DPI 日本会議事務局次長 自立生活センター・ナビ代表 |
尾上浩二 |
今日の私の話は、サブタイトルで「当事者の自立生活はどう変わったか?」、そして「あるいは、どう変えていくのか?」です。こちらの方が話の本題だと思っています。つまり支援費制度でとりあえずスタートして、現状どういうところに我々はいるのか、どういう問題があるのかを見定めると同時に、後でお話をいたしますが、今年1月、ヘルプ上限問題ということで大騒動になりました。そこで示された、あるいは残された課題は何なのか。その課題の解決に向けて、実は今、動きが始まっています。そういったことを踏まえて、今後の支援費制度、あるいは私たち障害者の自立や社会参加を実現していくためのサービスやシステムはどうあるべきかを一緒に考えられればと思っています。
今年1月、ホームヘルプの上限問題ということで、1月8日からまるまる3週間にわたって激しい闘い、取り組みが厚生労働省前はもとより全国各地で進められてきました。そうしたドタバタ劇の中でスタートしたので、不信感や疑いの方がどうしても強くなってしまうんですが、もう1度、改めて支援費制度がなぜ導入されたかという原点をしっかり押さえておきたいと思うんです。今後どう変えていくのかを考える意味からも、導入に向けての議論がなぜ始まったのかを押さえておきたいと思います。
おさらい的な話になりますが、今年4月から支援費制度ということになっていますが、これが決まったのが2000年の社会福祉法と関連8法の改正、その中で2003年から障害福祉分野の多くのサービスを支援費制度に導入することが決まったわけです。その2000年の社会福祉法の改正はなぜ始まったのかというと、1997年から社会福祉基礎構造改革という議論がありました。
この社会福祉基礎構造改革の出発点は2つあったと思うんです。1つは、1996年に岡光序治という元厚生省の事務次官が、埼玉県の彩福祉グループという、特養を中心に運営していた特殊法人から賄賂をもらっていた収賄事件がありました。もう1つは入所施設での人権侵害ということで、1997年、福島県にある白河育成園という知的障害者の入所施設で園長さんが、医師資格や看護師資格を持ってる人でももちろんないわけですが、入所生をおとなしく眠らせるためなどの理由で勝手に薬を飲ませていた。裁判では、それと暴行事件が中心ですが、それ以外に現金の詐取や性的な暴力があったんじゃないかといわれ、この白河育成園は社会的な批判を浴びて、今、廃園になっています。ここ大阪でも、福祉分野ではないんですが、医療分野で1993年、精神障害者に関して非常に大きな問題がありました。大和川病院事件というもので、さまざまな保険の不正請求から始まり、特に精神障害者に対する人権侵害、マスコミなどで明らかになっているだけでも不審死を3回起こしたという病院ですが、大阪の精神の当事者から厳しい糾弾を浴びた結果、その大和川病院も廃院になりました。
このころ、福祉というものに対して社会的な批判というか、国民的な世論が盛り上がった時期です。荒っぽいいい方をすれば、福祉というと、何か心清き人が困った障害者たちのために身をなげうって活動する分野みたいな社会的イメージがあった。ところがそうじゃない。むしろ、今の日本の社会福祉制度の中には福祉を食いものにするような仕組みが潜んでいるんじゃないだろうか。そういう批判が高まったわけです。そこで、そうした不祥事が起きるような構図を変え、何よりも障害者、利用者の人権を守る、人権を保障していく、そういう仕組みに変えていこうということが本来、社会福祉基礎構造改革の議論の出発点だったはずです。
私、このころからずっとDPIでいろんな要望書を出し、文書を毎週作っていたので覚えていますが、そもそも人権侵害を生み出すような構図をどう変えるかという議論はどこかへ行ってしまい、利用の仕組みを変えるということで、利用制度をめぐる議論にほぼ終始してしまったという感があります。そういう意味では不十分なところがあるわけですが、それでも、そうした経過を経ての支援費制度の導入ですから、理念は非常に高いものを掲げて検討が始まり、制度の仕組みが作られました。
なぜそんな高い理念があるのかというと、それだけ、障害者を取り巻く非常に厳しい人権侵害やそれを生み出す構造に対する厳しい批判があったからなんだ、ということをしっかり押さえておいていただきたいと思うんです。そういう意味で、支援費制度の理念というのは、非常に高い理念で始まっているということです。
よくいわれるのは、措置から利用契約型制度への移行。制度的にはそういう移行だということですが、そのことを通じて、次のようなことを実現するんだと。2000年の制度改正の時に厚生労働省が説明資料を作りましたが、その中でよく使われていた2つのスローガンがあります。「あなたが主役」(利用者本位)と「選べる制度」(選択性の効く制度)です。そうした利用者本位、選択性の効く制度を通じて、障害者、利用者自身の自己決定を前進させていこうと。自己決定の尊重ということです。
