頸損だより2009春(No.109) 2009年3月28日発送
特集
それぞれの体温調整の工夫
〜頸損者にとっての温熱環境と体温のコントロール〜
頸髄を損傷すると発汗機能が麻痺し汗をかかなくなります。そのため夏場は体温が上昇し、そのまま冷やさずに放っておくと最悪の場合熱中症など生命に危険な状態になる恐れがあります。また感覚麻痺のため外気の温度変化を感じにくく、冬場は気がついたら体が冷えているというようなことも起こりがちで、寒さにも弱い場合が多いです。
そのため多くの頸損者は独自の方法で体温のコントロールを行っていますが、他の頸損者がどんな工夫をしているかということは案外と知る機会がないものかと思います。そんな情報を今回一堂に集めてご紹介いたします。皆さんの参考になれば幸いです。
【桜井 龍一郎】
<内 容>
1.体温調整 季節ごとの工夫
2.体温調整で皆が使っているグッズおよび製品紹介
3.頸損者の温熱環境について −研究者からの報告− 三上功生さん
4.快適な冬と夏の過ごし方 −当事者からの寄稿− 坂上正司さん
1.体温調整 季節ごとの工夫
ここでは、何人かの頸損会員が春夏秋冬の季節ごとや、外出時そして家の中で体温調整するためにどんな点に注意しているか、どんな工夫をしているか紹介します。
(あくまで方法の良し悪しではなくその人のありのままの方法を紹介しています。)
春 秋
【Cさん】室温に応じた毛布類の使い分けをしています。除湿をかけてサラッとさせます。
【Dさん】春秋という季節の変わり目は、その日によってかなり気温差がありますので注意しています。シャワー浴や清拭の時は室温を26度ぐらいにしています。
【Hさん】春秋は寒さ対策として首に何かを巻くようにしています。
【Iさん】この季節が厄介で、毎年のように体調を崩し長く熱を出していましたが最近は、少しでも寒くなったら暖房、暑くなったら冷房、場合によっては暖房を切ってすぐに冷房ということもありますが、これが自分にとって体調を崩さない一番良い方法だと辿り着きました。
【Mさん】基本的には服の調整だけですが、寒ければカイロを貼ります。
【Nさん】春秋はなるべく寒くならないように温めの格好で出かけます。暑ければ脱げば良いので。
夏
【Aさん】外出時は氷を食べたり、首にぬれタオルを巻いたりします。あとストローハットをかぶっています。家の中ではエアコン、扇風機です。
【Bさん】日焼けや体が火照るのを防ぐため、またクーラーの冷やしすぎ防止のため、あえて長袖のTシャツを着ています。ツバのある帽子をかぶったり、日陰を通ったりして直射日光を避けています。顔や首や腕に霧吹きで水をかけたり、ジップロック(水が漏れないチャック式のビニール袋)に水を入れて凍らせたものを首にあてたり、さらに、溶けた冷たい水でタオルを濡らし首に巻いたりもしています。
【Cさん】家にいることが多いです。冷房やタオルケットの厚みで調節します。アイスノンを使うこともあります。
【Dさん】ベッド上では、タオルケットの掛け具合で調整します。夏場は体温が上がりだすと、どんどん上がっていきますので、体温を低めに維持するよう心掛けています。35度台後半、35.9度ぐらいです。
【Eさん】衣服は半袖ですね。水分を1日3〜4リットル補給して尿から熱を逃がすようにしています。私の場合、関節を動かす運動をおこなうと案外熱が下がったりします。かき氷を食べることもあります。
【Gさん】外出時は部屋のエアコンにタイマーをセットしておいて、帰って来たら部屋が冷えているようにしています。扇子、それから水冷襟巻や携帯用の扇風機を持っていったりもします。熱冷ましシートは私にはあまり効果がなかったです。
【Hさん】凍らせてタオルに巻いたペットボトルで体を冷やします。
【Iさん】クーラーの温度を低めに設定して、氷のうでおでこを冷やしています。
【Jさん】霧吹きが苦手なので、熱冷ましシートを多用しています。
【Kさん】空調ベッド「風眠」というものを使用しています。シーツの下に敷き込んで風を送るので背中に熱がこもりません。
【Lさん】外ではもっぱら冷水スプレー、家ではアイスノンとエアコンです。
【Mさん】暑くなりすぎると脇に氷枕を挟んでいます。
【Nさん】霧吹きで冷やしています。外ではなるべく熱がこもる前にこまめにコンビになどで体を冷やします。
【Oさん】熱冷ましシート、叩けば一瞬で氷の塊になるような冷やしグッズは必ず携帯して外出します。
冬
【Aさん】外ではマフラー、帽子、膝掛け、レッグウォーマー、家ではエアコン、ファンヒーターを使います。
【Bさん】服を4〜5枚程着込んで、外出時にはそれにダウンジャケット、マフラーを加えます。下半身はひざ掛けをひざに巻きます。ベッド上では電気毛布を使います。
