無年金障害者問題については、現在、裁判による解決と議員立法による解決の両面で運動をしています。
裁判のほうは全国9地方裁判所(札幌・盛岡・新潟・東京・京都・大阪・岡山・広島・福岡)で行なわれており、昨年(平成16年)3月24日の東京地裁に続いて、10月28日に新潟地裁でも勝訴判決が出ました。本年は残りの地裁でも下記の日程で判決が出される予定です。「勝訴」判決を連ねていって、国の責任を明らかにし、裁判を終わらせ、全ての無年金障害者が救済されるまで全力を尽くしたいと思っています。
2月 8日 岡山地裁 結審 (5〜8月頃に判決予定)
3月 3日 広島地裁 判決
3月14日 札幌地裁 結審 (5〜8月頃に判決予定)
3月17日 京都地裁 判決
3月18日 大阪地裁 結審 (5〜8月頃に判決予定)
3月25日 福岡地裁 判決
3月25日 東京高裁 判決 (昨年3月24日の東京身障訴訟の控訴審)
昨年12月3日の国会で、無年金障害者救済の「特別障害者給付金」が成立しましたが、救済対象が学生と専業主婦のみであり、在日外国人及び滞納者等の全ての無年金障害者にも対象を拡げ、支給金額も障害基礎年金並みに引き上げられるよう、今後とも粘り強く、国会、厚生労働省に働きかけていかなければなりません。
特別障害給付金の支給手続き 窓口説明・広報用文面
特別障害給付金 ‐ 平成17年4月から始まります。
※注意
4月中に必ず請求書を提出して下さい。たとえ準備が間に合わず書類不備だとしても、必ず4月中に請求書を提出して下さい。
請求した月から支給額が計算されるからです。請求さえしていれば、その後のやりとりで書類を補完することができ、数ヵ月後に支給決定すれば、5月分(請求書の受付月の翌月)まで遡って支給されます。
周囲にいらっしゃる無年金障害者の方に4月中の請求書提出を促して下さい。
特に、無年金障害者関連の団体に所属しておらず、この給付金の存在をご存じない障害者の方がもし周りにいらっしゃったらその方に必ず4月中の請求書の提出を促して下さい。
障害を有する人が所得保障を受ける権利は憲法上も保障されていることを前提として、この所得保障を受ける権利の重要性を個人的な体験も踏まえながら力説されました。
◇木下秀雄先生(大阪市立大学・社会保障法)の尋問障害を有する人にとって所得保障の重要性について証言していただいた上で、所得保障制度のあり方として生活保護と障害年金の違いについて詳しく証言していただきました。
◇岡田正則先生(南山大学・行政法)の尋問学生適用除外規定が違憲と判断された場合に、裁判所としては、原処分(不支給決定処分)を取り消すべきであることを行政法の観点からわかりやすく証言していただきました。岡田先生の証言によれば、適用除外規定を違憲と判断した東京地裁判決や新潟地裁判決が取消しを認めなかったことは間違っているということでした。
◇池末美穂子先生(日本福祉大学・精神障害)の尋問精神障害ソーシャルワーカーとしての豊富な経験を踏まえ、特に精神障害の場合には発病と「初診日」とが大きく食い違うという問題や、そもそも年金制度などの諸制度についてのアクセスが保障されていないという問題について証言していただきました。
「年金がない・知ってほしい無年金障害者のこと」
編集:学生無年金障害者訴訟全国連絡会
重度の障害を負いながら障害基礎年金を受給することができない障害者の人達がいます。どうしてこういうことが起きたのか!?
当事者の体験談とともに年金について、無年金について判りやすく解説してあります。
3月18日の結審に向けて、大阪地方裁判所宛の「学生無年金障害者訴訟の公正な判決を求める要請署名」を行っています。ご協力をお願いいたします。
ボランティアおよび皆様のお知り会いの方で、20才以上の学生等の方は、国民年金を納付されている、または猶予・免除手続きを取られているかどうかを確かめて下さい。
(老齢年金の不支給、無年金者になる可能性がありますので、ご注意を!)