さらに並行して、一人ひとりのニーズに応じたサービス提供ができる相談支援―障害者のケアマネジメントという言葉でいい表されますけれども―一人ひとりのニーズに基づいたサービスを組み立てていく、それによって本当に一人ひとりが自分らしい生活ができるようにしていこうという。そうした相談体制を充実させようといっていました。
このことを通じて、結局のところ、「施設から地域へ」という流れをどう作るのか。非常に簡単にいえば、障害者自身の自立生活ということと、そして施設から地域へ、地域での自立ということ。それが私たち当事者から見て期待されていた部分だっただろうと思うんです。くどいようですけれども、支援費制度はそういう経過と、そういう期待を持って検討がなされていたということです。
どんなサービスが支援費制度に移るかはもう繰り返しませんけれども、居宅介護や施設訓練支援費など、いわゆる人的なサービスに関する部分の多くが支援費に移っていったといえると思います。
もちろん、一方、すべてのサービスが支援費になったわけではありません。例えば、今日来られている方の多くが車いすや電動車いすを使っておられますが、これは補装具制度を使っていますよね。あるいは環境制御装置を使っておられる方もいるかもしれませんが、これは日常生活用具という制度の中に入っています。こういう補装具や日常生活用具は、私たちの地域生活や社会生活の中で欠かせないものですけれども、これらは今までどおりの制度として残っています。
ですから、支援費に移行したサービス以外でも、私たちがしっかり活用し、その動向を見ていかなければならない制度もあるんだということをちょっと押さえておきたい。
さて、ここからあたりが本題です。それだけ高い理念を掲げた支援費でしたが、理念だけ高くても、絵にかいた餅は食べられません。支援費制度移行にあたって、心配されていた、懸念されていた課題というのが、もちろん当初からあったわけです。
ちょうど今から3年前、高齢者福祉の分野で介護保険が導入されました。その1年前の状況をみると、多くの市町村で要介護認定のモデル事業をやったり、いろんな基盤整備のための事業をやったり、ある意味で市町村は尻に火がついた状態だったと思います。それに比べると、やっかみ半分のいい方になりますが、支援費制度というのは「準備なき制度移行」というか、今年の1月、2月ぐらいになってようやく市町村に尻に火がつき始めたという状態だったのではないかと思うわけなんです。
そういう意味では、本来、支援費制度に移るにあたってしっかりと仕組みとして用意しておかなければなかったものが、見切り発車的に移行したために、積み残し課題として指摘されてきた問題がたくさんあります。その中で、制度の根幹に関わる問題ということで、次の4点に集約しました。
皆さんから寄せられた各地からの支援費のコメントの中でも、支給決定はとりあえずされたけれども、特に地方では、事業所がひとつしかない。あるいは、そもそもそういう障害者のニードに対応した事業所がないんだという声が挙がっています。ということで、サービス基盤がなければ、どうしようもないわけですね。「選べる制度」「契約制」だといわれても、選べるだけの多様な選択肢がなければ選びようがないわけです。
もちろん、これは障害者運動の側でも、支援費制度導入が決まってからずっと心を砕いている課題です。例えばここ大阪の例では、私たち自立生活センター・ナビもその加盟団体になるんですが、大阪の障害者団体で、障害者の自立生活を基本的な目標としたNPO「大阪障害者自立生活協会」というのを立ち上げて、事業所のボランチをつくっていく。障害者サイド、障害者のニードに対応する事業所を私たちの手でつくっていこうという取り組みをしています。全国的に見れば今、北は北海道から南は沖縄までいちおう全都道府県で、そういうNPO型の障害者の自立生活センター的な活動をしている団体が指定事業者になっているという形になってきたわけですが、皆さんもそれぞれ地域で取り組んで来られたのではないかと思います。
支援費になっていちばん大きく変わるのは、利用契約の仕組みだといわれていますが、もう1つは、市町村が実施主体になることです。身体障害の分野ではこの10年ぐらいの間にほとんど市町村に移りましたが、知的障害の分野では政令指定都市や中核市を除けば、ほとんどが都道府県レベルだったんですね。今回、知的障害の分野も含めて市町村に移ります。さらに精神障害の分野では、支援費制度ではありませんが、改正された精神保健福祉法が2002年度から実施され、例えば精神障害者のホームヘルプ制度も2002年から始まっています。これも実施主体は市町村なんです。
つまり、身体・知的・精神すべての障害の分野で市町村が実施主体になるということなんですが、各市町村で本当に一人ひとりのニードに対応した支給決定ができるか。支給決定ができるかとは、つまりお金の問題、財源の問題です。支援費開始にあたって、それだけの財源を各市町村は確保していたかどうかという問題ですね。
