連日の猛暑に、もう半分溶けてもうた〜。という方も居られるかと思いますが、そんな夏バテモードを吹き飛ばす「秋の講演会」をご案内します。今年はパワー全開、おもろさ100倍車イスの廉田俊二さんをお招きします。詳しくは綴じ込みの付録を。おっ楽しみに〜!!
チェアウォーカー快適情報誌「wawawa」が創刊されたのが昨年冬。もうすぐ3号目が発行される。この「wawawa」は、東京を中心にチェアウォーカー(車イス生活者)達自らが編集している情報誌だ。この「wawawa」に興味を持ったボクは、「なにわの街を取材しませんか?」「ボクたちの機関誌『頸損だより』で、wawawaサンを取材させてもらえませんか?」と投げかけた。その後、驚くほど即座に返事をいただいた。
「wawawa」の8/28発行予定の秋号で「屋台」を特集するので、東京の屋台だけでなく大阪の屋台も記事にしたいとの事。それでぜひ大阪の屋台を案内して欲しいという事だ。そういえばボクもいわゆる「赤ちょうちん」とかは初めて。これは面白い。「ぜひ一緒に取材しましょう。」というわけで、「wawawa」取材陣となにわの街の屋台探訪を開始した。7/15と7/19の2日間の取材で、6件の屋台を訪ねた。「ふんふん。なるほど。へえー。」屋台には、オーソドックスなラーメン屋から焼き鳥、ホルモン焼き、串かつ、焼き肉と様々だ。
取材初日、その日岐阜での取材を終えたばかりのwawawa柳場サンと夜7時頃合流。ボクの箕面での飲み会に強引にもご一緒してもらい、10時半近くまでワイワイと盛り上がった。その後、十三の繁華街に、いざ出陣! 阪急十三駅西口そばの「ホルモン亭」を訪ねた。七輪で焼きながらの大将オススメ、シマ腸の塩こしょう焼きをむさぼった。アッツイ夜のその味はすごくウマかった。「ホルモン亭」の取材を終える頃、午前0時をまわっていた。その日その時刻、wawawa柳場サンの住む横浜までは当然電車も無くなっており、連日の取材で少々お疲れ気味の、住みかに帰れなくなった柳場サンとそこで別れ、その日の取材を終えた。
取材2日目、今度はwawawa篠田サン(通称:ピエール)と大阪ヒルトンホテルのロビーで待ち合わせ。大阪キタは梅田界隈の屋台をまずは取材。このヒルトン周辺取材班の我らが大阪メンバーは、やすっち(安原さん)、太っさん(東谷さん)、ボクの友人など5名。「焼き鳥屋」、「ラーメン屋」、「焼き肉屋」の3件を精力的に取材してまわった。特に「焼き肉屋」は女性を意識したメニューも多く、新地で働くおねえさん達がお客さんとしてよく立ち寄るとか。この後、ミナミで大阪頸損会長であるミスター脇ドン(宮脇さん)が先に待ち受けてくれている屋台を目指す。ミナミ到着後、屋台の主人に取材を申し出たが、取材拒否となり敢えなく断念した。「うーん、あやしい。なぜだ・・・まあ、事情はいろいろあるもんだ。」しかし、その屋台で周りのお客さん達とスッカリ意気投合し、その景色に溶け込んでいる宮脇氏と楽しく飲むことに専念した。午前0時頃、ほろ酔いの宮脇氏と別れ、ミナミを離れさらに南下し天王寺へと向かう。最後の取材はwawawa篠田サンとボクの二人で向かった。天王寺ステーションビルの角にある「ラーメン屋」。本日5件目の屋台。それにしてもよく食えるもんだなと我ながら感心する。深夜1時頃のラーメンはひときわウマい! 2、3日前から取材で京都入りしてたwawawa篠田サンもまたまたこの時刻になってしまい東京へ帰れなくなる。さらに一泊を余儀なくされた篠田氏の宿泊場所を探すべく、大阪では終電アウトで帰れなくなった人のお決まりのコース、千日前のサウナ・ニュージャパンまでご案内しそこで取材を終了した。
wawawaさん、大阪へ来てその日のウチに帰れるなんてことは、まあ、ありまへんで・・・。今回取材したほとんどの屋台でチェアウォーカーのお客さんは初めてだと聞く。利用しやすいものなのか、どうなのかアナタもこの秋、屋台を楽しんでみませんか?(事務局:とやとしはる)
wawawa秋号 8/30発売予定!
