げる窓の向こう
やがておさまる天の怒り
雨上がりの水溜まり
悲しく流れる雲が映る
意地っ張り
青空が疎ましく
穏やかな日差しに
背を向けた
やさしい心
大切なひと
ほんとは分かっているけれど
素直になれない自分がいる
雀
小刻みに震わせる翼
忙しそうなさえずりが
朝日の隙間に舞い上がる
誰のために鳴いてる
誰のために急いでる
共鳴
君の沈黙が胸を叩き
君の涙がやさしさに
君の美声が胸に響き
君の笑顔に癒される