【Cさん】電気毛布で調節しています。
【Dさん】体温を高めに維持しています。36度台前半です。体温が下がりだすと一気に35度台前半まで下がるので、その場合ストーブで部屋の温度を上げます。室温が20℃より下がらないようにしてます。
【Eさん】首筋から耳元に寒さを感じるため、ハイネックセーターやネックウォーマーを着用します。足にはレッグウォーマーを履きます。ストーブやフアンヒーター、それでも寒いときはハロゲンヒーターやカイロを使います。加湿も欠かしません。あと寒い日は温かい飲み物や食べ物を摂取します。
【Fさん】エアコン、床暖房で部屋を暖めます。ダウンベストを着たり、入浴やお酒で体を温めたりします。
【Gさん】暖房や重ね着のほか、とくに寒いときはハロゲンヒーターを使います。山岳用の防寒インナーやハイソックスは暖かいですよ。カプサイシン入りのサポーターも使っています。外出時はジャンパー、パーカー、ジャケット、セーター、マフラーを寒さに合わせて使い分けます。また、エアコンのタイマーをセットして部屋を暖めておきます。
【Hさん】こまめに足浴をします。
【Iさん】ファンヒーターと加湿器のほか扇風機もつけます。こうすることで夏も冬も同じ環境を保てます。
【Kさん】ベッド上では服を腹背逆にして着ています。部屋の温度調整は、エアコン、ガスファンヒーターなどで、操作は両親と介護人にやってもらっています。
【Mさん】タオルケットにカイロを貼ります。
【Nさん】パッチを使っています。体が冷える前に対応するようにしています。
【Oさん】いわゆる“ババシャツ”を着用しています。ニット帽は欠かせません。風の冷たい日は頬と口をマフラーでガードします。外出前には温かいものの摂取や暖房で体を温めておきます。
家の中で
【Dさん】体温計と寒暖計を見ながら冷暖房器具、布団、電気毛布で調節します。冷たいジュースやホットコーヒーなどで体の内部からも調整します。
【Eさん】温湿計をチェックして事前に対処するよう心掛けています。
【Kさん】室内の空気を換気する時は、直接、部屋の窓を開けないで隣の部屋の窓を開けます。室内の温度と湿度の急激な変化に気をつけています。
【Mさん】夏は暑すぎたらエアコン、氷枕を使用し、冬はストーブやカイロを使用します。
【Oさん】冬の場合、長時間部屋を暖めたい場合はオイルヒーター、即効性を求める場合はファンヒーターと使い分けています。どさらに大急ぎで暖めたい場合は電気ストーブを顔に近づけます。首にマフラー、タオルを巻くだけでも保温効果はかなり高まります。夏はアイスノンを最低3つは凍らせて用意しています。
外出時に
【Dさん】カイロと冷えピタは必需品です。体温計を一つ持ち歩いています。冬の外出時は、重ね着は窮屈なので寝袋を普通のものと極寒地タイプのものと2種類使い分けています。寝袋の中は薄手の長袖シャツ一枚だったりします。
【Eさん】夏は霧吹き、団扇、冬は防寒着、ネックウォーマー、ニットキャップ、カイロを使います。
【Fさん】夏は霧吹き、あと直射日光を避けます。冬は貼るカイロは欠かせません。セーター、ジャンバー、マフラー、帽子を使います。
【Hさん】なるべく水分を摂取するようにしています。衣服の着脱はひとりでは難しいので悩みますね。
【Iさん】すごく寒いときは防塵マスクをつけます。暑いときはビニール袋の中に氷を入れて首の後ろに巻きつけます。氷が溶けたらスーパーの食料品売り場に行って調達します。
【Jさん】夏は熱さまシート、冬はマフラー、カイロを持って出ます。夏冬共に水分補給を心掛けています。
【Kさん】極力温度変化の少ないところを移動するようにしています。
【Lさん】冬は通勤時に首に”ゆたぽん”の首肩用を使ってます。
【Mさん】なるべく屋外には長時間いないようにしています。
【Oさん】冬、外出前に鍋焼きうどんや味噌汁を食べ、暖房の温度を上げ毛布をいっぱいかぶったまま、車椅子に移乗するまでに”こもり熱”を蓄えておいてから出かけます。夏、暑いときはコンビニとかスーパーの冷凍食品売り場に避難します。コンビニなどで氷を買ってタオルに巻きます。
2.体温調整で皆が使っているグッズおよび製品紹介
☆身体を冷やす☆
■冷えピタ(ライオン株式会社)
水分たっぷりのジェルで、朝までひんやり8時間冷却。シートにたっぷりと含まれた水分の気化熱により、高い冷却効果が約8時間持続します。だから朝までひんやり。貼りかえる手間が省けます。粘着力が強く、しかも皮ふ刺激の少ないポリアクリル酸系粘着付与剤を配合。
■冷えピタ ボディ用(ライオン株式会社)
熱が高いときはわきの下、首すじ、を冷やすのが効果的。
