頸損だより2010春(No.113) 2010年3月27日発送
ワタシの電動車イス
石川真樹
皆さん、こんにちは。頸損連暦1年ちょっとの石川真樹です。宜しくお願いします。受傷して10年になります、受傷後2ヶ月はICUと一般病棟を行ったり来たりしてたので、『星丘厚生年金病院』で初めて車イスに乗ったのは桜の咲く頃でした。貧血と闘いながら、外の空気の気持ちよさを再確認しました。もともと低血圧なので、歩く、座ることが少なくなることで、移乗した瞬間、意識が飛ぶこともままありました。『僕には養命酒が相性良くて今は大丈夫ですが。』 なので最初はヘッドレストのついた車イスでリクライニングを倒してウロウロしてました。僕の車イスは、3台で全てリクライニング付きで車のシートみたいなものです。1台目は手動車イスで2、3台目は電動車イスです。受傷後1年ほど入院していて、その間は手動車イスでした。座り心地は良いものの、いちいち「前、後ろ、止まって。」とか口で伝えるのが面倒でした。自分の意思のままに動けるのってスムーズで素晴らしいことだと再確認しました。押してもらうと色々気を使うので、かといって自分では手動車イスをこげるレベルじゃなかったので早く電動に乗りたいなと思う毎日でした。
退院後やっと電動の申請が認められてから4ヶ月、納車される迄はちゃんと乗れるかなという心配とワクワク感でいっぱいでした。1台目はネッティー、2、3台目はクイッキーです、2台目は中パワーで手動リクライニング、3台目はハイパワーで電動リクライニングです。いい値段しますが買い替えるとなると大変なので、じっくりと考えて皆の話を聞いて色々試乗させてもらって自分の体に合う物をチョイスしました。2台目は外をガンガン走るにはパワー不足なので自家用車で出かけるときに、3台目は電動車イスでの移動と電車移動の時に、ハイパワーだけどデカ過ぎて自家用車に入らないので乗り分けてます。外で10キロ程出して走ると少年時代バイクで走ってた時の様に風を切る爽快感が得られます。重機でも車でも運転するのが好きだったのでいいオモチャです。コの字型の操作レバーとノーパンクタイヤに変えたくらいで、あとは特に改造してません。胸ベルトはガッチリしめてます。試乗してる時に何も踏んでないのにタイヤが突然バーストしたことがあり、念のためノーパンクにしてます。介助者の負担も減るし短時間なら一人でウロウロできるし僕にとっては必要不可欠です。
リクライニングも電動の方がちょいちょい自分で動かせるので気楽です。新しい車イスだと座位バランスの調整とか思考錯誤しつつ慣れる迄、時間が掛かりますがそれも勉強ですよね。