頸損だより2006夏(No.98) 2006年6月24日発送

「脳年齢?」

西村忠雄

僕は頚損になってから早15年目に突入しました。やめたくてもやめれませんが。(^▽^;)

ずっと車椅子に乗って日常は過ごしています。だいたいの頚損はそういう人が多いと思います。頚椎でも、よっぽど下のほうの神経を損傷しない限り指も動かないことが多いと思います。

前にテレビで見たことがあるんですが、「脳の老化を防ぐためには指を動かすのが良い」と言っていました。だから高齢になってからピアノを始める人もいてるようです。またニュースで、スポーツ選手が飛行機に乗り海外へ行く途中、エコノミー症候群になったと言っていました。エコノミークラス症候群とは、飛行機などの乗り物で長時間座っていた人の足の血管内に血の塊(血栓)ができる病気で、正式名は「深部静脈血栓症」といいます。この病気の恐ろしい点は、歩いている間にその血栓の一部が血流にのって肺に達し、肺の血管を閉塞してしまう場合があることです。ちょっと待てよ!? 僕は指も動かしていないし、車椅子に乗っているときはずーと座りっぱなしだ!まさにエコノミー症候群になる条件そのものこれは健康を考えたときに果たして長生きできるのか?それ以前に、健康を維持していけるんだろうか・・・お腹は空くので、食べるけど食べた分のカロリー消費などは、どれくらいなんだろう?

そんなことを考えると頚損をやめたくなりますよー。ふっ でも逆に、今この時点で動かせる部分はどこなんだろうと考えたとき首から上は、バッチリ働いてるんですねー。(ホントにバッチリ働いてるといえるかは謎でして・・・)とにかく怪我する前から変わっていない部分は脳ですね。ということで今回は頭を使ったことを書きます。

みなさんは宣伝で「脳を鍛える大人のDSトレーニング」というのを見たことありませんか?任天堂というゲームメーカーから出ている「NINTENDO DS」というゲームのソフトにそのDSトレーニングがあります。 最近は毎日、そのゲームをしています。具体的にどういうことするのかというと簡単な計算をどれだけ早く答えれるのか、とか決められた時間で何個の単語を暗記して答えれるかなど、やることはいたって簡単なんですがやってみるとこれまた、簡単にいかないんですねー。早く答えると同時に集中力も必要とされるんです。引き算などで一度つまってしまうと次の答えもどもってしまう!やり終わったあとは軽い疲労感に襲われるほどです。しかしこれが心地よい疲労感なんです。いくつかそういうゲームをクリアすると最後に脳年齢が出てくるわけなんです。最高を20歳としているんですが一番最初にやったときの僕の脳年齢は67歳でした・・・(;´д`)トホホしかし何日か繰り返していくうちに今では20歳代まで突入しました。とにかく毎日、同じ答えではないし、その日のコンディションによって前日より脳年齢が年取ってしまうこともありますが、こうやって毎日少しずつやっていくことで脳を使うことができるみたいなんです。

基本的に人間は一日5人の人と会話することが良いと聞いた事があります。普段からあまり人と会話がなくテレビばかり見ている人は脳もあまり使われていないみたいで。よく会話の中で「あれが何して」などと、名詞や主語などがなかなか出てこない場合がありますが、それも脳をあまり使っていないからだそうです。 逆に話し上手や説明がうまい人などは話をしている間に脳を使っているそうです。脳も体を鍛えるのと同じで、ほっておくと、どんどん衰えていくんです。

僕なんかは、生まれてきてからあまり脳を使わずに生きてきたほうなのですでに退化しているかもしれませんが、諦めずに脳に良いことをしていき体が動かない分、ゲームに限らず知識や回転を早くする努力はしていきたいなと思います。


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