2001全国頸髄損傷車連絡会全国総会「京都大会」フォーラム

人工呼吸器使用者の自立

〜人工呼吸器使用者が完全参加出来る社会に〜


5月26日(土)、ぱるるプラザ京都6階会議室において、全国頸髄損傷者連絡会全国総会京都大会のフォーラム「人工呼吸器使用者の自立」が行われました。カナダからお招きしたウォルト・ローレンス氏の人工呼吸器使用者の自立生活における先進的な取り組みについてのお話は大変興味深いものでした。また、内外からの多くのご参加のほか、行政関係の方々のご来賓や、マスコミ関係者の取材もあり、広く社会に人工呼吸器使用者の生活向上をアピールするよい機会になったことと思います。詳しくは頸損だより2001夏(No.78)「ウォルト・ローレンス氏来日記念!!その素顔に迫る!」をご覧ください。

講演中のウォルト・ローレンスさん
講演中のウォルト・ローレンスさん

フォーラムの趣旨

私たち頸髄損傷者(以下、頚損者)は、突然の交通事故やスポーツ事故、労災事故などによって頸髄を損傷したため、身体に著しい障害を負っています。わずか30年前には余命数カ月といわれましたが、医療技術の進歩により、障害を持たない人と変わらぬ寿命となりました。この間に不完全ではあるが、従来と比べるとリハビリテーションのできる機関・福祉制度は充実してきており、多くの頚損者が自立し社会参加の機会が得られるなどの改善は見られます。しかし、頚損者の中でも(頚損者に限らず)、人口呼吸器を使用する人に対しては、受け入れる医療機関すら少なく生活環境は変わっていないのが現状です。欧米では人口呼吸器を使用する人でも、障害を持たない人と同様に自立生活を営み、職場・学校等へ通い自己現実を図っています。人口呼吸器を使用する会員から「受け入れてくれる医療機関がない、どこでもいいから入れてくれる病院はないだろうか、私たち(家族を含め)はこれからどうすればいいのだろうか」という相談を持ち掛けられた時、私たちは欧米との格差・立ち後れを感じざるを得ないのです。


このフォーラムでは、カナダのバンクーバーからウォルト・ローレンス氏を招いて、基調講演を行って頂きます。彼は人工呼吸器使用者であるとともに、ピアカウンセラーでもあります。また、「人工呼吸器使用者の自立」と題してのシンポジウムを開催します。会員をはじめとする頚損者はもちろんのこと、その他の障害者や行政・政治・医療・リハビリテーション関係者、さらにはボランティアや一般市民等様々な方の参加を募り、この問題をともに考えていきたいのです。そして、「人工呼吸器使用者が安心して入院できる病院の確立」「人工呼吸器使用者が独立できる社会資源の確立」を実現したいと考えています。また、このフォーラムは、重度障害者の福祉の向上、ボランティア育成に向けての啓蒙・啓発をも大きな目的の一つと考えています。

京都頸髄損傷者連絡会

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