無年金障害者問題については、現在、裁判による解決と議員立法による解決の両面で運動をしています。裁判のほうは全国9地方裁判所(札幌・盛岡・新潟・東京・京都・大阪・岡山・広島・福岡)で行なわれています。
無年金障害者救済の議員立法「特別障害者給付金」については、与党案と民主党案が6月の国会で提出され、今秋の臨時国会で協議される予定です。
与党案(年金制度改革協議会:大野功統座長)は、支給額、法定免除、施設入所者等の方への支給制限など懸念すべき項があり、また、対象が学生、専業主婦だけに限定され、在日外国人、在外邦人、未納未加入者の全無年金障害者の救済がいつなされるのか未定の不十分な案です。
民主党案でも、完全とは言えませんが、与党案よりもはるかに良い方向性が示されており、超党派の「無年金障害者を考える議員連盟」の案にも近いものです。(提出案の比較表をご参照ください。)
今後の国会情勢から目が離せない状況であり、ますます国会要請運動が重要になっています。これからも、FAX、ハガキ、厚生労働省前でのリレートーク運動などを通して、無年金障害者の早期救済を訴えていきたいと思っており、皆さまにはご支援ご協力のほど宜しくお願い致します。
午前は、原告本人の証拠調べに先立って、N弁護士より口頭で、国会議員の未納未加入問題に関連して、年金制度の欠陥を指摘した弁論をなされました。
続いて、2名(猿木唯資さん、谷川 信之)の原告本人尋問が行なわれ、猿木さんの尋問では、事故当時の様子のビデオを法廷のスクリーンに映写して、映像を見ながら尋問をしました。谷川の尋問でも、生活の様子を撮した写真を法廷のスクリーンに映写して、尋問が行われました。裁判官の視覚に訴え、分かりやすかったのではと思います。
午後は、4名(糀康宏さん、堀江健二さんとお母さん、八木治義さん)の原告本人尋問が行なわれました。
原告それぞれがご自分の言葉で無年金の不合理さを訴えられて、その思いがよく伝わってきました。
この日は、午前・午後で5名の原告と家族1名の尋問ということで長時間にわたり、傍聴席も大変だったと思います。また、原告1名が体調を崩し裁判が中断し、法廷内の皆様にご心配ご迷惑をおかけし本人が心より詫びていることを付け加えておきます。
※裁判の数日前に記者レクチャーをしていた関係で、マスコミの取材があり、朝の裁判所への入場シーンのテレビ撮影と原告取材が朝日放送と関西テレビの夕方のニュースで放映されました。
午前は、原告本多美知子さんとお母さんの尋問が実施され、主に社会的治癒についての尋問が行なわれ、被告の反対尋問も社会的治癒に関する点について割と時間をかけて反対尋問が行われました。
午後は、原告辻一さんと原告原静子さんの尋問が実施され、辻さんは脊損連合会、原さんは無年金障害者の会として国に対して様々な働きかけを行ってきた歴史について尋問が行われました。お二人の証言により、国がこれまで無年金問題について、その問題点を認識していながら、まったく何らの対応策もとってこなかったことが浮き彫りになったと思います。
※9月24日に進行協議期日が指定され、当方からは龍谷大学の田中明彦助教授について証人尋問を求めていますが、被告は「尋問は不必要」と述べています。田中先生の証人採否を含めて、協議することとなります。
「年金がない・知ってほしい無年金障害者のこと」
編集:学生無年金障害者訴訟全国連絡会
重度の障害を負いながら障害基礎年金を受給することができない障害者の人達がいます。どうしてこういうことが起きたのか!?
当事者の体験談とともに年金について、無年金について判りやすく解説してあります。
ボランティアおよび皆様のお知り会いの方で、20才以上の学生等の方は、国民年金を納付されている、または猶予・免除手続きを取られているかどうかを確かめて下さい。
(老齢年金の不支給、無年金者になる可能性がありますので、ご注意を!)
谷川 信之 TEL/FAX:06-6462-3874 danbo525@ybb.ne.jp
学生無年金障害者の年金支給を実現する関西の会