去年の9月までは国レベルで、市町村障害者生活支援事業や障害者(児)療育等支援事業などの相談事業を充実させていくといっていました。例えば大阪市内だと、私が勤務している自立生活センター・ナビもその1つなんですが、14カ所で市町村障害者生活支援事業が実施されていて、その多くが障害者自身が運営する自立生活センターに委託されています。その中でいろんな相談や、時には障害者ケアマネジメントという手法も有効に使って、支給決定に影響を与えていこうといっていたわけです。ところがご存じの通り、去年の12月にこの市町村障害者生活支援事業や障害者(児)療育等支援事業は一般財源化されました。一般財源化とは何かというと、要は国庫補助金の打ち切り削減なんですね。
ちょっと脱線しますけれども、今年5月の連休明けぐらいから「三位一体の改革」というのが何回か新聞に載っているのを見られたと思います。これは何かというと、国庫補助金の削減と、地方交付税の見直し。もう1つが税源の移譲で、これがどうなるかということなんですが、今、進められている構造改革というのは、特に小泉首相になってから、ほとんど財務省が仕切っている世界という感じがするんですね。財務省からすれば、もう国の赤字がこれだけあるんだから、ともかく削減をしたい。で、切り捨てではない、これから地方分権だから地方でやってくれ、という理屈でそれをやってると思うわけですが、本来、相談機能とか介護サービスとか、必要なサービスは減るわけじゃないんですよ。不必要なものは削減したらいいけど、必要なものを削減したら、自治体に金が回らなくなるという仕組みです。それが3つ目の税源移譲なわけです。
去年からそうした国庫補助金の削減の動きが出ていて、その中で出てきたのが、市町村障害者生活支援事業や障害者(児)療育等支援事業の見直しで、去年の9月までは厚生労働省はこれは重点課題だ、重点課題だといっていたのにも関わらず、舌の根も乾かないうちに去年の12月に一般財源化してしまった。市町村障害者生活支援事業等をやっている連絡会の調査では、全国の3割の自治体で市町村生活支援事業等の補助金が削減されています。今まで1500万円だったものが、1300万ぐらいになったり、1100万ぐらいになったり。いちばんひどいところで、確か350万ぐらいになったところもありました。驚くほどのバラツキですけれども、国の補助金を削減して自治体で勝手にやってください、ということでそういうことになってしまっています。
これについては、各指定事業所に苦情処理の窓口を設け、各都道府県レベルで地域福祉権利擁護事業、あるいは運営適正委員会というものを行う。そこで権利擁護の仕組みをやりますといっています。ただ、その実効性はどうなるのかという疑問が正直あります。
以上の4点はいずれも、運用にあたっての基本に関わる部分ですね。そうした問題を積み残しながら、とりあえず支援費に移っていくということでした。実は今年の1月、あるいは去年の12月ぐらいまでは、いろんな課題があるけれども、とりあえず支援費にランニングして着地して、着地すればいろんな課題が見えてくるわけだから、そこから取り組んでいけばいいだろう、と。行政、障害者団体、事業者、それぞれの立場から、まずは始めて、そして大きく育てていこうというスタンスだっただろうと思います。そこから急に大きく変わったのが、今年1月のヘルプの上限問題でした。
これは先ほどの4つの課題の中の財源確保、あるいは支給量決定に関わる問題ですね。たびたび新聞で報じられたり、メールやインターネットでも情報が出ていますので、詳しくは振り返りませんけれども、要点だけちょっと押さえておきます。
今年1月8日のことです。夕方5時ぐらいに電車で移動中、私の携帯電話がバイブレーションモードにしていたので、カバンの中でブルブル震えるんです。「何やろな」と思ってたら、ひっきりなしにバイブレーションが動くわけです。移動中は電話に出ないことにしているので出なかったら、今度はメールが入ってくるんです。で、電車を降りて電話をかけたら、「将来、厚生労働省がホームヘルパーの上限を決めるという話がインターネットで出ているが、知ってるか」という問い合わせがありました。
どうなっているのかと思って、とりあえず地元の大阪の自治体の担当者に聞くと「そんな話は全然聞いてない」という。次にDPIにかけると、三澤事務局長が出られて、それによると、東京の担当者に聞いたら、全身性障害だったら例えば120時間という時間が出ていたので、担当者が「え、週120時間ですか」って(笑)。厚生労働省は今まで上限を撤廃せえ、撤廃せえといってきたわけです。東京の例でいうと、全身性障害者介護人派遣事業が1日8時間×30日、1カ月で240時間でした。上限を撤廃するという流れの中で限度を決めたというから、今の240時間では足りないから、週120時間に決められたのかなぁと。自治体の担当者がそう思うぐらい唐突な数字だったんです。
とりあえずまだ確認ができてないということで、翌日、三澤さんたちが厚生労働省へ行って確認すると、これが障害者団体が事実として確認した第一号になりますけれども、「まだ内部で検討中だけれども、そういう話がある」といういい方でした。その時は、まだ本決まりの話じゃないという感じだったんですが、ふたを開けてみれば全然違いました。1月10日に「毎日新聞」で大きく報じられて、その後、14日に500人の交渉があり、16日に1200人、それ以降、毎日、200人近くの仲間が厚生労働省前に押しかけて、最後27日に合意ということになったという経過です。
