6月に開催した市民公開講座からはや半年が過ぎようとしている。あれ以来多くの仲間が活発に活動している。やり残した人生を取り戻すかのような勢いだ。それが最重度の人工呼吸器使用者と言えば驚かれるだろうか?
しかし不思議なことに、驚くよりずっと以前から活動しているようにも思うぐらいに感じるのだ。違和感が全く無いという表現は失礼な言い方だろうが、以前からそこにいてみんなでワイワイとしゃべっていたことのように場に乱れを感じない。
人工呼吸器使用者の外出の困難さは準備の段階から始まる。出ていくことの大変さを訴えていた時代があった。準備に3日、片付けに3日それが外出の基準だった。今は機器のコンパクト化に伴い、バッテリーの小型化と容量アップの性能向上が移動や準備の苦痛から解放した。それに至るまでには多くの困難との闘いがあっただろう。また、先人の知恵と工夫の塊が今便利な機器として存在しているのだろう。多くの仲間や関係者が医療、施設、在宅の場で不安と戦っている。
今、兵庫頸損連絡会が主となってDVDを制作中である。内容は、人工呼吸器を使用して活動されている人の日常生活から行事への参加風景などが収録されている。閉じこもりの仲間や行政などへの情報提供、またセルフヘルプ活動を目的に利用できるすぐれものだ。完成後は全国の仲間に情報を提供するため全国頸損連絡会各支部の協力を得ることになっている。また、制作費については多額の費用を要するが幸い塩井基金から助成金がいただけたことで企画も充実させることができた。完成が待ち遠しい。
めざすものは同じ。 楽しい時間、楽しい日々、そして楽しい一生だ。