頸損だより2009秋(No.111) 2009年9月26日発送

対大阪府オールラウンド交渉報告

大阪頸損連絡会 ボランティア部長 中塔 昌宏


 7月14日総決起集会、7月30・31日対府オールラウンド交渉に行ってきました。障大連主催のこれらの行事は毎年行われており、僕自身2度目の参加となりました。褥瘡の手術後、まだ車椅子に座れる時間が制限されているので、両行事には途中からの参加となりましたが、内容等について簡単に報告させていただきます。総決起集会が行われた中央区民ホールへは3時前頃到着したんですが、会場前にはこれから行われるデモ行進のため炎天下の中もうすでに多くの参加者が列をなしていました。しばらく会場内で過ごした後、予定より15分遅れの3時45分頃出発、中央大通りを東に行き谷町四を北へ、府庁前でシュプレヒコールをあげた後、大阪城公園内で解散となりました。当日は気温35度の真夏日で、我々頸損にとってはとても過酷な一日となりました。対府オールラウンド交渉へは浪速区にあるヒューマインドへ。両日とも2時半過ぎからの参加となり、各議題の激しい質疑応答を視聴してきました。両行事は連動しており、我々障害者の生活にとって直接関わる様々な施策について話し合われたり、行政に対して主張・交渉する場でもありますので、興味のある方は一度参加してみてはどうでしょうか?

対府オールラウンド交渉 府からの文書回答(一部分紹介)

【障害者施策全般に関する要求項目】

(要望項目)
1.@ 重度障害者医療費助成を来年度以降も存続し、現行の「500円×月2回」までの負担として存続すること。また、国保・精神通院医療給付も今後も継続すること。

(回答)
○身体及び知的障がい者医療費助成を含む本府の福祉医療費助成制度については、重度の障がいのある方をはじめ、制度の対象となっている方々にとって、医療に関するセーフティネットとして重要な役割を担っていると認識しております。

○この制度については、本年2月議会の見直しに関する議論を経て、「将来的にも持続可能な制度とする抜本的な見直しを行うまでの間、現行制度を継続する。」ことといたしました。

○この制度は、地方単独事業であり、対象者の増加、医療費の増嵩や厳しい本府の財政状況にあって、この制度の維持継続のためには、不断の検証が必要であるとも考えているところです。ご理解の程、お願いいたします。

○また、国保における精神通院医療給付に係る市町村等への助成については、精神疾患患者の医療に重要な役割を果たしているとの認識のもと、厳しい財政状況の中ではありますが、本制度の継続に努めてまいりたいと考えております。

(回答部局課名)
 福祉部国民健康保険課



(要望項目)
2.障害者自立支援法について
 @今回の見直しで積み残された課題として、応能負担への完全復帰、障がい程度区分や支給決定、国庫負担基準の抜本的な見直し、地域生活支援事業の必須事業の義務的経費化、地域移行や就労促進の施策と仕組みづくり等に関して、引き続き国に強く働きかけていくこと。

(回答)
○障害者自立支援法は、障がい者が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、障がい者福祉の増進を図るとともに、安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的に施行されているところです。

○府においては、この間、制度見直しの要望を実施してきたところですが、国においては、法施行後に実施されてきた利用者負担の軽減措置の23年度末までの延長や、21年度からのプラス5.1%の報酬改定などが実施されたところです。
○また、本年3月に国会へ提出された障害者自立支援法等の一部を改正する法律案においては、利用者負担について、応能負担を原則とすることや、障がい程度区分の名称・定義の見直し、グループホーム・ケアホーム利用の際の助成の創設などが盛り込まれたところです。

○本府としては、これまで、障がい者の所得確保や低所得者層に配慮した適切な利用者負担制度の構築、質の高い人材確保のための報酬の見直し、障がい程度区分の見直し、地域生活支援事業における確実な財源措置、新体系移行への支援など、国に対し要望してきましたが、引き続き、自立支援制度をよりよいものとするため、必要な制度改善を国に求めてまいります。