この経過の中で特筆すべきは、ひとつには、DPI、日身連、育成会、JDという全国を代表する障害者団体が共同してずっと闘い抜いたということがあります。それと、厚生労働省前だけでなく各地で、ここ大阪でも大阪府知事名で厚生労働省に対して撤回の要望を出したり、大阪市も市長名で出したりしています。そういう各自治体に対する働きかけや議員に対する働きかけ、マスコミに対する働きかけが行われ、まさに全国の仲間が心をひとつにして闘い抜いたのではないかと思っているわけです。 その中で確認されたのが、1月27日に厚生労働省と私たちの間で合意をした文書「今回の国庫補助基準に関する考え方」です。全部で5項目ありますが、この中のポイントは1、3、4番目の項目だと思っています。
1番目の項目は《今回、新たに適用される障害者ホームヘルプ事業の国庫補助基準は、市町村に対する補助金の交付基準であって、個々人の支給量の上限を定めるものではない。》
「個々人の支給量の上限を定めるものではない」、ここが重要です。一人ひとりの支給量の上限を定めたものじゃないですよ、ということです。つまり、身体障害者で月120時間、知的障害者(重度)で月50時間、知的障害者(中・軽度)で30時間というのは、あくまで交付金を渡す時の基準であって、個々人の支給量を定めるものではない。
ただこれだけだと、じゃあお金が足りなくなったらどうするのか、という問題が出てくるわけですね。で、3番目の項目です。
《国庫補助基準の設定に当たっては、現在提供されているサービス水準が確保されるよう、現状からの円滑な移行を図ることとし、従前の国庫補助金を下回る市町村については、移行時において、原則として、従前額を確保することとする。》
「原則として」というのは行政用語で、最大限、基本的には100%保証するということだと、その時のやりとりで厚生労働省の局長や部長から補足がありました。つまり、少なくとも今はサービス水準は引き下げない。そのサービス水準を維持するにあたって、この国庫補助基準で足りなくなったら、その分のお金は厚生労働省が補填をしますよ、ということです。1番目と3番目の項目は、裏表の関係にあるわけですね。
これが今回の闘いでぎりぎりまで押し戻したところです。つまり、私たちDPIとしては、本来は一人あたり何時間という、そういうひとりの人間の生活の中に手を突っ込むような補助基準のあり方自身が問題だ。例えば前年度実績×何%とか、そういうやり方があるじゃないかと。一人あたり何ぼというのは、厚生労働省にそういう意図がなかったとしても、それを聞いたわれわれ障害者としては、自分たちの生活の中に手を突っ込まれている感じがある、といったわけです。そこまでは撤回できなかったという意味では、完全勝利、全面勝利ではないわけですが、でもぎりぎりのところで何とか押し戻した。今までのサービス水準は引き下げない、というところまでは何とか押し戻したというのが、今回の闘いの到達点かと思います。
じゃあ、ぎりぎりのところまで押し戻したけれども今後どうなるのかということで4番目の項目です。
《検討会をできるだけ早い時期に設置することとし、支援費制度下におけるホームヘルプサービスの利用や提供の実態を把握した上で、在宅サービスの望ましい地域ケアモデル、サービスの質の向上のための取組等、障害者に対する地域生活支援の在り方について精力的な検討を行うこととする。
また、国庫補助基準については、支援制度施行後のホームヘルプサービスの利用状況等を踏まえ、検討会において、その見直しの必要性について検証するものとする。なお、検討会の運営等については、利用者の意向に配慮し、利用当事者の参加を求めるとともに、公正な運営が確保されるよう、適切な委員構成とする。》
ここの検討会については、後でお話をしようと思いますので、とりあえず、今後の課題については、検討会で取り組んでいくことになったということですね。
ついでに、1月28日の緊急報告集会アピールにもふれておきたいと思います。今回、私、1月の下旬ぐらいから10日間ほど東京にいたわけですが、その中で思ったのは、何とかぎりぎりのところまで押し戻したということと、もうひとつは、あぁ、日本のノーマライゼーションってすごい危ういんだなぁ、というのが率直な実感なんですね。
財務省の方針がドンと背景にあるのかもしれませんが、2000年の法改正以降、2003年の1月に法律や制度は何ひとつ変わったわけではないんですよ。サービスの上限は設けるなといっていたのも2000年の法律ですし、それ以前、1995、6年ぐらいからもずっといっているわけです。法律が2000年以降、変わっていないにも関わらず、役人の心づもりが変わったり、あるいはたまたまそういう考えを持っている担当者が来たというだけで、これだけ私たちの生活が左右されてええんか、というのが正直な思いなんです。
それで集会アピールということで、7つの今後の行動提起を挙げています。
