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10月31日午後1時30分。ついに自立支援法が国会にて可決・成立させられてしまいました。私達の昨年から続く、この間の闘いの声は受け止められぬままに。しかし、私達の行動はいろんな成果をもたらしました。障害種別を越える連帯、地域を越えるつながり、そして決して諦めないこと。マスコミを通じ、少しはこの問題も世の中に伝えられるようにもなりました。この後は、国に対し政省令や予算での交渉、各自治体に対する闘いが重要かつまだまだ続いていきます。これからがさらに正念場とも言えます。【鳥屋】
障害者自立支援法案が28日にも可決、成立する見通しです。国は「障害者の自立に資する法律だ」と説明しますが、ホームヘルプなど利用したサービス量に応じて、障害者に原則、1割の負担を求める内容。障害者にとって、この負担は重いと反発の声があがっています。成立すれば、来年4月から段階的に施行されます。【十河朋子】
「自立支援法では自立でけへん」
「費用を過重に負担させるな」
大阪市で18日、障害者や支援者ら約3千人が法案の慎重審議を求めてパレードした。呼びかけたのは大阪府内の障害者・家族らでつくる13団体。呼びかけ人代表の楠敏雄さんは「法案が強行突破されても、あきらめず自立のための闘いを続けていこう」と訴えた。
法案の最大の争点は、負担増の問題。現在は所得に応じた負担で、低所得の人ほど負担も小さいが、法案が通ると、所得にかかわらずサービス量に応じて1割を負担することになる。
県立広島大の横須賀俊司・助教授(障害者福祉)は「この法案は、食事や排泄という人として基本的なことをするのに、その都度1割負担をさせる内容。国は健康で文化的な生活を保障する責任がるのに責任を放棄しているようなものだ」と話す。
法案では、低所得者に配慮した負担上限や減免の措置もあるが、生計をともにする家族がいる場合、原則として世帯の所得が基準になる。これについて横須賀助教授は「家族の所得が一定額以上なら、障害者本人は減免を受けられない。制度を再考すべきだ」と批判する。
障害者の多くは少ない収入で暮らしている。
NPO大阪障害者センターが昨年、全国の障害者を対象に実施した調査によると、年金など公的収入を得ている3659人の中で、月5万円以上10万円未満が最も多く58.6%、5万円未満も34.5%いた。作業所や授産施設などで働く1846人の76.6%は、就労による年間収入が10万円未満だった。
同センターの塩見洋介事務局長は「障害者にとって負担増は生活に直接響く。サービス利用を控える人も出てくるだろう」とみる。
在宅の障害者向けホームヘルプサービスの利用者数(人口10万人当たり)は、都道府県によって最大6.3倍の格差があり、大阪府が最多――。厚生労働省は5日、サービス利用量と金額(04年10月分)の実態把握調査を公表した。
厚労省は法案によって、地域間格差を改善したい考えだ。
これに対し、「障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議」の古田朋也事務局長は「(国は)大阪の障害者がぜいたくをしているかのように言う。納得できない」と反発。「この法案提出の背景には財政難がある。大阪府のサービス水準を下げ、財政負担を抑制させていのではないか。水準を下げないで欲しい」。
厚労省の同じ調査によると、大阪府はホームヘルプなどの居宅系サービスの利用者数は多いが、入所施設の利用者数(人口10万人当たり)は全国平均の111人を下回る66人で、全国で44番目だ。
古田さんは「大阪は居宅系サービスを増やしてきたために、施設に入らず地域で自立生活をしている障害者が多い。遅れている地域を大阪並みに引き上げるべきだ」と訴える。
法案が成立すると、「障害程度区分判定」が導入される。障害がどの程度なのか、障害者一人一人について、市町村の審査会が審査・判定をし、それぞれに応じたサービスや内容を決める仕組みだ。1割負担の前提となる。
厚労省は今年度、全国60市町村の障害者1790人を対象に、この仕組みの試行をし、実際に程度を判定した。まず、介護保険の要介護認定と同じ79項目の聞き取り調査をし、コンピューターで1次判定。続いて、医師や福祉関係者らでつくる審査会が「パニックや不安定な行動があるか」など27項目で2次判定をした。2次判定には医師の意見なども考慮された。
その結果、1次と2次の判定結果が食い違う人が5割に上った。また、精神障害者の障害程度が、他の障害より低めに判定されることもわかった。
大阪精神障害者連絡会の塚本正治事務局長は「精神障害者は、例えば、入浴できるかと聞かれ、難しいことがあっても、できると答えてしまう。低めの判定をされ、受けたいサービスが受けられない人が出るのではないか。実情を反映しない制度だ。そもそも身体、知的、精神の3障害を同じ物差しで測ろうとするのがおかしい」と指摘する。
厚労省は、具体的な判定基準は、法案が成立した後の年内に決める方針という。
03年にスタートした現行の支援費制度は、障害者自らがサービスを自由に選んで使えるため、サービスの利用量が急増した。その結果、財政難に陥ったことなどから障害者自立支援法案が浮上した。国は、この法により、障害者の自己負担を従来の所得に応じた制度から原則1割に変更。身体、知的、精神3障害へのサービスを一体化して充実させる▽地域間のばらつきを改善する――などを狙いとして挙げている。
9/24(土)星ヶ丘厚生年金病院にて「受傷後の経験談あれこれ・パート4」をテーマにしたミニ・フォーラムを開きました。現在、頸髄の受傷後間もなく、まだ入院中の頸損者や家族の方を対象に、頸損連のメンバーが自身の受傷後からこれまでの経験談を話そうというもの。今回、病棟から十数名が参加してくださいました。まず私から、頸損連の活動などについてプロジェクターを使いながら説明。引き続き、今回メインの語り手宮野秀樹さんから受傷後の多くの経験談や、その時折の思いを語ってもらいました。
宮野さんは交通事故による受傷後、入院中に阪神大震災に遭遇し、早期の退院をよぎなくされ、在宅に戻ってからは、完全な四肢マヒのためアゴで電動車椅子を操作する状態でありながら、仲間同士で自主映画の制作やコミュニティラジオ放送のDJ活動などにも精力を注ぎました。在宅介護の中心であったお袋さんが体を壊し「このままの生活ではいけない」との思いはつのり、支援費の介助派遣事業所を自分たちで立ち上げるとともに自立生活を始めました。兵庫の田舎で支援費の地域格差もあり、自立生活が相当難しいなか「どんなに田舎であって、障害者には暮らしにくい環境であっても、自分の好きな地域、好きな場所であたり前に暮らしていきたい」とその思いを強く語りかけました。
フォーラム後半、事務局の延澤さんが受傷後の大学復学の体験や、企業への就労経験を語り、頸損になっても出来ることは沢山あるので、退院後は何でも諦めてしまわないで、少々図太くなってどんどん外へ出かけていって欲しい、と訴えかけました。
この日は、京都頸損連の小森さんや、愛知頸損連の鬼頭さん、三好さん達もフォーラムの様子を覗きに来られ、熱いメッセージを一言ずつ残してくれました。そしてこの日はもう一組、関西TVの取材クルーの皆さんの参加がありました。宮野さんの密着取材です。この様子は、11/24(木)夜12時30分〜「ザ・ドキュメント 声を上げても届かない〜障害者自立支援法成立」で放映されますのでぜひご覧下さい。
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