wawawa編集部 URL : http://www.wawawa-jp.com
Tel 03-5651-0366 Fax 03-3639-2356
ボランティア部勉強会'99 ボランティアあれこれ シリーズ
最終回 頚損テーマ別ディスカッション 報告
最終回(予定では第5回)に先立ち12月に実施を予定していたシリーズ第4回の宿泊訓練では、第3回で学んだ頚損の介助知識を実践で練習していただくことを計画していたのですが、結局、参加希望者が1名しかおられなかったため、中止せざるを得ず、誠に残念でした。
さて、最終回となる実質的な第4回目は、2月20日(日)に、スタッフを含めた会員6名、ボランティア4名の合計10名参加の下、芦原橋の同和地区総合福祉センターにて開催されました。今回は内容的には、第2回目に取り入れたところ好評で、もっとじっくり時間をかけてやりたいとの声が多かったテーブルディスカッションの続編、という形で行いました。用意していたテーマは、「住宅改造」「福祉機器」「学園生活」「意外と不便な障害者対応設備」などでしたが、結局時間の都合で、実際に消化できたのは最初の3つだけでした。
それはともかくとして、話し合うことのできた内容について少しご紹介すると、まず「住宅改造」については、これは我々車椅子の生活を余儀なくされたものにとって、避けては通れない大きなテーマです。理由は容易に想像がつくと思いますが、「歩けない」ため「車椅子」という物理的制約がありますから、せめて自宅にいるときだけでも快適に過ごしたいと思えば、当然住宅にもそのハンディを補ってくれる工夫が必要となるわけです。ただ、現実的には、金銭的な理由やマンションやアパートなどの借家住まいといった理由で希望通り改造ができないというケースが少なからずある、というのも事実で、そのような場合は、外出するのが物理的に大変という理由で出かけるのが億劫になってしまい、家に閉じ込もりがちになってしまったり、病院等のリハビリを通じて、適切な改造さえすれば自力でできるようになっていた動作までもができなくなってしまうといったことも起こり得ますので、そういう意味でも「住宅改造」は我々障害者にとって大きな意味を持ちます。
そこで今回の勉強会では、まず参加していただいたボランティアの皆さん全員に、どのような工夫が必要だと思うか尋ねてみました。その結果、まず皆さんの共通の認識として出てきたのが、段差の解消という点でした。確かに皆さんのおっしゃるとおり、「車椅子」を思い浮かべた場合、まず誰しも最初に思い浮かぶのがこの段差の解消であり、これは住宅を改造する際にも最も重要なポイントの一つといえます。ただ、一口に「段差の解消」といっても、方法は様々あります。例えば、たとえ1cmしかない襖(ふすま)や扉の敷居でも、十分にキャスターが引っかかってしまうので立派な段差といえるのですが、これなどは三角形の添木を当てるだけで簡単に解消できます。ですがより高い段差になると、今度は普段街中でもよく見かけるので皆さんもよくご存知のスロープの出番となります。スロープは比較的簡単に取り付けられますし、しかも一番安上がりで済みますが、無理なく上れる勾配をとろうとすると、段差が高くなればなるほど、より長い距離が必要になり、すごく場所をとってしまうという難点があるため、現実的には室内の段差解消には採用しにくい面があります。そこで登場するのが、段差解消リフトです。これは車椅子を乗せて電動で上下する約1m四方の鉄製テーブルのことで、垂直移動のためそれほどスペースを取らずに済みますし、場所さえあれば後付けも可能です。ただ、垂直リフトでは持ち上げられる高さに制限があるため、2階などに上がるためには(階を上がるのも一番大きな意味での段差の解消といえると思います)、階段に沿って設置したレールを上っていくタイプのリフトや、特に3階建て以上の場合は、ホームエレベーターなどが必要になります。
あと、これ以外の主だった改造ポイントとしては、車椅子で余裕を持って通れる広さへの扉と廊下の拡張、ドアの代わりに、車椅子でも開けやすい引き戸やアコーデオンカーテンへの変更、汚れても綺麗にしやすくて車輪の摩擦抵抗が少なくて動きやすい床のフローリングの採用、膝が十分入って使いやすい広くて浅い洗面台や台所用流しの採用、床の洗い場の高さに埋め込んだ浴槽、または逆に車椅子の高さに合わせた洗い場と浴槽などなど、参加した各会員の自宅の実例の紹介を交えてご説明しました。
