頸損だより事務局通信 No.28


活動予定

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ニュースあれこれ

02/01 10:53 毎: <障害者支援費>4月スタートの制度 浅野・宮城県知事に聞く

毎日新聞ニュース速報


4月にスタートする障害者の支援費制度について、厚生労働省が立て続けに方針転換 をしたことに、障害者だけでなく地方からも批判が上がっている。旧厚生省障害福祉課 長を務め、「障害福祉の仕事はライフワーク」と語る宮城県の浅野史郎知事に話を聞いた。

――厚労省の突然の方針転換に、障害者団体が抗議活動し、同省も玄関を閉鎖するな ど騒ぎになりました。

知事 厚労省の障害福祉の仕事は、「私は100%障害者の味方だ」と言っても、誰 にも批判されないし、自分でも疑問に思わない。金融庁の銀行担当者が「私は100% 銀行の味方だ」なんて言えない。私も旧厚生省時代、障害者の要望をできる限り実現す るのが仕事と思ってやってきた。「敵」は予算を握る旧大蔵省とか、障害者に対する社 会の無理解、偏見ですよ。ところが、厚労省の担当者が障害者と対峙(たいじ)してし まっている。障害者の声を聞くのではなく、教え諭すつもりで仕事をしているとすれば 、大変不幸なことです。

――厚労省が猛反発を受けたひとつは身体・知的障害者の相談を受けたり、支援する 2事業への補助金を来年度から打ち切り、一般財源化(地方交付税措置)することを突 然決めたことです。

知事 2事業のうち、市町村が実施主体の「市町村障害者生活支援事業」は国が2分 の1、県と市町村が各4分の1の負担でやってきた。宮城県でも2市が取り組んでいま すが、国は来年度から補助金を打ち切り、その分を市町村へ広く薄く交付税に加算する という。事業費が1000万円なら、市の負担は250万円から4倍の1000万円に なるのに、交付税の加算はわずか。これでは一般財源化というのは言い訳に過ぎない。 単に補助金を切っただけです。

――もう1点は、ホームヘルプサービスの利用時間数の「上限」を一律に設けて補助 金を配分する方針を決めたことです。全国に公平に交付するという理由ですが、上限を 超えるサービスを提供している自治体からも猛反発を受けました。

知事 これはどういう施策をやるべきかという行政官の想像力の問題じゃないでしょ うか。支援費制度のスタート目前に、想像力や実行力に欠ける行政官がいたため、全国 の障害者が被害を受けることなど、あってはならない。一連の問題を見ていると「もう 国は障害福祉の仕事から手を引け」と言いたい。財源をすべて地域に移したうえで、地 域に全部任せるべきです。

【ことば】一般財源化(交付税措置)

国が使途を決めて自治体に交付する補助金を廃止し、その代わりに使途が限定されな い地方交付税を交付する措置。「ヒモつき」と批判される補助金の廃止は望ましいとさ れるが、それに代わる財源が十分保障されなければ、地方への負担転嫁でしかないとも 批判されている。


02/01 23:53 毎: <社説>介護と医療行為 患者、家族の立場で見直しを

毎日新聞ニュース速報


介護と「医療行為」とをどう線引きするのか。

その論議がようやく3日、厚生労働省で発足する「看護師等によるALS(筋委縮性 側索硬化症)患者の在宅療養支援に関する分科会」で始まる。

あまりに法律と現実との落差が大きい。苦しむ患者、家族の窮状を救うために、でき るだけ早くその落差を埋める必要がある。

「ホームヘルパーなど介護者にも痰(たん)の吸引行為を認めて」と「日本ALS協 会」が昨年末、坂口力厚労相に要望したのが今回のきっかけだが、同じような悩み、要 望は全国の寝たきり高齢者や重度の障害者、家族にも共通する。

ALSは、随意筋だけが侵される進行性の神経・筋疾患で、やがて全身が麻痺(まひ )し、話したり、飲食ができなくなり、呼吸さえ困難になる。原因も不明で、治療法も 確立していない。

国内の約6000人の患者のうち、2000人が在宅療養している。大半が人工呼吸 器に頼り、痰が詰まって呼吸できなくなる危険に絶えず直面する。

痰の吸引は24時間必要だが、実際には専門知識を持つ医師や看護師が常時ケアする のは難しい。

医療保険による訪問看護の回数も限られる。介護保険で訪問介護は相当認められてい るが、ヘルパーは「緊急時」以外、吸引などの「医療行為」はできない。

介護する現場での「医療行為」の範囲は広い。つめ切りや外用薬の塗布、浣腸(かん ちょう)、点眼、服薬管理、体温測定まで含まれるが、こうした行為も禁じられている 。医師法17条で「医師でなければ医業をなしてはならない」という規定による。

医師や看護師がいない場合、家族が人工呼吸器を扱い、痰の吸引をしている。家族は 「業としないから、やってもいい」というのだが、それでは家族の負担は重くなる一方 だ。 家族でやっていいことが、なぜヘルパーに認められないのか。

これまでの法解釈だけでは、この現実を打開できない。

介護保険は家族に負担をしわ寄せしない「介護の社会化」を目指す。ヘルパーは家事 援助だけでなく身体介護や見守り、心理的なケアなど日常生活ができるよう支援する。 家族に頼まれ、違法な「医療行為」をするヘルパーも少なくないという。

確かにヘルパーといっても均質ではない。痰の吸引の場合は、感染症の恐れもある。

研修で正確な医療知識や技術を身につける必要はもちろんある。

介護も医療もこれから一層在宅への流れが強まり、看護師やヘルパーの役割、重要性 はますます高まる。ヘルパーも専門知識がさらに要求される。3級ではなく、2級以上 のヘルパーを目指す人も増えている。

医師の指示の下で特定の医療的行為をできるヘルパーを養成することや、新たな資格 を与えることも含め、突破口はあるはずだ。

「医療行為」の解釈を安易に広げてはなるまいが、現実に沿って見直す時代が来たの ではないか。


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注 写真は省略しました。

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