3点目の「パーソナルアシスタントサービス実現に向けた取り組みを進めよう」、これがひとつのキーワードです。つまり、何だかんだいろんな問題があるけれども、やっぱりこれからの介護サービスとして実現されなければならないのは、パーソナルアシスタントサービスという新しい―というか、本来の障害者の自立や社会参加ということにスポットを当てた制度やサービスの枠組みを作ろうということです。
5点目は、来年度予算は今年の9月に概算要求が出て、12月に予算案が出ますね。その概算要求に向けてこの6、7、8月ぐらいが山場になると思いますけれども、ここでまたホームヘルプの金が足りなかったら、今年と同じようなことが起きないとは限らないわけです。毎年1月になったら、今年のような闘争をやらなあかんのかな、ちょっと疲れるなぁと。これは冗談ですけれども、そうならないように、来年度の予算でしっかりと支援費での伸びを反映した予算要求を実現させなければいけない、ということですね。
6点目が、大きくいえば、日本でも障害者差別禁止法というのを作っていこう、ということです。この6月の下旬からニューヨークで障害者権利条約についての特別委員会が開催されます。そうした動きもあって、国際的には障害者権利条約、国内的には障害者差別禁止法の制定ということで大きな課題になっていくわけです。
そういう大きな話以外に、今回私たちも、補助金と負担金とではこんなに差があるのかと認識を新たにしました。先ほどいった三位一体の改革の中では、国庫補助金の削減がひとつのキーワードです。日本の施設の制度は支援費以前から、国が2分の1負担をする国庫負担金というものでした。ところが、ホームヘルプサービスなどいろんな在宅関係のサービスは国庫補助金となっているわけです。それは「2分の1以内で」補助ができるというものです。だから、補助金の削減でいつでも2分の1から4分の1に下げることができるし、1割に下げることもできるという仕組みなわけです。国の責任が負担金と補助金とでは全く違う仕組みになっているということです。
今回のような問題がなぜ出てきたかというと、ひとつはもちろん財務省の基本方針がありますけれども、もうひとつは―いろんな情報では、去年の9月の概算要求の後、いわゆる施設の経営者の関係の団体が、地元のある大きな力を持っている党の議員に働きかけた。その結果、施設訓練支援費は9月の時の単価から、11月、12月を経て、どんどん単価が上がっていった。そうすると、パイが決まっている中で施設の方にお金をぐっと持っていこうとすれば、在宅を削らなければならなくなるわけです。地域の側を削らないといけない。本来は全体のパイを大きくしなければならないことかもしれないけれども、その中で去年の経過でいえば、ぎりぎりのところで在宅のサービスを減らす動きが出た。それが今回のヘルプの上限問題、大きな背景にあるようなのです。
そういう意味で、先ほど、役人の心づもりでそんなに変わっちゃうのか、危ういなぁというのが私の実感だといいましたが、法律上も制度上も、施設と比べて在宅は一段下に置かれているんじゃないのかと。そこをやっぱり変えさせなければいけないと思うんです。
以上のような問題を、今後しっかりと運動として取り組んでいくことを500人ほどの参加者とともに確認できた点に、大きな意味があったと思っています。
さて、そういった中で、ぎりぎりのところまで押し戻し、今後の積み残し課題は検討委員会ということで今後に委ねられているというのがこれまでの総括なわけですが、じゃあ今後の検討としてどんなことが課題になるかをお話します。
今日は支援費の話が中心ですが、障害者プランというものにも少しだけふれておきたいと思います。というのは、支援費制度というのは制度の仕組みです。その背景にどういう政策、どういう計画があるかはやはりひとつのポイントです。
去年の12月、2003年から2012年までの10年間を対象にした「新しい障害者基本計画」と、それに合わせて「重点実施5カ年計画(新障害者プラン)」という、5年間の数値目標を盛り込んだ計画が策定されました。新聞などでは「障害者、脱施設へ」ということで、朝日や毎日などの1面の隅ぐらいには載っていたと思いますが、ただ私、非常に冷めた見方をしてるのかもしれませんが、1995年の障害者プランの7カ年計画が出た時と比べて、これで何かが変わるという期待感が非常に薄いという感じがしてるんですね。
1つは、旧障害者プランでは「30万人に2ケ所、相談事業を障害別に設置していく」という、これが先ほどいった市町村生活支援事業など地域の相談体制を充実させるということですが、そういう目玉的内容がありましたが、今回は見当たらないことです。もう1つは、計画での脱施設や地域での相談事業の充実といいながら、一方で相談事業の一般財源化やヘルプの上限問題が出てきているので、不信が強くなってきていることです。大阪弁でいえば、「書いてることとやってることが違うやないかい」という感じでしょうか。