また「福祉機器」については、今回は時間の都合もあり、前述の「住宅改造」に関連するものだけに絞っていくつかカタログを使ってご紹介させていただきました。一つは先ほど述べた段差解消用のリフト&ホームエレベーター、もう一つが、車椅子<=>ベッド(または風呂、便器、車など)の乗せ換え用の簡易型リフト、およびより大掛かりで工事で取り付けるタイプの天井型電動リフト、そして最後が、寝たままで背もたれを起こして座位になれるギャッジベッドと頚損の宿命の大敵、床ずれを予防するためのエアマットなどです。本当はもっと色々とこまごまとした物も含めてご紹介したかったのですが、時間的に無理でした。
3つ目の「学園生活」については、受傷当時まだ中学生で、その後復学された2名の女性会員、鈴木千春さんと比嘉昌美さんに、その受傷から復学までの道のりと、学園生活の苦労話や楽しかったことなどについてそれぞれの体験に基づいて語っていただきました。
そして、この日の最後は、締めくくりとして、本会事務局長であった東谷氏より、障害者の自立とその望む介助、そしてそれを支えるボランティアの役割についてお話しをしていただきました。とてもいいお話でしたので、ここで簡単にご紹介させてもらいます。
まず、障害者の「自立」についてですが、かつての自立の考え方は、障害者が回りの人の手を煩わせること無く、自分のことはどんなに時間をかけても自分ですること(身辺自立)であったり、仕事をして収入を得ることであったりしました。つまり、「健常者」並みに生きていくことが「自立」であるとするのが社会通念であり、したがって、それを実現する手段を持たない多くの重度障害者は、社会から何もできない存在であるとか、迷惑をかける存在であるというレッテルを貼られ、そしてそれにより障害者自身も「自分は生きていても仕方がない」という自己否定に陥りがちでした。
しかし、その後、そのような窮状を打開すべく巻き起こった自立生活運動の高まりを経て、「たとえ人の手を借りてでもいいから、とにかく障害者本人が主体的に自分のライフスタイルを決定していくことこそが、障害者にとっての自立である」という風に、障害者自身の意識が変わっていきました。これは例えば、2時間かけて自力で着替えをしていた障害者が、結局それだけで体力を使い果たしてしまい、他に何もすることができなくなっていたところを、人の手を借りて5分で着替えを済ませることで、残った1時間55分を他のもっと有意義な活動に振り向けるということ、つまりは、障害者自身の手で生活の質(いわゆるQOL)の向上を図っていくことを意味しています。
次に「障害者の望む介助」とはどういうものか、ということですが、それを理解することは、まず、障害者も健常者同様、十人十色だという認識を持つことが基本となります。これは一見ごく当たり前のことのように思われるかも知れませんが、実際には多種多様な障害者が、単純に「障害者」という一つの枠組みでひとくくりにされがちなことも事実です。つまり、障害者が10人いれば、介助の仕方も10通りあるということをまず認識していただかなければなりません。その上で、さらに介助の主体はあくまでも障害者の方であり、介助は決して「してあげる」ものでも「させていただく」ものでもなく、あくまでも介助する側とされる側が、対等の立場で行われるべきものだと理解することが重要です。つまり、障害者には自分でできない部分を補ってもらう、という点にメリットがある一方で、介助者にとっては、他人の役に立てているという満足感を得たり、あるいは障害を持ちながらも力強く積極的に生きている人々との触れ合いを通じて、時には自分自身励まされたり、元気を分けてもらったりするといった、別の形でのメリットがあるという、お互い持ちつ持たれつの関係が望ましい介助の形です。そして欲を言えば、それをさらにもう一歩進めて、「一緒に楽しむ」という感覚まで高めることができれば、それはまさに理想の関係と言えるでしょう。
