頸損だより2008春(No.105) 2008年3月22日発送

ポイント@

大会1日目 シンポジウムの紹介

高位頸髄損傷による
人工呼吸器使用者の可能性

―呼吸器ケア先進国カナダの当事者とともに考える―



≪第1部≫カナダの人工呼吸器使用者からのメッセージ

●講演:ダン・ルブランさん

カナダBC州バンクーバー在住。3年前、バイクの事故で頸髄損傷(C2)

となり、呼吸器を使用。呼気スイッチを使ってヨットを楽しむ。

≪第2部≫パネルディスカッション「呼吸器をつけて地域で生きよう」

●池田英樹さん(兵庫頸損連絡会員頸損C4,5 呼吸器使用)

●米田進一さん(兵庫頸損連絡会員頸損C1 呼吸器使用)

●吉田憲司さん(大阪頸損連絡会事務局員頸損C1 呼吸器使用)

●ダン・ルブランさん

<司会>A.T.さん(※本人希望によりイニシャル表記)(大阪頸損連絡会事務局員頸損C1 夜間のみ呼吸器使用)

私たちの頸損連絡会に人工呼吸器を使う仲間が増えてきました。私たちのなかでは人工呼吸器を使う仲間が、身体的には最も重度な障害と言えるでしょう。

誰もが、事故などでいつ人工呼吸器を使う生活になるかもしれません。その呼吸器を使う最も重度な人が本当の意味で"生きる"ことができる社会、つまり、安心して地域であたりまえに暮らし、普通に社会参加できるようになっているのか? 医療の進歩によって"生きる"ことはできるようになっても、法律や制度、介助サービスなどの社会環境整備は追いついておらず、本当に"生きられる"社会にはまだ遠いです。一昨年はカナダのバンクーバーで自立生活している人工呼吸器使用者を目の当たりにし、昨年は兵庫で「人工呼吸器使用者の自立生活実現に向けて」市民公開講座を開きました。このテーマに関するシンポジウムは、社会の多くの人に知ってもらうこと、そして、私たち自身が行動を起こし取り組みを広げていくためにも、いろんな地域で、繰り返しやっていく必要があると私たちは考えています。今回の大会では、バンクーバーで呼吸器を使いながら活発に社会参加している方を招き、国内の呼吸器使用者とディスカッションを通して、今後必要な社会環境整備が何かを、みんなでともに考えます。

今、私たちのまわりで最も困難を抱えている人、私たちの仲間のなかで最も重度な障害がある人を、私たち自身が支えあい、持ってる力を出しあって助けあい、その仲間が元気にあたりまえに暮らしていける社会を作っていくことが、私たちにとっても、安心して暮らしていける社会を作り出すことになると、私たちは考えています。



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