2005年度活動日誌、活動予定ページをご覧ください。
新年あけましておめでとうございます。
みなさんにとって2005年はどんな一年だったでしょうか? 僕は障害者自立支援法に振り回される一方で、シーティングによって褥瘡の心配が解消されたことが大きく、さまざまな活動ができて充実した一年でした。今年は4月から応益負担が導入されますし、10月には本格的に障害者自立支援法が施行されることで、僕たちの生活基盤が崩れてしまうかもしれません。そんな危機感を抱えながらの生活は不安だらけで、とくに自立生活をしている障害者に及ぼす影響は計り知れません。これから政省令と予算をめぐる闘いが始まることになりますが、自立できない自立支援法を少しでも改善するためには、これまで以上にもっと大きく声を挙げていくしかないので、大阪頸髄損傷者連絡会としても「大阪のつどい」などで厚生労働省、都道府県、市町村に対して要望を続けていきます。そのためにみなさんも一緒に闘っていきましょう。もちろん、闘うばかりではなく、勉強会とかレクリエーション等の行事も行っていきますので、戌年だけに今年一年がみなさんにとって楽しいことがワンさかあって心臓がドックドク、とてもワンダフルで充実した一年になりますように…。
本年もどうぞよろしくお願いします。
昨日(1/20)、大阪地裁に提訴した学生無年金障害者10名に「全面敗訴の判決」が言い渡されました。皆様の温かいご支援に応えられなく、力不足で申し訳ありません。近日中に大阪高裁へ控訴する予定ですので、これからもご支援ご協力のほど宜しくお願い致します。(谷川)
声 明
本日、大阪地方裁判所第2民事部(西川知一郎裁判長)は、1989年(平成元年)の国民年金法改正によって20歳以上の学生が強制加入とされる以前に重度の障害を負って無年金障害者となった元学生の原告ら10名が、障害基礎年金の不支給決定処分の取消と損害賠償を請求していた事件について、原告の請求を全面的に棄却するきわめて不当な判決を下しました。
旧国民年金法は、制度発足の1959年(昭和34年)から1991年(平成3年)に改正法が施行されるまで、20歳以上の学生を30年以上にわたって強制適用の対象から除外し、その結果約99%の学生が障害年金の対象者から洩らされてきました。学生の間にケガや病気で重度の障害を受けた原告らは障害基礎年金を一切支給されていないにもかかわらず、判決では、国会の立法裁量を逸脱するものではなく、憲法違反とは評価できないとして、原告らの請求を全面的に斥けたものです。
わが国の障害者の多くは、いまだに、就労して収入を得て自分の生活を支えるという実情にありません。障害者が人間らしく生活するのに障害基礎年金は不可欠です。制度の改善をしないことには無年金障害者が発生することは、制度発足の当初から予見されていました。昨年、不十分ながらも救済立法が制定されてはいますが、根本的な国民年金法の不備について、国は、30年以上にわたって放置し続けているのです。裁判所は、原告らの証言によって無年金障害者の困難を十分に知りながら、その救済を拒否し、国の無為無策を追認したものであり、断じて許すことはできません。
原告らは直ちに控訴するとともに、無年金障害者問題の解決に向けて引き続き国に対して必要な立法措置を講ずるように求めていく決意です。
2006年(平成18年)1月20日 学生無年金障害者大阪訴訟原告団 同 弁護団 学生無年金障害者に障害年金の支給を実現する会 |
谷川さんが報告されているように、頸損連会員の谷川さん、猿木さんたちが原告となっている、学生無年金障害者訴訟の大阪地裁での判決が今日、言い渡されました。「請求をいずれも棄却」、全面敗訴という厳しいものでした。ひどい判決だったことを記録にとどめておきたく、傍聴支援した立場から、様子を報告したいと思います。
淀屋橋の大阪地裁の大法廷202号室で、11時開廷。傍聴席は満員で、法廷に入れなかった人も多数、外で待機しました。入廷した西川知一郎裁判長は、青ざめた顔つきで「判決言い渡しを行います」と、「主文。一、原告らの請求をいずれも棄却する。二、訴訟費用は原告らの負担とする」と早口で読み上げ、判決理由については、「これを簡潔な形で意を尽くして申し述べることは、…困難ですので申し述べることは差し控えさせていただきます。以上で判決言い渡しを終わります。閉廷いたします」と一気に言い切って、逃げるように法廷を出て行きました。
原告のみなさんの顔を見ることもなく、その間、30秒。判決理由の説明さえしない不誠実な態度。2001年7月に提訴してから4年半。昨年3月に結審してから11カ月。待ちに待った悲願の判決を、わずか30秒でケリをつけられました。あまりのあっけなさに、法廷内はしばし呆然、次の瞬間、「えーっ!」「どういうこと!」と怒りの声がこだましました。
以上が今日の様子ですが、判決内容について詳しくは新聞やテレビで報道が始まっていますので、みなさん、ぜひご覧になってください。
原告の方の落胆と悔しさは、とても、はかりしれません。が、その中で、新たな闘いへ控訴を決意されました。重度の障害を負いながら、最低の所得保障である年金を受け取れないというのは、どう考えても矛盾。絶対に許せない不公正。 谷川さん、これからも応援していきます!