(回答部局課名)
福祉部障がい福祉室計画推進課



(要望項目)
3.障害者権利条約の批准、障害者差別禁止法の制定を求める機運も高まってきており、千葉・北海道など自治体単位でも関連条例が策定されていている。障害者施策について、先駆的役割を果たしてきた大阪府においても、「障害者差別禁止条例」の策定に向けて積極的に検討を開始すること。

(回答)
○大阪府においては、障がい者をはじめ高齢者、女性、外国人など全ての人の人権が尊重される社会の実現を目指して、「大阪府人権尊重の社会づくり条例」を制定(平成10年10月)し、あらゆる差別の解消に向けて取り組んでいるところである。

○また、障害者基本法に基づき、「人が人間(ひと)として普通に暮らせる自立支援社会」の実現を基本理念とする「第3次大阪府障がい者計画(後期計画)」を策定し、障がい者への理解と人権尊重に根ざした自立支援に向け、総合的・計画的に各種障がい者施策の推進に努めている。

○障がい者に対する人権侵害や差別は、障がい者が一人の人間として当たり前に生きていくことを阻む最大の障壁であり、障がいに対する理解を深める活動や障がい者の社会参加の一層の促進などの継続的な取組みが必要であると考える。

○このため、大阪府では、障がい者の方々への正しい理解と認識を深める広報啓発や福祉サービス従事者に対する人権研修の実施など、障がい者の方々が差別されることがないような人権が尊重される社会の実現に向けて取り組んでいるところである。

○障がい者をはじめ、すべての人の人権尊重は全世界に共通する普遍的な原則であり、現在、国において批准に向けた検討が行なわれている、障がいを理由とするいかなる差別も禁止し、障がい者の人権及び基本的自由を促進する「障害者の権利に関する条約」について、早期批准に向けた国内関係法の整備等が早急に進めらるよう、府として、引き続き、国に働きかけて参りたい。

(回答部局課名)
福祉部障害福祉室計画推進課



(要望項目)
4.新型インフルエンザへの対応における障害者の生活・活動の保障のあり方について、障害者団体と協議を行い、府としての今後の対応方策を検討すること。

(回答)
新型インフルエンザ対策については、大阪府新型インフルエンザ対策行動計画を策定し府民の安全・安心を確保する観点から、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄や医療提供体制の確保に努めてきたところでございます。
今回の新型インフルエンザの発生に関しては、国内での患者確認前から24時間体制で発熱相談センターを設置するとともに、発熱外来など医療提供体制の確保等を行ってきたところでございます。今後とも国や関係機関と連携を図りながら適切な対応を行ってまいります。
(なお、7月14日以降は、一般医療機関での受診が可能となったことから、発熱相談センターは休止しておりますが、かかりつけ医などにFAX相談の後、受診していただけることとなっています。)

(回答部局課名)
健康医療部保健医療室地域保健感染症課



(要望項目)
4.新型インフルエンザへの対応における障害者の生活・活動の保障のあり方について、障害者団体と協議を行い、府としての今後の対応方策を検討すること。

(回答)
○今回、府が行った社会福祉施設等への休業要請は、新型インフルエンザの感染拡大を抑制するために、国が策定した「新型インフルエンザ対策行動計画」に即して、広く府民の皆さんに協力をお願いしたものの一環であります。

○一方、地域で暮らす障がい者にとって、日中活動の場が休業することは、自宅での待機を余儀なくされることであり、その間の生活を維持するための代替サービスの提供は必要であると認識している。

○府としては、障がい福祉サービス事業者に対し、休業要請に基づく臨時休業を行うにあたっては、利用者及びその家族並びに援護の実施者である市町村と連絡を蜜にして、居宅介護など代替措置が必要な場合は適切な措置を講じるよう併せて依頼を行なったところです。

○今後、新型インフルエンザの感染拡大抑制と障がい者の命を守るという視点から、例えば、居宅介護等代替サービスの活用と併せて、休業している社会福祉施設等の人材の活用を織り込むなどの仕組みづくりについて、国に働きかけてまいりたい。

(回答部局課名)
 福祉部障がい福祉室地域生活支援課
 福祉部障がい福祉室施設福祉課


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