兵庫頸損連絡会が昨年4月に設立されて1年が経過しました。同時に始まった支援費制度は重度の障害を持つ者に大きな変化がありました。変化した一つに介助者探しがあります。制度が始まる以前の生活は絶えず介助者探しに多くの時間を費やしていました。それに費やすエネルギーは計り知れないものでした。制度が出来て事業所との契約で介助者探しからは解放されました。制度を自分にあったプランで運用され、家族、身内に頼っていた介助者も、肉体的、精神的に解放されました。しかし新たな生活にも慣れてきた矢先、今度は財源不足から来る国の安易な施策として、介護保険に組み込む話が浮上しています。介護保険に組み込まれるとどのようになるのでしょうか。現在の生活は維持できるのでしょうか。不安や疑問があふれ出てきます。それでは不安や疑問をどのようにすれば満足の行く解決が出来るのでしょうか。それには一人一人が解決に向かって進むほかないのです。しかし、一人の力ではどんなに頑張っても壁を越えることは難しいかもしれません。みんなの力を一つにする、そのために頸損連絡会があります。頸損連絡会は一当事者団体です。多数の当事者に共通の利益の実現を目指して活発に活動しています。
しかし、読者の皆さんも感じておられることでしょうが、目標とする利益(例えば:支援費制度)がたとえ獲得できたとしても、それを会員のみで独占することは出来ません。会費を払い、また時間や労動力を提供して会の活動に参加した人たちの成果を何もしなかった人がまったく同等に享受する事も可能です。すなわち「ただ乗り(フリー・ライド)」が容易に出来てしまうのです。しかし、会に入っても何のメリットもないと思われている方がおられるのならそれは大きな間違いでしょう。情報を集めるのなら今はインターネットで充分とお考えの方もおられるでしょうが、本当に必要とする情報は当事者から直接聞く生の声です。頸損連絡会がその重要な役割を担っていると思います。頸損連絡会に入っていてよかった、と言われる会を今後も目指して行きたいです。
山々が新緑につつまれ若さに溢れだすと、虫たちも動きはじめる。移り変わろうとするのは自然だけではなく、わたしたち人間の心と身体も同じように動きはじめる。
今年の2月に、ピア・カウンセラー養成講座を受けに私は東京に行った。まだまだ風が肌にさす季節だったが、穏やかな天候に恵まれ富士山が見えた。嬉しさの余り「アッ富士山!」と叫んで、それまで鼾をかいていたおじさんをも窓に目を向けさせてしまった。
最近になって私が感じている事は、何かが動く瞬間とは、静かな水面が一粒の小石によって波紋が広がるように小さなきっかけから始まるのではないだろうかと?
2002年の秋に私はピア・カウンセリング集中講座を初めて受けた。その時、東京行きなど考えてもいなかった。ただよく解らないままながら、自立生活センターを三田でやりたいという思いが強くあった。
それは身体的には高熱や痛みや痺れ、精神的には障害を感じた日や哀しみなど、ひとコマひとコマが目を閉じると、ひとつの物語のように浮かんでくる。
砂漠を1人でとぼとぼと歩いているような淋しさを抱えていた頃、折々に出会った色んな人たちから、多くのサポートを受けてきた事をけっして忘れはしないし、こうして生きてこられたという意味について考えないではおれない。
振り返れば振り返るほど、それらの恵にたいしての感謝は大きくなる。
そして私のできる事はと考えると、もらった多くの人たちへ直接的なサポーターはできなくても、誰かのサポートをできるようになり、痛みを抱えた仲間との出会いを大切にしあう関係をつくる事だと思うようになった。
時代や社会と言うと、何か大きな問題のように感じるけれど、1人の人間から、一粒の点から、それらは繋がって出来ていくのではないかと思う。私もまた一粒の小石として小生意気でも水面に何かを投げかけたい。ピア・カウンセリングという手法を学んで、自立生活センターと呼ぶ輪を作りたいと、若葉の香りに刺激され、より強く私のこころが、いま騒ぎだしている。
こんにちは。理学療法士学生の八十原麻貴と申します。
いつもお世話になってます。頸髄損傷者連絡会にお世話になるようになったのは、約2年前からになります。当時は理学療法士の養成校の1年生で、何かボランティアをしたいと思い、ホームページで検索をしていた時にたまたまこの会をみつけました。定期的に勉強会やレクリエーション、役員会を行い、積極的な活動を行っている印象を受けて、お手伝いしてみたいなと思いました。
また、病院から退院された患者さんはどう生活していて、家庭に戻った時、どんな事に不便を感じ、何に悩んだり、困ったりするかを知りたいと思い、連絡会の皆さんからいろいろ学ばせていただければと思いもあって、参加させていただくことととなりました。
実際に行事に参加させていただいて、自分の経験不足から、何が必要で何が必要のないことかわからず、気をもむこともありました。
ボランティアは何かお手伝いをしたくて来ていますが、なにが過剰な援助で、なにが必要なことかわからずに変な遠慮をしていたりします。遠慮なく使って欲しいと思います。
また、頸髄空洞症や支援費制度について勉強会に参加させていただいて、合併症や制度に対しても、それぞれの受け取り方の違いや対応の違いに驚きました。いろんな独自の方法をご存知なのだなと感じてます。
1年生のころからお世話になっていますが、私も養成校の3年生となり今、病院実習中です。病院実習が終わったらまたお手伝いに参加できればと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。