マスコミなどでは「脱施設」といってるけれども、どこがそうなんだろうと。計画を見ると、インターネットで内閣府のホームページからPDF文書で取れますので、そちらを見てもらったらと思いますが、要は「施設などから地域生活への移行の推進」ということが掲げられていて、「障害者本人の意向を尊重し、入所(院)者の地域生活への移行を促進する…」ということと、「入所施設は、地域の実情を踏まえて、真に必要なものに限定する」と書かれています。これまでのように入所施設をバカスカ作らない、ということが書かれた程度なわけですね。決して脱施設とまではなかなかいい切れない。いうならば「ゆるやかな脱施設」ということかと思います。
今回、本当にノーマライゼーションをさらに進めるということからすれば、「脱施設」や「地域生活移行」を言葉だけではなく、どう実際のものとして進めていくのかが非常に大きなポイントだということを押さえておきたいと思うんです。ちなみに、今から2年ほど前、大阪府下で療護施設や知的障害者の入所更生施設に入居されている方々にアンケート調査をしました。その結果は私の予想以上だったんですが、身体の方で7割弱、そして知的の方で7割以上の人が、今の施設生活を継続するのではなくて、一人暮らしや、あるいは家族とともに、あるいは友だちと―というのはグループホームとか福祉ホームということになるわけですけれども―暮らしていきたいと。要は今の施設から地域へ戻りたいという人が7割もいる、ということです。本人の意向はそうだという。
本人がそういう意向を持っているということを着実に実施するためには、ともかく施設出て行ってくださいではダメなわけで、そのための移行のプログラムと、そして、そのための受け皿というか、地域での住まいや十分な介護サービス、いろんな支援が受けられるかどうかということが必要です。「脱施設」の行き先は、また親や家族に介護を強要するということでなくて、充実した社会サービスを受けながら、ひとりの社会人として地域へ移行していくこと、これが一番ポイントだと思うんですね。
そういう意味では、今回の計画は「施設も地域も」というところです。これをちゃんとしっかり地域中心の方に、地域の自立中心の方に持って行けるかどうかが、これからのポイントだと思っています。なぜこの話をしているかというと、もう国の計画は決まってしまったやんか、と思われるかもしれませんが、国の計画が決まることで、皆さんがお住まいの市町村や都道府県で計画の見直しが始まります。大阪府はもう今年の3月ぐらいに「第3次障害者計画」というのを作りまして、大阪市も「新しい障害者支援プラン」というのを作っています。大阪府がそういうふうに作ったので、府下の各市町村も今年中にいろんな検討が始まっていくだろうと思うんですね。
支援費になって、ある意味で、どれだけの介護サービスが必要かが非常にクリアになってくるわけです。今までだと、例えば全身性障害者介護人派遣事業の制度がある自治体とない自治体とでは、全然時間数で見れば違うわけです。でも、今は国の支援費に基づく制度の時間ですから、どれだけの時間が必要かはクリアになりやすい。そこで、その数値目標がしっかりと盛り込まれるような取り組みをしていただきたいと思うんです。
実は、高齢者の分野では、1990年にゴールドプランが国レベルで作られ、95年に新ゴールドプランが作られました。ホームヘルプが最初10万人体制だったのが、新プランになって17万人体制になりました。なぜかというと、市町村で老人福祉計画を作ってその数値を足していったら、10万人ではとうてい足りなくて、17万人になったということです。そういう意味で、国の数値目標を上回るような各市町村での数値目標の設定ができればいいなぁと。そこまでできるかなという思いもあるんですが、でも、そのためにも皆さん、それぞれの地元で新しい障害者福祉計画、数値目標に向けてがんばっていただきたいと思っています。
この5月26日から検討委員会が始まっています。その中での議論と、あるいはこれから議論をしていきたいと思っていることを述べて、まとめに代えたいと思います。
26日に第1回目の会合がありまして、傍聴者が何だかんだいって70名になって、委員と事務局を入れて30名ですから、100名なんですね。もう集会に近い数で、トイレに行こうとしたら定員がないという状態でした。6月9日に第2回目があるんですが、実は80名の傍聴申し込みがありました。私、これだけの闘いをしたから最初はワッと来るけど、2回目、3回目になったら少なくなるんじゃないかと正直不安もあったんです。でも引き続き、どんどん増えていっている。やはり、この検討委員会の動向に期待と不安が、このことがどないなるやろと注目が集まっていることをひしひしと感じます。
そういう熱い熱気の中で始まった検討委員会なんですが、半年や1年で終わるものではないということなので、最低限1年半ぐらいは、来年の秋ぐらいまでは続くのかなと思っています。ですから長丁場です。今日は全国頸損ですので、関東地域や全国から来ていただいていると思いますので、もちろん関西からもぜひ来ていただきたいんですが、特に厚生労働省の近隣にお住まいの方は、ローテーションを組みながらでも絶えることなく毎回、傍聴を続けていっていただければと思います。
検討委員会で私たちが提起しているのが、パーソナルアシスタントサービスに向けて、という議論です。もう1つ、介護保険との統合問題がやはり議論として上っていくわけですが、その議論の仕方をちゃんと考えないといけないということを提起しています。
