7/5(土)・6(日)の2日間にわたって舞洲障害者スポーツセンター「アミティ舞洲」で開催された当選抜大会。この大会は厚生労働大臣杯争奪日本車椅子ツインバスケットボール選手権大会の次に位置づけられた大会であり、出場チームは、連盟登録チームで、今年の日本選手権大会に出場したチームを除き、全国6ブロックから各1チーム、大会開催の主管ブロックと次期主管ブロックから各1チームの合計8チームが参加します。毎年、日本選手権大会の予選会であと一歩というところで勝ちあがれずに涙をのんでいるチームがこの大会で優勝すると、来年度の日本選手権大会出場資格が与えられます。今回の当選抜大会は大阪で開催され、頸損連絡会の会員でバスケットチームに所属する人たちも多いため、大阪頸損連絡会も後援団体として応援しました。大会の戦績や、ツインバスケットボールについて等お知らせします。
車椅子ツインバスケットボールは、下肢のみではなく、上肢にも障害を持つ重度障害者でも参加できるように考案されたスポーツです。これまで車椅子 バスケットボールをやりたいと思っていても、ボールが正規のゴール(高さ3.05メートル)にシュートしても届かないとか、その速い動きについて行けない と言った理由で参加できなかった人がたくさんいます。そういう人たちにとってこの車椅子ツインバスケットボールは、正に画期的なスポーツの誕生となりまし た。
その最大の特徴は、名称の通り“ツイン”つまり2組のゴールが設けられているというところにあります。従来の車椅子バスケットボールに使用され ている正規のゴールの他に、もう1つの低いゴール(高さ1.20メートル)をセットし、正規のゴールまで届かない選手のためのゴールとしました。さらにそ の周辺には3.6メートルの円(フリースロー・サークル)があり、シュートする選手を円外と円内に区別しました。そしてこれらのことによって、それぞれの 選手が自分の障害に応じてシュート方法が異なり、独自の役割をゲームにおいて果たすことができるようになったのです。
この競技においても最も勝敗を左右するのは、選手間のパスワークです。お互いの障害の状態をしっかり把握し、それに応じた正確なパスが必要です。そのためには、日頃の練習の時からお互いに声を掛け合いプレイで意思を通じ合わせるよう心掛けることが重要なポイントとなります。ゲームを観戦される場合に、各チームの選手たちが如何に声を掛け合い、励まし合いながらプレイしているかを見ていただければと思います。
車いすツインバスケットと出会って6年になる。
チョットだけ自己紹介(?)14歳の時にケイソンになりレベルはC5。外での移動は主に電動。
バスケットは小中学校時代の体育でしかしたことがなかった。特に楽しいと思ったこともなかった。
入院中に病院横の体育館に下ゴールが出されていた。オヤジと近づいてシュートを打ってみるがリングにとどきもしない。そもそもボールが宙に浮いたかもあやしい。
大学の時に「きみケイソンやろ。ツインバスケって知ってる?長居で練習してるからよかったらおいで」と声をかけられた。でも『速いスピードでこがれへんし、ゴールにもボールとどかんかったから、自分には無理』そう思いながら「また、機会があれば行ってみます」と答えておいた。それで機会をつくったわけでもなく、またいつもの生活を送っていた。
健常の友達と長居に遊びに行ったときにツインバスケットに入門した。多少、強引ではあったが、バスケ車に乗っけてもらい、「来週から練習きてね」といわれた。
バスケ車に乗った感覚は楽しかった。日乗車よりも速く感じたし、ターンが『クルッ』ってかんじで楽しかった。シュートも打たしてもらったが、ギリギリ入る。「もしかしたら出来る?」フリースローはまだ入らないが飛距離は伸びてきた感じ。
そんなこんなで6年つづいている。
試合もある。遠征もある。公式試合を平均すると月1回くらいになる。最近は、京都や名古屋に行った。
大阪で大きい大会は舞洲であった。「日本選抜大会」で、優勝した1チームだけが次回の日本選手権に出場できる。選抜大会に出場していたチームは、去年の選手権の地方予選でおしくも選手権に出れなかった全国のチームだ。(おしくないチームは出れない。ちなみに自分が所属するチームは今回はおしくなかった)
最近、バスケやってて、すごく幸せに感じる。仲間ができ、いろいろな場所に行き、思ってたより動く体。向上心がないわけではないが現状に不満をいだくほどいやじゃない。
そんなこんなで、まとまりのない文章を思いつくまま書いてみました。
興味があれば毎週木曜日の18:30から20:30まで長居のスポーツセンターで練習してるので、のぞきにきてください。
私は車椅子ツインバスケットボールのチーム「大阪グッパーズ」にマネージャーとして関わり始めて8年になります。そしてチームに参加した年は、私が理学療法士(PT)として働き始めた年でもあり、とても印象深い年となりました。
最初は驚きの連続でした。頸損を知識でしか知らなかった私は、実際の重度な障害を持つ頸損者がこんなにもアクティブにスポーツを楽しみ、自分で車を運転して遠くの試合会場まで出掛けていくなんて想像もしていませんでした。学校で勉強した頸損のイメージとは程遠いものでした。
関わりが長くなるにつれて、それはごく普通なことだと気付きました。どんな障害を持っていても自分の趣味があり、仕事があり、好き嫌いがある。健常者と変わらない。でもそれを理解している人(健常者も、もちろん障害者本人も)って意外に少ないということにも気付かされました。同じPTの人にも『頸損者ってバスケットできるの?』って聞かれたり、車椅子に乗っていることでバリアフリーの場所しか出掛けられないという先入観で外出機会を逃している人(本人も、ご家族さんも)が多かったり。残念なことです。
でもそれを知ることが出来たのも、マネージャーとしてチームと関わる中で多くの人と出会う機会を得られたためでもあります。頸損の人やそのご家族さんはもちろん、医療福祉系大学の学生さんやボランティアの人たちなどなどこのスポーツをしていなかったら出会えなかった人たちばかりです。スポーツを通してたくさんの人と出会う機会を得られたことを、このチームに感謝しています。
でも、私の知らないところではまだまだ病院や自宅に引きこもりっきりの頸損の人たちがいらっしゃるんですよね。そういった人たちに、新たな活動の場のひとつとしてこのスポーツを選んでもらえたらすごくうれしいです。最初は何でも、新しいことを始めることはすごく不安なんだと思います。その不安を少しでも解消して純粋にスポーツを楽しんでもらえる場所を提供することが私たちマネージャーの役割だと思っています。
ただ単にスポーツを楽しむだけでなく、よりたくさんの人たちにこのスポーツを知ってもらい、より多くの人たちと楽しめるように広めていくことが私たちの役目だと思っています。頸損の人たちはもちろん、健常者で障害者スポーツに興味のある方もぜひ一度見に来て、体験してみて欲しいですね。特にうちのチームは選手もベテランの人から初心者まで、マネージャーもPTが多いので安心して来ていただける環境が整っていると思っています。みんなでもっと車椅子ツインバスケットボールを盛り上げていくことが、大きな目標だと思っています。