谷川 信之 TEL/FAX:06-6462-3874 danbo525@ybb.ne.jp
学生無年金障害者の年金支給を実現する関西の会
現在、大阪裁判所では学生無年金障害者11名が、障害基礎年金の支給を求めて裁判を行なっています。2001年7月、全国9ヶ所の裁判所で一斉提訴した裁判は、東京、新潟で国家賠償を認める判決があり、大阪では3月18日に結審を迎える予定です。
この裁判は、学生無年金障害者だけでなく、様々な理由で無年金障害者となった全ての方たちの「安心して暮らせる社会保障の確立」という重大な意味をもっています。
1991年に国民年金法改正が実施され成人した学生は強制加入となり、納付特例制度もできました。それまで成人した学生は任意加入とされ、それを知らずに未加入でいたときに重度の障害を負い、障害基礎年金を受給できなくなったのです。20歳までに障害を負った場合は、年金加入期間がなくても無条件で障害基礎年金が支給されます。しかし、20歳を1日でも超えると、生涯にわたって不支給になってしまうのです。当時、この事実を知っていた人はどのくらいいるのでしょうか?当時の加入率は1%強でした。
国民年金法が制定された1959年(昭和34年)当初から、制度の不備による学生無年金障害者の発生は予測されていました。そして、実際に発生しているにもかかわらず、1991年までこの問題を放置し続け、病気や怪我による多くの学生無年金障害者を生む結果となったのです。この30年余りという期間はあまりに長く、4千人にもなりました。もっと早期に対処していれば、これほど多くの無年金障害者を生むことはなかったのではないでしょうか。それを「保険制度のもとでは、未加入者が支給されないのは当然」と言われても納得がいきません。
昨年春には、小泉総理をはじめ、多くの国会議員の年金未加入問題が明るみに出ましたが、ある議員が言った「複雑怪奇な国民年金制度」で済まして欲しくはありません。年金制度がいかに複雑で不備なものであったかを身をもって知った今、すぐに改善し救済措置をとるべきではないでしょうか。
昨年12月の国会では、学生や主婦の無年金者に限って給付する「特別障害給付金法」が成立しました。これは何十年にもわたる運動と裁判の成果ではありますが、支給金額は月額4〜5万円と障害基礎年金に比べて低く、受給対象者も限られています。
私たちは、あくまでも年金制度枠内での解決と、障害基礎年金と同額の支給を求め、学生無年金障害者訴訟で勝訴をかちとり、無年金障害者全体の救済の突破口にしていく所存です。
是非、年金不支給の取消と国家賠償を認める公正な判決を求める署名に、ご協力とカンパをよろしくお願い致します。
学生無年金障害者への年金支給を実現する関西の会 (代表:鴨井慶雄)
〒558−0011 大阪市住吉区苅田5−1−22 大阪障害者センター内
TEL:06−6697−9005 FAX:06−6697−9059
御庁が審理を担当されている学生無年金障害者訴訟について、私たちは、ぜひ不支給決定の取消しと賠償を認める判決をいただきたく要請するものです。
学生の強制適用除外の点は、国民年金制度の発足当初から問題になっていたにもかかわらず、平成3年まで何らの措置もとられずに放置されてきました。原告らは、その間に重度の障害を受け、卒業後の就職の夢を断ち切られたばかりか、卒業後も、また今後も、不安な生活を余儀なくされています。
平成3年に制度が改正されたのは、原告たち、無年金障害者をこれ以上生みださないようにとの目的であったのに、その直接のきっかけとなった当の障害者たちは放置されてきました。これは不公正きわまると思います。
東京と新潟の裁判所の理解ある判決の結果、国会では、年金額の約6割の給付金を支給する法律ができました。しかし、根本問題は解決されていません。
御庁におかれては、このような不公正を許さず、学生無年金障害者にも平等に障害基礎年金が支給され、所得保障がなされるよう、公正な判決をされることを強く要請します。
厚生労働省ホームページ掲載内容↓