ご存じの通り、介護保険は5年ごとの見直しで、2000年に法施行されて2005年の見直しに向けて今、社会保障審議会に見直し分科会がつくられています。伝えられているところでは、保険料の徴収の年齢を40歳から20歳に下げるということと、20歳に下げるのに合わせて障害者も、40歳以下あるいは65歳以下の若年の障害者も介護保険に入れればいいんじゃないかという議論が出ているようです。そういう議論と時間競争的な部分が出てくると思うわけです。それで、介護保険との関係でみると、考えなければならない問題が非常にたくさんあるんだということをずっといっています。
介護保険と支援費制度を比較すると、利用の仕組みからみただけでも、次の4つの異なる点があります。
1つ目に、要介護認定の仕組みか、あるいは利用者本人の意向を含めた総合的な判断か。支援費は要介護認定の仕組みではありません。8つの勘案事項というものを定めて、市町村の職員が決定するという仕組みです。
2つ目に、介護保険ではケアマネジメントが制度的に組み込まれている。でも障害者の場合は、それが必要な人は、障害者ケアマネジメントでいろんな計画を作ってもらったりということが支援ということで得られるんですが、介護保険のように制度の中に組み込まれているわけではありません。
3つ目に、介護保険の場合は、自己負担が応益で1割定率負担です。これに対して支援費は応能負担です。本人ならびに扶養義務者からの応能負担ということになっています。
4つ目に、財源が保険か税かということです。ただ、これは今後の制度論に関わることで非常に大きな点なんですが、ドイツの介護保険は財源は保険だけです。ところが日本は、介護保険は保険が財源だというけれど、実は2分の1が税なんです。50%が保険で、残りの50%が国と市町村で折半しています。そうすると、介護保険の中に、今まで税でやっていた分も含めて高齢化サービスを組み込んでしまうと、介護保険のメニュー以外は、ほとんど市町村で独自のサービスをするかしないか、というだけになってしまいます。税が2分の1入っているというのは、今後の障害者施策の動向を考えた時にひとつのポイントになるんじゃないかという気がします。
さらに、利用の仕組みからの比較以外に、そもそもということでいうと―。障害者政策研集会というのを、毎年12月にDPIと呼びかけの実行委員会でやっていますが、2000年8月に介護保険と基礎構造改革のプロジェクトチームというのをつくり、「障害者の自立生活から見た介護保険の問題点」というのを次のようにまとめました。
介護保険の要介護認定85項目のほとんどが、例えば1人でベッドから起き上がることができるかとか、ADLの自立に関するものです。一番端的に表しているのは、要介護認定の対象にならなかった人は何と判定されるかというと「自立」です。つまり介護保険では、介護サービスを必要としないことが自立なんです。でも私たちは、介護サービスや必要なサービスを使って、自分らしい自己決定をすることが自立だと思っています。自立の理念が明らかに大きく違います。
介護保険のサービスは、居宅におけるサービスに限定されていて、外出をはじめとする社会参加の支援は対象外になっています。
自立支援というかぎりは「本人支援」が基本にあるべきですが、介護保険では家族介護が前提で「家族支援」が基本に置かれています。
ここでちょっと申し上げておくと、96、7年ぐらいに、9つぐらいのパターンに類型化して介護保険でどれだけのサービスができるかという計算をしている議論があって、それを聞いてエッと思ったんです。要介護度が「重度」「中度」「軽度」の3分類、家族の介護力が「高(他世代の同居)」「中(高齢者のみ)」「低(一人暮らし)」の3分類を軸に議論されたんですが、ところが、要介護度が重度で一人暮らしというパターンは、そもそも検討されていないんです。でも、特に頸損の方のように全身性障害での自立というのは、要介護度が一番高くて、かつ、別に一人暮らしでなければいけないということはないけれども、家族介護がなくても地域で生きられるのが自立だということで目指してきたはずですよね。まさにその項目が抜けているわけです。
私、このことに関してはしつこいですから、その時に厚生労働省の介護保険準備室に電話をかけて「なぜ、ないんですか」って聞きました。すると「いやグループホームとかだったら高齢はありますから」、どうのこうの。「いや、でも自立支援ということで検討するんだったら、そのことも項目として挙げないといけないんじゃないですか」と1時間ぐらい話したんですが、「高齢の場合はあまりそういう実態がありませんので」ということで、平行線のままでした。
本人の意志に基づく契約方式に切り替えるという限りは、要介護認定で認められた範囲内でのサービスの使い方については、本人の自由意志に基づくものでなければなりません。しかし、介護保険のサービスは訪問看護系とショートステイ系の2つに分類され、ショートステイ系を使わずに、全額訪問看護系に使うことはできなくなっています。