朝までひんやり6時間冷却。
■アイスノン ソフト(株式会社白元)
新・柔軟2層構造!凍らないからやわらかい不凍ゲルと4包構造で曲がってフィットする凍結ゲルでソフトな感触で長時間使用できます。
くりかえし使用できます。
■首用アイスノン(株式会社白元)
首もとにピッタリフィットする特殊形状、冷凍してもカチカチにならないソフトな感触、冷たさは約60分間持続します。(外気温や使用環境により持続時間は異なります。)洗える専用カバー付きです。くりかえし使用できます。
■熱さまシート(小林製薬株式会社)
熱さまシートに含まれるたっぷりの水分が熱を吸って蒸発するので、8時間後でも変わらず皮ふの温度を-2℃冷やし続けます。つぶつぶの『冷感カプセル』を配合しています。冷たさがあとからじわじわ効いて、冷感を長く保ちます。
■桐灰レイカ・冷却用品(桐灰化学株式会社)
パチンとたたいて急速冷却、再利用可能(再使用方法をよくお読みください)。発熱・打身・ねんざ・やけどなどの応急処置に、魚つり、ドライブ、ハイキング等レジャーのお供に、熱いときのスポーツ観戦・スポーツ後の汗おさえなど冷却用としてはば広くご使用ください。
■ふりふり氷スプレー(桐灰化学株式会社)
タオル等にスプレーするだけで、約−30℃の氷状になる冷却スプレーです。ほてった肌にあてるだけでヒヤッとクールダウンします。
■スパイダーマン扇風機付き霧吹き(USJにて)
下の赤い部分に水を入れて、扇風機を回しながら顔に「シュ!」っと霧吹きで水をかけるとめちゃすずし〜。扇風機が回ってるときに手や指がプロペラ部分にあたっても、まったく痛くないようにできていて、簡単にとまるので小さな子供にも安心。
■携帯用ミストファン(フカダック株式会社)
羽根は柔らかい素材なので、お子様でも安心してご使用頂けます。携帯に便利な首かけひも付き。携帯できるスティックタイプで、旅行や外出時に最適、持ち運びもラクラク、霧吹き付き、気化熱でヒンヤリ感アップ。
■くまのプーさん扇風機付き霧吹き(ディズニーランドにて)
ゴム製のプロペラなんで、扇風機としての威力は小さいです。
■霧吹きと製氷皿
ごく普通の霧吹きです。氷は普通の製氷皿やと大き過ぎるので、1p角くらいの小さな氷が作れる製氷皿を使ってます。他にも、細い棒状の氷が作れる製氷皿も売ってます。
■水冷襟巻「サーモメイト」(ミズノ)
中層の吸水繊維が水を吸着膨張し保水します。その水が気化する際の吸熱作用で内部の熱を奪い、皮膚表面から温度上昇を抑えます。熱暑、高温環境で着用することにより、体力エネルギーの浪費を抑え、身体への負担を軽減し、熱射対策品として最適です。強い陽射しの下で、アウトドアスポーツで、首すじからクールダウン。長さ72cm。吸放湿&吸汗発散のダブル効果。ニューセラミックを練り込み赤外線、可視光線、紫外線の進入を防ぎます。
■空調ベッド「風眠」 (株式会社空調服)
夏寝苦しい最大の要因は、マット(布団)に寝ていると、体の体温や湿気でマットがぬくもってしまい、マットに接している体の部分からの放熱ができなくなるためです。
これを解決するための最大の決め手は、体がマットに接していない、すなわち宙に浮いている事です。体を宙に浮かし、更にマットと体の間に風が流れていれば、暑さによる寝苦しさは完璧に解消されます。
研究の結果、体重を支えしかもクッション性を損なわない"スーパースペーサー"技術と、体を浮かした空間に送風する風路技術によって、夢のベッド"空調ベッド"(正確には、ベッドの上にひいて用いるもので、空調マットと言うべきものですが、以降の説明でも空調ベッドと称します。)が製品化した。空調ベッド風眠は生理クーラー理論に基づいたものです。ただし空調ベッドには暖房機能はありません。
☆身体を温める☆
■ゆたぽん首肩用(株式会社白元)
電子レンジでチンするだけで、心地よい温かさになります。首や肩にやさしくフィットするジェルタイプです。温かさは約30分持続します。(外気温や使用方法により異なります。)洗える専用カバー付きです。くり返し使用できます。
■カプサイシン入りサポーター ウォームスリーブ(神戸生絲株式会社)
ホット機能サポーター、ひざ用。シルクコーティングで機能も肌ざわりもアップ、とうがらしの成分配合、とうがらしの温感成分カプサイシンが皮膚表面の水分に反応し、毛細血管を刺激して血行を促進するため温かさを感じます。
■桐灰カイロはる くつ下用うす型(桐灰化学株式会社)
足の上からはるから、あたたかさが伝わる。違和感がない。
【持続時間】 8時間
【最高温度】 44℃
【平均温度】 37℃
<消臭剤入り>
■ぬるホッカイロ 温感クリーム(株式会社白元)
