頸損だより2008夏(No.106) 2008年7月26日発送

寄稿@

「カナダから日本のみなさんへ」

ダン・ルブラン

日本に着いたときは、この先何が起こるのかわかっていませんでした。しかし飛行機が到着ゲートに着いたとたん、圧倒されるほどたくさんの手がさしのべられました。そのまま空港から歓迎会までずっとエスコートしてもらいました。これが、多くの新しい友人との出会いの始まりでした。


妹と友人と私は、ほぼ24時間寝ていませんでしたが、これから夕食で、大阪頸損連絡会の皆さんにも会えるということで興奮していました。小さな隠れ家のような居酒屋はとても日本的だと感じられました。その夜は見たこともない変わった食べ物がたくさん出てきました。そして良きカンパニー(友人たち)も − カンパイ!


24時間以上坐り続けだったあとホテルに着いてみると、フライトの間にお尻が赤く床ずれになっているのを発見しました。十分休んで、次の日は寝ていることにしました。大会を控えていたので、お医者さんと看護婦さんが来てくれて軟膏をくれました。寝るときにはエアマットも使わせてもらいました。これほどケアをしていただき驚くとともに、たいへん感謝しています。もう皮膚の状態は良くなりました。


大阪大会には多くの人がつめかけていて緊張もしましたが嬉しく思いました。こんな大勢の前で話をしたのは初めてでした。私の話や、他のかたがたの話が、皆さんの励みになればいいと思います。高位頸髄損傷者は、ひとりではないこと、いろいろ素晴らしいことができるのだということを、ぜひ知ってください。大会は私にとって大変よい経験になりました。ご招待いただきとても光栄に思いました。


私が見たかぎりでは、日本は車椅子で暮らしやすいようですね。地下鉄、バス、タクシーを使って車椅子でどこへでも行けましたし、歩道もスムーズに通行できました。日本語もわからない私を、だれもが親切に助けてくれました。障害者の住環境については資金的な問題があるとのことですが、カナダがこれに較べて格段に進んでいるわけではありません。アクセスのしやすさでいえば、カナダ(バンクーバー)も同じ程度ではないかと思います。


カナダにくらべ、日本は大変古い文化を持っています。なにかと違いを感じました。着いたばかりのときは少しカルチャーショックもありましたが、何もかも問題なく過ごせました。通訳がついてくれたので大変助かりました。お寺、お城、市場、庭園などなど、いろいろ見ることができました。すっかりお膳立てをしていただき、いろいろと回りました。


日本に行くことができて本当に感謝しています。最初にお話しがあったときは、ためらわず行くとお答えしました。以前は日本に行くことなど考えたこともなったのですが、これはすごい体験ができると思ったのです。人生は一度しかないわけですし。またいつか日本に行きたいと思います。


最後に、あらためて、皆さんどうもありがとうございました。本当に素晴らしい経験をさせてもらい、また、たいへん親切にしていただきました。どなたかバンクーバーに来られることがあれば、この半分でも恩返しができればと思います。ご質問などあれば、どうぞ遠慮なくご連絡ください。


大きな感謝をこめて  ダン・ルブラン



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