学生無年金障害者訴訟は提訴5年になり、高裁、最高裁へと闘いの場が移り、全国各訴訟原告、弁護団、支援団体の結束を旨とする「学生無年金障害者訴訟の勝利をめざすみんなのつどい」が、7月23日に東京都新宿区の牛込箪笥区民ホールにて、ほぼ満席の状況で催された。
弁護団による「裁判経過」並びに「最高裁で闘う意義」などが報告され、この裁判は、生存保障・所得保障・基本的人権保障に深く関わる重要なものであると強調されました。また、29名の原告各々が、障害・無年金・裁判に懸ける思いを切々と訴え、会場からの喝采を得ました。
障害者が人間らしく生きていくためには、障害基礎年金は不可欠です。
制度の改善をしないことには無年金障害者が発生することは、制度発足の当初から予見されていました。昨年、不十分ながらも救済立法(特別障害給付金支給法)が制定されてはいますが、根本的な国民年金法の不備について、国は、30年以上にわたって放置し続けているのです。大阪地裁判決は、原告らの証言によって無年金障害者の困難を十分に知りながら、その救済を拒否し、国の無為無策を追認したものであり、断じて許すことはできません。
大阪控訴審では、無年金障害者の窮状や制度の不備を、学生の強制適用除外について、裁判の中で再度問うて、勝訴判決を得ることを強く願う!!
私たち原告10名は大阪、兵庫、奈良の三府県に住む身体障害者8人と精神障害者2人で、いずれも学生だった20〜25歳の間に事故や病気などで重度障害を負ったが、平成元年の国民年金法改正(3年施行)までは学生は強制加入の対象外で、加入していなかったため不支給となった。
無年金障害者の実態と現状を、強い意思と行動で控訴審を戦って行きますので、皆さまのご支援・ご協力・ご激励をお願い申し上げます。
※ | 私たちは、すべての無年金障害者の解決と、無年金障害者を生み出さない年金制度改正を求めて活動しており、ご支援ご協力をお願い申し上げます。
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国民年金法は、国民皆年金を標榜して制度化されたにも関わらず、約30年の長きにわたって学生の制度加入を除外した結果、20歳以後に障害を受けた学生は無年金のままで放置されてきました。全国各地で起こした訴訟で、東京地裁や新潟地裁、広島地裁の判決では年金不支給は憲法違反であるとして国の責任を認め、障害基礎年金の支給を認める途を開きました。しかし、大阪地裁判決はそれとは全く逆に、国会の立法裁量の範囲内であり、憲法違反とは評価できないとし、原告らの請求を全面的に斥けました。
多くの無年金障害者は、重度の障害があるため雇用の機会が得られず家族の援助に頼ってきましたが、家族の高齢化によってそれも難しくなり、不安定な生活がますます強まっています。この4月から実施された「障害者自立支援法」により、生活に欠かせない福祉サービスがこれまでの応能負担から応益負担となり、ヘルパーの利用も出来にくくなるなど、生活の困難さがいっそう増えました。昨年4月から実施された「特別障害給付金」は、障害基礎年金の6割程度しかなく、所得保障としては極めて不十分なものです。
貴裁判所では、このような厳しい無年金障害者の生活実態を直視し、生きる希望の持てる所得保障がなされて人間らしい生活が確保できるよう、公正な判決を切に要請します。