頸損だより2009夏(No.110) 2009年6月27日発送

お便りメール

加西市 多田俊成さんから



 加西市にお住まいの多田俊成さんは、C2-4を受傷されて7年目を迎えられました。64歳になられた今もチャレンジ精神旺盛で、顎で操作する電動車椅子に乗られて、頸損連絡会の行事に時折顔を覗かせて下さったり、旅行に出かけられたり、最近ではパソコンやインターネットにも挑戦されています。もちろん首から下は完全四肢麻痺ですから、音声入力装置を使ってパソコン操作されます。「どんなソフトを使ったらよいだろう?」など試行錯誤されながら、初めての音声入力でのお便りをいただきました。多田さんの了解を得て、お便りを皆さんに紹介します。

 私の住んでいるところは、加西市の南の東端で山陽自動車道権現パーキング北寄り2kmで、加西南産業団地があり、小高い山に囲まれた30戸ほどの、小さな集落です。
 私は、小野工業高等学校を卒業後、大和ハカリに就職、10ヶ月後加西町役場に転職。定年2年前の平成15年5月10日、土曜日午後5時半ごろ、農作業中崖から転倒し頸髄2番から4番を受傷しました。
 西脇市民病院に1ヶ月あまり、大阪の行岡病院に半年、県立リハビリテーション中央病院に半年入院し、頸髄を広げる手術と膀胱婁の手術を行いました。退院後、生まれ育ったところにバリアフリーの住宅を新築して暮らしています。
 つぎに、私の1日の基本的な生活についてお話します。朝6時頃にコップ1杯の水を飲みます。そして、体の右側肩を下に真横に寝かせてもらいます。7時ごろに朝食の代わりにエリナというダイエット食品の粉末をコップ2杯の水で飲みます。その後は、20分間ほど手・腕・肩・背中をマッサージしてもらいます。また、コップ1杯の水で薬を飲みます。薬は痰を出しやすくするもの、便を柔らかくするもの、肺炎を予防する抗生物質と、胃炎防止薬です。9時ごろに牛乳をコップ1杯、午前中にもうコップ2杯の水を飲みテレビを見ながら過ごします。
 昼食時に車いすに乗り、食後2時間ほど新聞やテレビを見て午後2時ごろベッドに戻り1・2時間昼寝です。その後は、コップ2杯の水を飲みながらテレビのもりです。午後6時頃に夕食のため車いすに乗ります。孫をみたりテレビを見たりして午後9時頃にコップ1杯の水を飲んで寝ます。
 つぎに風呂ですが、週2回入ります。火曜日は施設で、金曜日はヘルパー一人と妻に入れてもらいます。2回ともシャワー浴のみです。これは、膀胱婁のため雑菌進入予防です。
 食べたら出る、詰まると大変な排便排尿です。排便は、月曜日の午前8時ごろと、木曜日の午後2時ごろの週2回浣腸により行います。排尿は、膀胱婁のため、袋の尿を捨てるのみですが、カテーテルが詰まってないか折れたりしていないか、注意が必要です。又、つまり防止のため大量の水分摂取が必要で2500ccほど水を飲んでいます。
 日常生活の中で困った事が三つあります。その一つは痰がよく出ることです。自分では排痰出来ず、介護者に腹圧をかけて取ってもらいます。わき出るようにでてくるときがあり息苦しく声は出ないし大変です。二つ目は、食べ物がよく喉に詰まることです。食べ物の大小堅い柔らかいには関係ありません。詰まると、腹圧をかけてもらいます。三つ目は、起立性・食事性低血圧です。食事性は食事を始めると胃に大量の血液が流れるために起きます。食事中は喉に詰まったリ、食事性低血圧が起きるので車いすのリクライニングを倒し寝て食事をします。週1回施設で血圧測定します。70から90で、低くて測定できないときがあります。
 医者ですが、バルーンの取り替えに3週間に1回泌尿器科医、内科医が月に1回往診してもらっていきます。
 気温の良いときには、一人で町内や産業団地内を1・2時間ほど散歩します。
 頸損の会は、行岡病院で、主治医の湯口先生、PTの坂本先生が紹介してくれました。当時の事務局長鳥屋さんら3人が、訪問してくれました。その後、会報を送ってもらっています。昨年の大阪全国大会や、兵庫頸損の総会やバーベキュー大会に参加しました。
 これまでに3回旅行しました。自家用車で浜坂の障害者宿泊施設に1泊、飛行機とホテルのマイクロバスで北海道の摩周湖近くのホテルに2泊、新幹線とレンタカーで九州の湯布院・阿蘇に2泊で行きました。いちばんよい宿泊施設は簡保の宿でした。
 以上ですが、趣味もなく、時間がありすぎます。外出は、好きですが、運転手の妻は、あまり好みません。運転ボランティアを確保し月に3回ぐらいは外出したいと考えています。
 今後ともよろしくお願いいたします。意見等よろしくお願いいたします。

多田俊成


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