おでかけ前や寝る前にぬるタイプの温感クリームです。保湿成分(ラベンダーエキス)配合でカサカサお肌を守ります。
■吸湿発熱素材、吸汗速乾素材インナー「ヒートテック」(ユニクロ)
着心地感のいいストレッチ素材、吸湿発熱素材「ヒートテックセンサー」採用、消臭及び防かび性能。
ヒートテックセンサー:吸湿発熱性を持つ素材で、おもにインナー用に使われます。身体から出る湿気(汗)をウールの3倍の発熱量で熱に変換することで、身体を暖かく包み込みます。また、表側に吸汗速乾素材「アクアテルス」を併せて使うことで、かいた汗をスムーズに拡散し、ウェア内部の蒸れを防ぎ、身体を冷やしにくくする効果もあります。
■寝袋(ロゴス)
寒さも安心、3枚組シュラフ。
夏は2枚でOK。
シュラフ、中敷、丸洗いOK。
■寝袋(株式会社イスカ)
夏山から冬の低山まで幅広く対応できるモデルです。春秋の3000mクラスには特におすすめします。
軽量化を優先する冬期のエキスパ−トにも愛用者も多いようです。
また、シリコナイズド・コ−デュラ素材を収納袋に採用しました。シリコン加工による独特の滑りやすさが、収納を格段にスム−スにしています。
羽毛量:450g
☆その他のグッズ☆
** 小物 **
●体温計●温湿度計●寒暖計●霧吹き
** 着衣 **
●ニットキャップ●目だし覆面●ネックウォーマー●防寒インナー●ハイネックセーター●ダウンベスト●レッグウォーマー●フリース地ひざ掛け
** 家電ほか **
●カイロ●電気毛布電磁波カット機能付●オイルヒーター●床暖房
3.頸損者の温熱環境について−研究者からの報告−
※大学で長年にわたり、頸損者の温熱環境の研究をされている東京頸損連絡会の会員でもある三上さんが、これまでの研究の結果を少しずつ会宛てのメールに送ってくださいます。ここでは、これまでに頂いた7通のメールによる研究報告を紹介します。
東京理科大学理工学部建築学科
助教 三上(みかみ) 功生(こうせい)
■第1回 中間期(春季、秋季)の望ましい室内温湿度
これまで、東京頸損連絡会会員の皆様のご協力の下、長年にわたり人工気候室実験を行って参りました。人工気候室とは、温度と湿度が自由に調整できる部屋のことです。頸損者の方々に、春と秋の季節に対応する衣服をきてもらい、人工気候室内で体温の変化を観察したところ、室温24±1℃、室湿度50%では体温がほとんど変化しませんでした。従って、春と秋の望ましい室内温湿度は、室温24±1℃、室湿度50%であると思われます。(ただし、すべての方にあてはまるとは言えないと思います。)室内の湿度を調整することは難しいと思いますが、今の時期の室温調整の参考にして頂きたいと考えております。
■第2回 頸損者の手足先の皮膚温
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、手足先は体温調節に深く関連している部位です。暑いときは手足先の血管が開き、血流量が増加し、皮膚温が上がります。そして、皮膚から熱を逃がそうとします。逆に寒いときには、手足先の血管は収縮し、血流量が減少します。その結果、皮膚温が冷たくなり、体温が逃げるのを防ぎます。
しかし、頸損者の方々は手足先の血管を収縮させる力が弱いようです。つまり頸損者の方々の手足先の皮膚温は、常に高く維持されている傾向にあることがわかりました。この症状が、問題となるのは冬です。外や部屋の中の気温が低くても、手足先の皮膚温は高くなっていますから、手足先からどんどん熱が逃げて、体温が下がってしまう危険性があります。ですので、冬季に外出するときは手袋と靴下、部屋の中にいるときは靴下をはいて、体から熱が逃げるのを防いでください。夏もクーラーを使用すると、冷たい空気が床面付近にたまりますので、足から体温が逃げるのを防ぐ必要があります。身近な方法としては、靴下をしっかりはくことが考えられます。夏だとつい素足になりがちですが、気をつけてください。
■第3回 体からの水分蒸発量
暑い時は人間の体からは汗が出ます。でも、暑くなく、快適な環境にある時でも、人間の体からは、常に皮膚やのどを通して水分が放出されています。これを不感蒸散といいます。不感蒸散の量は、成人で1日あたり約1リットル程度といわれています。こういわれてみると、結構な量ですよね。不感蒸散による水分(皮膚やのどから放出された水分)は、蒸発するときに体から熱を奪いますので、体温調節に役立っています。しかし、頸損者の方々は不感蒸散量が少ない傾向にあることがわかりました。ただ、その原因はよくわかっておりません。怪我をしてから、皮膚表面が乾燥しがちになった方はいらっしゃいますか?