障害者ケアマネジメントでは、障害者のニードに基づいたサービスということがいわれていますが、介護保険の場合は当然、その保険点数内でサービスをパッケージングするとか、あるいはレセプト管理のようなことがケアマネジメントの仕事の中に期待されている部分だと思うんです。そういう意味でサービスのパッケージングなのか、一人ひとりのニードに基づくサービス開発なのか、というところが違います。
介護保険では、これまでの社会福祉法人以外に、株式会社やNPO法人、市町村では市民参加団体等も参入できるようになっています。しかし、障害者特有のニードを踏まえたサービス提供をする事業者がどの程度、登場してくるかは不確かです。
以上のような理念的な問題、制度的な問題があるということで、そのうえで一番大きなポイントとしては、要は介護保険であれが足りない、これが足りないというよりは、そもそも障害者の地域自立をしていくためにどんなサービスや支援が必要なのか、そこからまずスタートしようということです。
社会の動きでは、今の財政状況を背景にして、まず財源確保。そうすれば介護保険との統合が手っとり早いだろう。介護保険の財源が使えるということで財源確保する。そのために介護保険と統合し、そのうえで介護保険に今あるメニューから、何が足りないかという議論になると、介護保険のメニューが基本になってしまうということですね。
介護保険がいい悪いではなくて、そもそも障害者の介護といわれるもの、あるいはもっと広い言葉でいえば、地域生活での人的サービスをどうつくっていくか。日本では介護というと、やっぱり介護保険の介護がイメージされるので、別の言葉を探したいんですね。そこでパーソナルアシスタントサービスというカタカナの言葉を持って来なければならない状態になります。じゃあそれは、どういうものか。
ジュディ・ヒューマンという非常に著名な障害者自立生活運動の活動家の女性がいますが、彼女たちが主宰していたWID(世界障害者問題協議会)がまとめたパーソナルアシスタントサービスの定義があります。その概念規定で、どういうのが入るかというと、
入浴、排泄、(衣服の)着脱、洗面、食事等の場面での援助
買物、洗濯、掃除、食事作り等の場面での援助
金銭管理、時間管理、生活リズムコントロール等の援助
手話通訳、点訳、リーディング、代筆等の援助
緊急通報、福祉電話、友愛訪問等の援助
ガイドヘルプ、運転援助等の援助
介護保険では、この7つの分野のうちの1つ目、2つ目ぐらいなわけですよ。
あるいは、1997年にCIL立川がつくったケアガイドラインの報告書では、自立生活からみたケアの範囲として、次の5分野が挙げられています。
第1分野 ADL
身辺処理、起居、屋内移動
第2分野 医療・リハビリテーション
病院の紹介、健康管理
第3分野 住環境設定・補助器具の配備
福祉機器、住宅改造
第4分野 自立生活技術を高めるための活動
コミュニケーション、健康管理、危機管理、家事、金銭管理
第5分野 生産的・創造的活動
教養を高める活動、スポーツ、ボランティア活動、宗教的活動、社会運動的活動、行事参加、その他の余暇活動を含む文化活動、教育、就労、外出、旅行
介護保険でいうと1から2の分野、せいぜい住宅改修1回限りということで3分野のちょっとだけかなと思ったりするわけです。
ともあれ、国際的な通念でいえば、介護というものがまずあって、それに障害者の生活をどう合わせるかではなくて、障害者の生活がまずあって、それに必要な人的な支援を考える、それがパーソナルアシスタントサービスということなんですね。
スウェーデンではLSS法という、機能障害を持つ人たちのサービス法が1990年代の始めに作られて、それ以降、脱施設がぐっと進みました。当然、施設解体に向けた動きが政策動向としてあって、合わせてパーソナル・アシスタント・サービスということが全身性障害や知的障害を持つ人たちにも認められるようになって、どんどん地域に戻っていけるようになったんですね。つまり脱施設、地域移行といった時に、そういった新たな人的サービスを日本でも開拓しなければいけない。それを作り上げることをイメージしていかなければいけない。ということを、この検討委員会の非常に大きな課題ということで申し上げておきたいと思います。
最初に申しましたが、支援費制度はいろんな課題を残しながらの発車ではありますけれども、この支援費というものをテコに、私達の地域生活をさらに広げていく。そして、そのことによって地域のサービスや財源や社会資源全体を広げていくことが、こういった大きな制度の枠組みを議論をしていくうえで非常に有効だと思います。
一部の地域の人たちだけがパーソナルアシスタントサービスのような介護を使っていて、「それはそういう自治体の話ですから、国レベルでは関係ありません」となってしまったら困るわけです。全国津々浦々で、そういう長時間の介護をつけながら、本当に主体的に自立や社会参加をして生活ができなければいけません。そのためのサービスがもっともっと希求されていることを、皆さんの生活の中から、そして運動の中から作っていき、広めていっていただきたい。そのことが課題を解決していく大きな原動力になるんだということを強調して、私の提起に代えさせていただきます。