(以下、新聞記事)
「立法の裁量範囲内」 学生無年金訴訟で原告の請求棄却
2006年1月20日 朝日新聞夕刊
国民年金への未加入を理由に障害基礎年金を受け取れないのは法の下の平等や生存権を定めた憲法に違反するとして、学生時代に重い障害を負った関西在住の10人が社会保険庁長官と国を相手取り、不支給処分の取り消しと1人2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。西川知一郎裁判長は「立法府の裁量の範囲内で、合理的理由のない不当な差別的取り扱いとはいえない」として、原告の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
訴えていたのは、41〜65歳の男女10人。
判決によると、10人はいずれも20歳以上の学生が強制加入となった91年以前に交通事故やスポーツの試合中などに重度の障害を負った。10人は任意加入の時代に未加入だったため、国民年金の一つである障害基礎年金を現在まで受け取れない状態が続いている。
判決は、学生のように一般的に保険料の支払い能力を欠くと考えられる者について、どのような措置を講ずるかは立法府の政策的判断にゆだねられている、と指摘。「社会保障立法の存在も考慮すれば、学生の国民年金制度への加入を任意としたことは立法政策として著しく合理性を欠くとはいえない」と判断した。
無年金の主婦や学生を救済するために05年4月に施行された「特定障害者給付金支給法」に基づく給付金が障害基礎年金よりも低い点については、「合理性を欠くとはいえない」とした。
学生を任意加入とした59年の国民年金創設から91年の改正法施行までの間、国が年金制度についての十分な説明を怠ったとする原告側の主張に対しては、「ある程度の広報活動はおこなわれていた」として退けた。
原告側弁護団は判決後の記者会見で、「血も涙もない形式的で無情な判決。原告の生活の実情、制度の不備を訴えた我々の思いを一顧だにしなかった」と語った。
介護に疲れた母親から「一緒に死のう」と言われた元看護学生、大学卒業目前に車にはねられ教員の道をあきらめた元大学生……。提訴から4年半。原告10人は重い障害を抱えて経済的、精神的に苦しみながら司法の場で救済を求めてきた。
大阪府豊中市の井上郁子さん(41)は、全面敗訴が言い渡された法廷を出てきて茫然(ぼうぜん)とした表情を見せた。「ショックでした。期待していたのに……」 井上さんは看護学校在学中の86年6月、山道をドライブ中に運転していた車が川に転落し、首の骨を折って頸髄(けいずい)を損傷。手足が不自由になり、身体障害者1級の認定を受けた。
「一緒に死のうか」
ある日、介護のために仕事をやめた母がベッドで寝ていた井上さんにささやきかけた。母から首に手をかけられたこともあった。自宅で生活することに限界を感じた。 92年、豊中市営福祉住宅で一人暮らしを始めた。当初は家族の、その後はヘルパーの介護を支えに、生活保護を受けている。
特定障害者給付金支給法が施行され、月に5万円が受けられるようになったが、障害基礎年金に比べて約3万円少なく、経済面の不安がいつも頭から離れない。 「障害が重いほど出費がかさむのに、本人は働けず、家族も介護に追われて経済的、精神的に追い込まれる。年金がない障害者にも年金を支給できるよう国は救済してほしい」
◇
無年金障害者訴訟 01年7月、重度の障害者約30人が全国9地裁で一斉提訴。主婦や学生を救済する「特定障害者給付金支給法」が施行される以前の04年3月〜05年3月、東京、新潟、広島3地裁が、85年の法改正時に学生を被保険者とせずに放置したのは違憲とする判決を出した。いずれも国側が控訴し、東京、新潟両訴訟では控訴審で原告逆転敗訴の判決が言い渡された。
昨年12月、NPO法人あるるの事務所移転に伴って私たちの大阪頸損連事務所も同じところへ移転しました。今度の新事務所はとても広いです。そこでは自立生活センターあるるや介助派遣事業のヘルプセンターあるるも一緒になっているため、随分賑やかで前にも増して活気があります。頸損連の月一回の役員会もそこで開催してますが、人数が何人増えてもスペースに余裕があります。皆さん、是非新しい事務所をのぞきに来てください。今年も新たな年を迎え、熱気ある活動を開始しましょう!
大阪府大阪市都島区中野町3-4-21
ベルエキップ・オグラン1階 自立生活センターあるる内
「受傷後の経験談あれこれ Part5」
〜受傷後の入院生活を経て
いまそれぞれの生活を楽しむ
これまでの経験を振り返る〜
★お話★
三戸呂 克美(みとろ かつみ)氏
ほかを予定
お問い合わせ:大阪頸損連絡会 okeison@yahoo.co.jp
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