2001年7月、全国9地裁で30名が原告となって一斉に学生無年金障害者訴訟を起こしてから、間もなく丸6年になろうとしています。その中で、大阪訴訟原告は10名と3分の1を占め、重要な位置を占めています。人数が多いせいもあって、他の地裁での判決、高裁での控訴審を経て、ほとんどのところが最高裁での裁判を待つ段階に達しましたが、大阪訴訟控訴審は大阪高裁で依然として続いています。
この間の訴訟の推移は複雑な様相を呈しています。2004年3月東京地裁勝訴判決に始まり、新潟、広島と勝訴が続いたものの、それ以後は精神障害者の初診日問題という限られた争点での勝訴を除くと、地裁でもまた高裁でも敗訴が相次ぎました。
しかし、この間、無年金障害者の救済策として成立、2005年4月に施行された「特定障害者給付法」は、任意加入時代の学生だけでなくサラリーマンの妻を含む2400人が対象とされました。ただ、その特別障害者給付金の決定状況(2006年11月末現在)は、6,882人で、28,7%という低さです。
また2006年4月から実施された「障害者自立支援法」は、障害者福祉サービスを利益と捉え、これまでの応能負担の原則を投げ捨てて応益負担の制度に切替えた結果、大きな矛盾を引き起こしました。
障害者の就労を促すことで自立を図り福祉予算の軽減を進めるという政策意図が強く打ち出され、施設の利用料や食費まで障害基礎年金から支出させることや、重い障害の人ほど負担が増えることなどが起りました。自立支援どころか、自立を阻害するものと言わねばなりませんが、無年金障害者には、前提条件になっている障害年金そのものがないのです。
こうした高負担に対する障害者・家族の不満や反発は大きく、反対運動が盛り上がり、2006年10月31日(法制定1周年の日)に東京でもたれた「出直せ、支援法!」の集会には1万5千人もの参加がありました。
政府も2006年度の補正予算と2007,8両年度予算で総額1200億円の「特別対策」を打ち出さざるをえなくなりました。また、多くの自治体も負担軽減措置をとりました。法を実施して1年も経たないうちに手直しを迫られるという前代未問の事態を作り出したものの、応益負担という根本問題の解消には至っていません。
障害者が人間らしく生きていくために、「年金」も「介護」も必要な時に必要なものを受けられるということが不可欠です。
全日本年金者組合などは早くから最低保障年金制度の法制化を要求してきましたが、昨年11月には、全国市長会が「最低保障年金を含めた年金制度の検討」を決議し、国に要請しました。市民の切実な声が新たな流れになっています。
最低保障年金制度の確立など最後の命綱である公的年金制度の改善・充実、権利としての社会保障制度の確立が切実な課題です。
私たちは、すべての無年金障害者の解決と、無年金障害者を生み出さない年金制度改正を求めて活動しており、ご支援ご協力をお願い申し上げます。
郵便口座 | 00950−4−131048 | |
賛助会員 | (年会費1口)個人2千円、団体5千円 |
最高裁で係属中の訴訟を「小法廷⇒大法廷」、「裁判を開く」の二点が行われなければ、非公開で審議され、公正でない判断がなされるかもしれません。現在控訴審中の原告をも無視される判決です。
誰もが納得できる判決を得るには、上記の二点が行われなければならないのです。皆様の熱意あふれる御協力を宜しくお願い申し上げます。