頸損だより2009冬(No.112) 2009年12月26日発送

携帯小説風入院記

病院から〜尿路結石について

ボラ部 中塔昌宏


 窓際の電動ベッドに座り、見馴れた外の景色に眼を向けると、水銀灯の灯りが川面に反射し、キラキラと瞬きをしている様に映ります。一見心和む様な綺麗な景色を目にしても、その時々の自分の状況や心境によって、多様に感じられるから不思議なものです。 前置きはさておいて、只今腎結石のため入院治療中です。見馴れた景色というのは何回も入院しているからで、さしずめこの病院では「石の人」で通っております。初めて石が出来入院したのは、怪我をしてから6〜7年後、膀胱内に大きな石が出来たのが始まりでした。小さい石なら外来にある膀胱鏡でも摘出できるそうなんですが、大きくなると砕かないといけないため、過反射のこともあり、手術室で破砕を行いました。それからまた6〜7年は大丈夫だったのですが、30代半ば辺りから現在に至るまでの6〜7年で、膀胱・尿管・腎臓の、いわゆる尿路結石で、4〜5回(正確な数字は忘れました)の入院を経験しました。原因について一般的には暴飲暴食・水分摂取量の不足・食生活の欧米化などがあげられるそうですが、我々頸損者は水分摂取や導尿などによる尿管理の問題もあり、複合的な要因も考えられるようです。結石が膀胱内なら手術室にある膀胱鏡を使って破砕出来るので、短期間の入院で治療出来るのですが、腎臓や尿管内だと結石破砕装置を使っての治療になるようです。僕の場合まず膀胱から尿管を通して腎臓へ、ステントというシリコンの管を通してから結石破砕治療を行い、次の日レントゲンを撮りどの程度破砕出来たかを確認、この繰り返しとなります。(破砕治療は腎臓に負担がかからないよう週一回、結石の大きさや固さによって回数が変わります) それに加えて今回は結石が大きいのと、小さい粒でも残るとそれが核となってすぐ大きくなるので、背中から腎臓へもステントを入れ、そこから溶解液を流し、結石を溶かしきる治療も破砕と並行して行っています。
 以上結石について書かせてもらったんですが、慢性期の合併症の一つとして皆さんに認識していただけたらと思います。尚最近では結石破砕時に過反射が強く起こり、死亡例も報告されています。(病室より携帯メールで原稿いただきました☆)


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