頸損だより2007冬(No.104) 2007年12月22日発送
2007年11月8日
大阪高裁宛の要請書の送付についてのお願い
学生無年金障害者への年金支給を実現する関西の会
代表 鴨井慶雄
学生無年金障害者訴訟もいよいよ終盤を迎えました。最高裁ですでに2つの裁判が終結するなか、大阪高裁では、結審を延ばして最後の追い込みに入っています。10月18日にやる予定であった結審を2008年1月16日(水)に延期させたということは、最高裁での判決文に対する意見書の提出を裁判官が認めたもので、より総合的に判断を下す余地が残されていると見ることができます。
私たちとしては、高裁段階での最後を締めくくるに足る、いい判決を勝ち取るべく、できる限りのことをやっていきたいと思います。
そこで、要請署名の団体用と個人用、及び要請ハガキの、3種類を用意しました。適宜活用していただければ幸いです。ダウンロードや印刷など、お手数をかけますが、メールで添付して送付しますので、よろしくお願いします。
裁判所への送付方法は、郵便(最近はメール便が格安)でも、FAXでも結構です。全国からの熱い思いを直接裁判所に集中させていくことで、私たちの意気込みを表したいと思います。
<送付先>
〈FAXの場合〉
大阪高裁第12民事部のFAX番号は、06−6365−9356 です。
〈郵送の場合〉
〒530−0047 大阪市西天満2−1−10
大阪高等裁判所 第12民事部ニハ係
渡邉 等 裁判長殿
平成18年(行コ)第8号 障害基礎年金不支給決定取消等請求控訴事件
大阪高等裁判所第12民事部ニハ係
裁判官 渡邉 等殿 裁判官 八木良一殿 裁判官 本多久美子殿
学生無年金障害者の年金支給を求める事件
公正な判決を求める要請書
貴裁判所で審理中の障害基礎年金不支給決定取消等請求控訴事件は、学生時代に重度障害を負った者が「任意加入」であったために国民年金に加入できず、障害年金給付を受けられぬまま、長年にわたり放置されてきたことの救済を求めるものです。
2001年7月、全国9地裁30名(のち1名は取下げ)の原告が訴訟を起こして6年半、その間に3地裁判決で原告勝訴、また初診日問題での勝訴を含め、29名中13名について何らかの救済が認められました。しかし、その後の控訴審ではほとんど逆転敗訴し、最高裁でも2つの事案で敗訴しました。
各敗訴判決は、社会保険庁長官が不支給決定をした行政処分は、憲法14条や25条に違反しないとし、国(政府・国会)が障害学生を長年にわたって無年金状態に放置してきたことの誤り(立法不作為の違憲性等)も裁量を逸脱していないとしています。
国民年金法の目的は、国民生活の安定がそこなわれることを防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することです。したがって、国民の老齢、死亡のみならず障害に関しても必要な給付を行うものとするとしています。
国はその誤りを認めて、1989年の法改正で20歳以上の学生も強制加入にし、免除制度も取り入れましたが、それまでの誤りによって生じた者たちへの救済措置を怠ってきました。それは、身体障害者福祉法や生活保護法で代われるものではなく、また、「特別障害給付金」で問題が解消されるものでもありません。
障害者自立支援法が実施されて、応益負担となり、重度の障害者ほど負担が大きく、生活の困難さは増しています。
本件審理も最終段階を迎えた今、ぜひ原告の請求の趣旨をご理解いただき、国民の立場に立った法の守り手の名に相応しい、公正な判決を下されるよう要請いたします。
2007年 月 日
住所
氏名