■第4回 暑さへの苦手意識
頸損者の方々は、やはり暑さが苦手だと思います。2004年に実施したアンケート調査(回答数338通)で、「暑さに対してどう感じていますか?」とお聞きしたところ、回答者の約9割が「非常に苦手」あるいは「やや苦手」と回答していました。
その中でも、完全麻痺の方、中枢神経用薬剤(精神安定剤、睡眠導入剤、抗けいれん剤など)服用者、昇圧剤(血圧を上げる薬)服用者に、暑さを非常に苦手と感じている方が特に多かったです。なぜなのかということを私なりに考えてみました。(間違っているかもしれません…)
○完全麻痺者の方々
アンケート調査より、汗をまったくかかないと回答している人が不完全麻痺者より圧倒的に多くなっていました。従って、完全麻痺者の方々は不完全麻痺者の方々より発汗障害の程度が重いことが、暑さへの苦手意識につながっていると考えられます。
○中枢神経用薬剤服用者
精神安定剤、睡眠導入剤、抗けいれん剤などの薬剤は、共通の副作用として「口の渇き」があり、口渇感が暑さへの苦手意識に関与している可能性があります。
○昇圧剤服用者
以前の報告で述べましたが、気温が高いと手足の血管は拡張し、手足先を流れる血流量が多くなります。その結果、手足先の皮膚の温度は上昇し、手足先から体の熱を放散します。しかし、昇圧剤には血管を収縮させる作用があることから、気温が高くても手足の血流量が増加せず、その結果、手足先からの熱放散が抑制されている可能性があります。
■第5回 暑さに対する感受性の鈍化(鈍さ)
身近な頸損の方々から、「脱水症状になり、気を失いそうになってから暑さに気づく」、「のぼせてから暑さに気づく」といったように体調に変化が起きるまで暑さに気づかないという話をお聞きしました。大袈裟かもしれませんが、この症状は時として生命に関わるまでに発展する可能性があると思います。そこで2004年に実施したアンケート調査(回答数 338通)で、「体調が悪くなってから暑さに気づくことがありますか?」とお聞きしたところ、回答者の約6割が「よくある」あるいは「時々ある」のどちらかを回答していました。その中でも、年齢が60, 70代の方、損傷レベルC3以上の方、中枢神経用薬剤(精神安定剤、睡眠導入剤、抗けいれん剤など)、胃腸疾患用薬剤服用者、昇圧剤(血圧を上げる薬)服用者に、体調が悪くなるまで暑さに気づかないと回答している方が特に多かったです。なぜなのかということを私なりに考えてみました。(間違っているかもしれません…)
○年齢が60, 70代の方々
高齢者は気温変化に対する感受性が低下しているとの研究報告があることから、障害よりも加齢の影響が大きいと考えられます。
○損傷レベルC3以上の方々
損傷レベルが高くなるほど、残存知覚領域が狭くなることが影響していると考えられます。
○中枢神経用薬剤(精神安定剤、睡眠導入剤、抗けいれん剤など)服用者
これらの薬剤は判断力低下の副作用があるため、薬剤の副作用と温冷感麻痺との相乗作用の恐れがあります。
○昇圧剤服用者
以前の報告で述べましたが、気温が高いと手足の血管は拡張し、手足先を流れる血流量が多くなります。その結果、手足先の皮膚の温度は上昇し、手足先から体の熱を放散します。しかし、昇圧剤には血管を収縮させる作用があることから、気温が高くても手足の血流量が増加せず、その結果、手足先からの熱放散が抑制され、体温が上昇しているにもかかわらず、温冷感麻痺のために暑さに気づかないといったことが起きている恐れがあります。
○胃腸疾患用薬剤服用者
胃腸疾患用薬剤服用者には、下剤を服用されている方が多かったです。頸損の方々は腸に便がたまったことを顔面発汗などの身体変調により自覚することが多いという報告があります。従いまして、薬効としての変調と暑さによる変調を混同している恐れがあります。(薬の効き目かなと思っていたら、暑さによる変調だった、のような…)
体調が悪くなるまで暑さに気付かないことへの基本的対策のひとつは、介助者がこまめに温熱環境の変化を頸損者に伝えることだと思います。今後は住宅内外で頸損者の方々の体温の情報を長時間且つリアルタイムに測定表示できる道具などが必要になると考えています。
■第6回 寒さへの苦手意識
頸損者の方々は、暑さに加えて寒さも苦手のことと思います。2004年に実施したアンケート調査(回答数338通)で、「寒さに対してどう感じていますか?」とお聞きしたところ、暑さと同様に回答者の約9割が「非常に苦手」あるいは「やや苦手」と回答していました。その中でも、完全麻痺の方、女性の方、損傷レベルが高い方、お酒を飲まない方に寒さを「非常に苦手」と感じている方が特に多かったです。なぜなのかということを私なりに考えてみました
○完全麻痺者の方々
人間の体は、寒さにさらされると体の中で熱を作ります。どうやって作るかというと、筋肉が細かく伸びたり縮んだりすること(つまり震え)により、筋肉が発熱します。筋肉は安静状態でも発熱しますが、収縮運動が起きると発熱量は大きくなります。また、肝臓などの主要な臓器も発熱します。これらは、全て脳からの命令によるものです。
完全麻痺の方々は頸髄が横断的に損傷しているので、脳からの「熱をつくれ!」という命令が、体に伝わりにくいのかもしれません。言い換えると、頸髄が部分的につながっている不完全麻痺の方々は、完全麻痺の方々より体温調節機能が残像している可能性があります。
○女性の方
なかなか難しいのですが、女性特有の冷えと関連している可能性があります。
○損傷レベルが高位の方
損傷レベルが高くなるにつれて、寒さを「非常に苦手」と回答している割合が多く見られました。損傷レベルが高くなるほど、残存している運動能力が少なくなるため、熱を作る主要な部位である筋肉量が減少していることが影響していると考えられます。つまり、損傷レベルが高くなるほど、熱を作る力が弱いと考えられます。
○お酒を飲まない方
お酒を飲まない方が寒さを苦手にしているようですが、理由はよくわかりません。お酒を飲むと暖かく感じることと関係しているのでしょうか…?