結局、これまで障害者は、社会的には、否定、排除、そして単に保護されるべき存在としてのみ認知されていた訳ですが、これからは、たとえどのような障害を持った人でも、この世に生を受けた一人の人間として、当たり前に生きて行ける社会を実現することこそが、我々が目指すべきゴールであり、それを実現するためには、さらに一層多くの障害者が社会参加を果たし、自分達の存在を声高に主張していくことが必要です。そして障害者にとって住みよい、優しい社会を実現することは、引いては人種、国籍、宗教、生まれなどのいかんを問わず、誰もが差別されず、当たり前に生きていくことのできる究極の社会の実現へと結びついていくはずです。そして「ボランティア」の役割とは、より多くの障害者が社会参加を実現するために必要なサポート、つまりは介助を行い、障害者と共に二人三脚で社会を変えていく存在であって欲しいと願っています。
と、非常に長くなりましたが、以上がボラ部勉強会最終回の報告です。
ボランティア部勉強会2000『ボランティアってなんやねん?』報告
25名以上のボランティアさん、車椅子の会員を含めると30数名というボラ部の勉強会としてはまずは盛況といえる人数の参加のもと、7月23日(日)に大阪の西区民センターに於いて表題のボラ部勉強会を行いました。
今回は初の試みとして、午前2時間、午後3時間の2部に分け、どちらかのみの参加もOKという形で行いました。午前の部では南海福祉専門学校専任講師の新崎国広さんをお招きし、『ボランティアってなに?ハンディキャップってなに?〜そよ風のように街に出られる社会を共に目指して〜』というタイトルで講演していただきました。荒崎さんはご自身、障害児施設で10年以上勤められたご経験をもとに、ご自分の実体験のエピソードを交えながら、参加者を飽きさせないように随所に巧みにゲームやユーモアも取り入れて、ボランティアの心得やハンディキャップについて、そして障害者と介助者の望ましい関係などについて、非常に熱く、そして分かりやすく説明して下さいました。私自身は、ボランティア(VOLUNTEER)の語源が火山を表す"VOL"であり、つまりボランティアとはもともと自分の心の火山の噴火により、内なる熱い衝動に突き動かされて行動する人である、というお話が特に印象的でした。また、誰でも最初は初心者であり、失敗するのは当たり前。自分もある本で「経験」と書いて「しっぱい」と読む、という文章を発見して目からうろこが落ちた。だからボランティアをする場合も、失敗を恐れて最初から尻込みをするのではなく、あくまでも失敗から学ぼうとする姿勢こそが大切なんです、というお話もボランティアをする場合に限らず、人生のあらゆる場面で役に立つアドバイスだと思いました。終了後のアンケートでも、とても分かりやすくてためになったとみなさんに好評でした。
また、各自で勝手に近くのスーパーでお弁当などを買ってきてもらって、自由に楽しく交流しながら昼食をとってもらった後の午後の部(『頚損の達人講座』)では、これまでにも何度も行ってきたように、頚損という障害について説明しながら、今回は、特に実際に行事に参加してもらった際に要望のありうる介助項目に絞った実演を行い(具体的には、車椅子間の乗せ換え、プッシュアップの補助、起立性および低血糖貧血発生時の対応法など。排尿介助はイラスト入りの資料を配布)、最後にペアを組んで外へ出て、車椅子介助の基本となる段差の上げ下ろしと溝越えを参加したボランティア全員に交代でみっちりと練習してもらいました。
最初に書いたように、今回は、午前、午後いずれかのみの参加もOKという形で行いましたが、数名を除いてほとんどの方が両方とも参加されたため、車椅子の体験実習を終えて西区民センターに戻ってきたときには、みなさん長時間の講習でお疲れの様子でしたので、その後予定していたディスカッションを中止して、すぐに交流会、という形に変更しました。ですが、みなさん色々と話に花を咲かせて、とても楽しそうに歓談されていたので、結果オーライだったかなと思っています。こういうボランティア同士、そして、実際に私たち障害者と触れ合っていただく「交流」も特に初参加でボランティア未体験の方にとっては、きっと単に講義を聞く以上に良い勉強になるはずだし、やっぱり大切だなと再認識しました。
今回は時間の都合もあって、一番メインの介助項目についてしか説明できず、特に排尿介助などについても非常に大雑把にしか説明できませんでしたので、もしできることなら、是非もう一度くらいはボラ部としての勉強会を行い、より突っ込んだ介助について説明する機会を持てれば、と考えています。その時は、是非より大勢の皆さんが参加して下さることを期待しています。
ボランティア大募集!ページをご覧ください。
活動日誌、活動予定ページをご覧ください。