■第7回 寒さに対する感受性の鈍化(鈍さ)
ここ数回は、頸損者の方々の暑さ寒さに対する苦手意識、暑さに対する感受性の鈍化(鈍さ)について述べてきました。今回はこのシリーズの最後として、「頸損者の方々の寒さに対する感受性の鈍化(鈍さ)」について考えていきたいと思います。
「冷房により下半身が冷えすぎても気づかずに下痢をする」、「気持ちが悪くなるまで寒さに気づかない」といったように体調が悪くなるまで寒さに気づかないといったことを経験されている頸損者の方々が多いようです。2004年に実施したアンケート調査(回答数338通)で、「体調が悪くなってから寒さに気づくことがありますか?」とお聞きしたところ、回答者の約6割が「よくある」あるいは「時々ある」のどちらかを回答していました。その中でも、年齢が60, 70代の方、損傷レベルC3以上の方、降圧剤(血圧を下げる薬)服用者に、体調が悪くなるまで寒さに気づかないと回答している方が特に多かったです。なぜなのかということを私なりに考えてみました。(間違っているかもしれません…)
○年齢が60, 70代の方々
高齢者は気温変化に対する感受性が低下しているとの研究報告があることから、障害よりも加齢の影響が大きいと考えられます。
○損傷レベルC3以上の方々
損傷レベルが高くなるほど、残存知覚領域が狭くなることが影響していると考えられます。
○降圧剤服用者
以前の報告で述べましたが、気温が低いと手足の血管は収縮し、手足先を流れる血流量が少なくなります。その結果、手足先の皮膚の温度は低下し、手足先からの体の熱放散を抑制します。しかし、降圧剤には血管を拡張させる作用があることから、気温が低くても手足の血流量が減少せず、その結果、手足先からの熱放散が増進され、体温が低下しているにもかかわらず、温冷感麻痺のために寒さに気づかないといったことが起きている恐れがあります。
体調が悪くなるまで寒さに気付かないことへの基本的対策のひとつは、介助者がこまめに温熱環境の変化を頸損者に伝えることだと思います。今後は住宅内外で頸損者の方々の体温の情報を長時間且つリアルタイムに測定表示できる医療機器などが必要になると考えておりまして、そのような機器を将来、開発できればと思っています。
4.快適な冬と夏の過ごし方−当事者からの寄稿−
「暖かい冬の過ごし方」
坂上 正司
※頸損だより2007年冬号(NO.104)に掲載されたコラムの再掲です。
外ではまだツクツクボウシが鳴いているというのに、こういう原稿依頼が迷い込んでくる。いくら想像力が豊かでも、季節の先取りは難しいものだ。しかし、それでもない知恵を絞って考えてみることにする。大分類は衣・食・住。
食
まずはアルコール。体のことを考えてのむなら焼酎のお湯割りがお奨め。それも適量にしよう。飲み過ぎると気分が悪くなったり、寝込んでしまうようなことになれば逆効果だ(R20)。
食事には温かいスープを付ける。味噌汁でもいい。野菜がたっぷりだと栄養のバランスもいい。飲もう。
辛いものを食べる。塩辛いものはNG。唐辛子系の辛いもの。唐辛子は温かい料理と食べると効果抜群。冷たい料理に付加してもほとんど効果はない。ちなみに冷たい料理を温かく感じたいときは和辛子がベスト。ただ、和辛子に関してはそう感じるだけで実際に温まっているわけではないので気をつけよう。
やっぱり鍋物。グループで食べる場合は頸損はやや不利な立場に追いやられるので、普段からの人脈づくりを怠ると寒い食事になりかねない。
とにかくできるだけ温かいもの食べる。それが変温動物である頸損には不可欠。外食でコンビニになりそうなときでも、サンドイッチはやめておでんにすれば栄養的にもGood(筆者は七壱壱がお奨め)。街中で焼き芋を見つけても我慢しない勇気が頸損には必要といえる。
衣
重ね着。しかし枚数を着ればいいというわけではない。頸損の場合、それが体の動きを制約してしまうことになるので、効率よく重ね着しよう。肌に近いところは木綿、ウールなどの空気層をつくる物を挟んで、一番外は通気しない革などにすると保温性は抜群。木綿だけの重ね着や、革ジャン一枚などはお奨めできない。
頸損は発汗のことはあまり考えないとしても肌着Topは木綿がお奨めだが、昨今の機能性肌着も捨てたものではない。衣服内の温度調節機能がある機能性肌着も一着1,000円台から発売されている。「汗を吸収して繊維自体が発熱しながら、過度の湿気を放出して体感温度を調節する放湿放熱機能を備えた肌着」、「汗や湿気によって繊維が伸び縮みして通気性をコントロール、衣服内の環境を快適に保つ“繊維が呼吸する肌着”」などがあるが、筆者は量販店で入手したアクリル製のインナー作業着(500円)を昨年から使用している。白、黒、グレーのモノトーンなのでファッション性には欠けるが、インナーとしては充分だ。今年はさらに進化したものが発売されるだろう。
某雲丹黒のCMでもお馴染みのパッチ(おしゃれに言えばタイツ)も今年ブレークしそうな気がする。筆者は昨年から量販店で入手したあったかタイツを使用している。「そんなのはいたら若者でなくなりますよ」というヘルパー(♂24・ちなみに年中風邪引き男)の言葉も気にならない。ちなみに筆者は、そのまま使うと介助しづらいのと、収尿器の仕舞ができないので、股で左右に切り離して使っている。
カイロ。低温ヤケドが心配でも、服を2枚重ねた上ならばそう気にしなくても良い。使い捨てなら貼るタイプのものが位置がずれなくて便利。筆者は貼らないタイプをズボンの縁に差し込んで使っている。最も寒さを感じる部位は頸筋から背中にかけてだそうだが、ここにカイロを貼るより、ネックウォーマーやマフラーを使って頸周りをガードする方が効果的だ。これらは頸や背中を外から入ってくる外気からまもるということ以上に、セーターなどでつくった空気層の暖かい空気を外に出さないという役割が大きい。カイロと言えば最近靴用のものも出はじめている。今年こそ手を出してみようとは思っているが、今年のヒット商品になりそうな「ゆたぽん」(ゆたんぽではない)も気になる。
マフラーを巻く。今年の夏はマフラーにニット帽がファッションだったらしい。さすがにうちの年中風邪引きヘルパーはこんな格好はしてなかったが、彼曰く「ファッションとは我慢すること」らしい。「切れる」世代がいうから余計納得できない、がそんなことはどうでもいい。マフラー、ネックウォーマーやレッグウォーマーも含めて、先ほども語ったように防寒具としては重要な位置を占めている。と同時に、夏でもワンポイントとして扱われるほどファッションの重要なアイテムにもなりうる。茶系ダーク系の色合いになりがちな冬服に思い切って明るい系統の色や派手なデザインを合わせてみればどうだろう。そういうのと逆の視点でいうと「職場でつけていても違和感がないミニマフラー」等という代物が、昨年辺りからウォームビズの影響でじわっと流行っているようだ。幅15センチ×長さ75センチのミニマフラーは、オフィス内で使ってもそれほど違和感がない色とサイズから人気。また、ウォームビズで緩やかにブレークしているネックウォーマーもある。タートルネック風とジップアップスタイルの2種類が利用できるシャツの中につけるネックウォーマーは、着脱が簡単で、かさ張らない。いずれも頸損にはもってこいのアイテムになりそうだ。
ウォームビズ。頸損とはあまり関係ないようなキーワードに実は暖かい冬のすごし方のアイデアが詰まっている。ジャケット。2つボタンのジャケットが復活しているが、以前よりもボタンの位置が高いのが流行のようだ。座ったまま着る頸損にとってはローライズのスラックスが流行って以来の嬉しい流行だ。裏地に蓄熱素材を使用したものも登場している。セーター。薄手で、ファスナーやボタンつきのハイネックタイプの前開きセーターなら頸損でも着やすい。ベスト。ツイードやニットを選ぶと良い。首元のVの開きは、深めが流行だが、あまりお奨めではない。ネクタイ。ウール混素材のものを選ぶだけで暖かみが違う。靴下。着圧コントロールで足の疲れを緩和するハイソックスは頸損には嬉しい。靴。ハイカットの靴というかローカットのブーツみたいなのが流行っているらしいが、これも頸損には朗報かも知れない。で、ウォームビズの仕上げは、温感クリーム。以前、大阪頸損連の新年会の景品でいただいた白元の「ぬるホッカイロ 温感クリーム」は、今でも筆者の必需品だ。手足にクリームをつけ、マッサージをする要領でよくなじませることで、暖かさを保つことができる。
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時間切れ。また次の機会があれば書きます。すんません。
「涼しい夏の過ごし方」
坂上 正司
※頸損だより2008年夏号(NO.106)に掲載されたコラムの再掲です。
漸くダウンジャケットを脱げそうな3月末に、標題の原稿を求められても…と思っていたら、あっという間に梅雨。皆さんに読まれる頃には、いよいよ本格的な夏が到来。ジリジリと照りつける陽射しも日増しに強くなり、暑さは大の苦手の頸損には過酷な季節です。クーラーの効いた涼しい場所へ退散してしまうという方法もありますが、昨今のクールビズ流行と原油高騰のあおりで公共施設はあまりあてにできません。それどころか、審議会などに出席しても、エアコンがあまり効いていないので頸損にとっては過酷な会議になるようです。そこで、冬に続いて「涼しい夏のすごし方」で暇を潰してください。
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まずはクーラーの効率的な使い方をご紹介します。しかも、電気代の節約にもなります。テーブル等の大きな家具の配置も見直して、冷気の流れをスムーズにすると冷房効果も微妙に違ってきます。冷房効果を高める工夫としておすすめしたいのが、扇風機の併用です。冷気は部屋の下の方に、暖かい空気は上の方にたまる性質があります。それを扇風機の風で効率良く循環させようというのです。扇風機を部屋の一角に設置し、首の角度を上方に向け、空気がうまく循環するようにすれば、部屋の冷えが一段と良くなり、体感温度もかなり違ってくるはずです。昼間にタンスなどを少し空けて冷やしておくと、夜になっても冷気の量が多い分涼しくなります。また、カーテンが「ある」と「ない」とでは部屋の冷え方は確実に違います。昼間でも夜でもクーラーを使用する時はカーテンをきっちりと閉めると効果的です。厚手の遮光カーテンや二重カーテンがあればさらによいでしょう。また、自動車のガラスに貼り付ける遮光シートが便利です。値段もそう高くはありませんので、特に陽当たりの厳しい窓の上側等に貼り付けておくと効果が期待できると思います。ベランダに花木をおいたり、洗濯物を昼に干して打ち水代わりに使うなどというのはいかがでしょう。風鈴やモビールで、耳、目で涼しさも感じられます。
昨今流行の快眠グッズも紹介しておきます。敷きパッド、シーツ、掛け布団などは感覚のない頸損には実感がないかも知れないけど、気分だけでも。枕も、冷感製品から冷やさないタイプのアイスノン(商品名「遊眠」)まで様々あります。アイスノンが冷えすぎる上に、夜半にぬるく気持ち悪くなるのが嫌な人にはお勧めです。
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日焼け対策。暑いからといって安易に肌を露出すると日焼けします。頸損は代謝が遅いので、その日の夜半から翌日の夜当たりに日焼けの後遺症に苛まれます。外出時に日焼けを防ぐのは、夜を快適に過ごすために必要です。日焼け止めは、ジェルからミストタイプ、ウエットティッシュにしみ込ませた汗取りパット兼用のものまで様々です。しっとりからパウダーっぽいものまで触感も様々ですので、お気に入りのものをどうぞ。物理的に遮光するものとしては、腕カバー、スカーフ、帽子に取り付けるシェードなどいろいろとありますが、過信せず組み合わせて使うことをお薦めします。
とはいっても、やはり衣類でも冷感グッズが直接的で、人気が高いようです。ここ数年は、水に濡らして使うポリマー(高分子)を使用したものが増えています。このポリマーは水を含むと体積が一気に数十倍に膨らみ、ゆっくりと乾燥するので、気化熱による冷感効果が長持ちします。帽子、バンダナ、スカーフなど頭や頸の周辺に利用するものが中心で、しかもオシャレなものも多く、スポーツ量販店などで販売されています。直接肌に吹き付けるクールビズスプレーはメントールやミストを使っていて、虫除け効果のあるものも販売されていますので、アウトドアにも最適です。清涼感のあるクリームやジェルは、塗った部分がスースーして、涼しさを体感できます。また、保冷剤を利用したベストなどもありますが、頸損にはちょっと使いづらいかも。
さて、残るは「食」なんでしょうけど、これは皆様それぞれのすごし方にお譲りして、、、(と逃げる)。まあ、だまされたと思って、どれかひとつでもお試しください。
読者のみなさまへ 〜今回の特集組みを終えて〜
頸損・情報データベースプロジェクト。突然ですが、そんな企画が昨年秋ごろから動き出しています。頸損者にとって有益な情報を集めて分類し、利用しやすい形でストックし皆さんに提供していこうということで、鳥屋、島本、桜井の3人を中心に活動を開始しました。
そんなわけでプロジェクトは動き出したものの、さてどのように情報収集してどんな風にまとめればいいか全くの手探り状態で、はたしてちゃんとデータベースが出来上がるのか不安もよぎりましたが、そんな中多くの方から情報提供をいただきまして、今回その第一弾として体温調整についての記事を会報紙面でご報告できる運びとなりました。ご協力いただいた皆様本当にありがとうございました。
今後は別のテーマで第二弾、第三弾とご紹介できればと考えておりますので、また皆さんにご質問をすることがあるかもしれませんが、そのときはまたご協力を何卒よろしくお願いいたします。また、私はこうしているよという投稿や、ここをもっと詳しく知りたいなどのご質問も大歓迎ですので、会宛の郵便、メール、メーリングリスト、何でもいいのでお待ちしております。
【桜井 龍一郎】