ブレス・トゥ・ヴォイス -Breath to Voice- - 「息」から「声」へ - 連載 第24回 頸損だより2017夏(No.142) 2017年6月11日発送

ブレス・トゥ・ヴォイス -Breath to Voice-
- 「息」から「声」へ - 連載 第24回

ブレス・トゥ・ボイス 2007年6月9日明石において“人工呼吸器使用者の自立生活を実現するために“という市民公開講座を兵庫頸損連絡会で開催した。市民公開講座の終了後、その実行委員会が立ち上げていたメーリングリストの愛称が、”ブレス・トゥ・ヴォイス“となった。人工呼吸器使用者や高位頸髓損傷者など最重度の四肢麻痺者の自立生活を考え話し合い、情報を提供し実現していくためのメーリングリスト。ブレス・トゥ・ヴォイス(Breath to Voice)とは、息をするのもままならなかった人達が、声を上げ、大きな運動のうねりをつくっていきたいという願いから名づけられた。この市民公開講座に参加した人工呼吸器を使用する仲間は、その後何をめざし、どんな行動を取っていってるのか。その後の動きを伝えていきます。

●頸損連絡会の人工呼吸器を使用するメンバー有志で、共通する課題や呼吸器当事者に有効な情報を自分たちで共有していこうと、情報交換&交流会を2009年から始め、これまで定期的に集まって近況報告や意見交換など行ってきました。今回、約1年ぶりとなる情報交換&交流会を開催した様子と近況報告、プライベート、私達が今後取り組むべき活動として、吉田憲司さん、柏岡翔太さん、米田が報告します。


~第28回人工呼吸器使用者情報交換&交流会~

「恒例の人工呼吸器利用者、春の集い」

大阪頸髄損傷者連絡会 吉田 憲司

 今回の集りでは仕事、介護、自立について思いの丈を話し合いました。

 どれ一つ足がかりすら掴めていない状況ですが自分の代に目処はつけたいものです。ハードルは限りなく高いです。

 この呼吸すらできない体で一体何ができるというのか。考えるだけで頭が痛い。ですが自分がここまで来られたのは、多くの人の助けと共に同じ障害を抱えた先達たちが活動を積み重ね、今日の福祉を築き上げてくれたおかげでもあります。その恩恵に預かって生きている身としてはいつまでもただ乗りはできないな。自分には何ができるのか?文殊の知恵もお借りしたいところです。
 

「プライベート旅行の体験と今後の目標」

大阪頸髄損傷者連絡会 柏岡 翔太

 受傷から11年目、去年から知り合いの行政書士のところで働いています。今後は法律に関わる資格を取得していきたいと思っています。
 プライベートでは福岡県へ旅行に行き、初めて家族の付き添い無しで、ヘルパーのみの旅行にチャレンジしました。一泊二日でしたが大きなトラブル無く過ごせ、あいにくの雨天であった為、屋台巡りは出来なかったですが、ラーメンミュージアムに行くことが出来ました。私が住む大東市に旅行のスケジュールを申請しましたが、介助者の2人対応ができないということで許可を貰えなかったことが残念です。
 今後の目標として食べることが好きなので、色んな所に行き沢山の料理を味わってみたいと思います。

「私達が今後やっていかなければいけないこと」

兵庫頸髄損傷者連絡会 米田 進一

 去る4月2日(日)に、約1年振りとなる人工呼吸器使用者情報交換&交流会が西宮市総合福祉センター会議室1で開催されました。1年の月日はあっという間で、この間交流会を開催出来なかったことを振り返りお詫び致します。頸損だよりは年4回発行されており、今後は最低1回でも必ず行いたいと皆が賛同されて頑張っていきたいと思います。

 さて、本題の情報交換では、近況報告からはじまり私(米田)から、昨年の帝国ホテルで食事交流会とお花見会以来、久々に集まれたいつものメンバー(吉田、柏岡、鳥屋、島本、米田)で、全国総会愛知大会に参加した報告、呼吸器の交換のため一時入院、BBQ大会開催報告、はがき通信懇親会in姫路開催報告、バリアフリー調査、忘年会開催報告をさせて頂きました。
 なんだかんだとせからしい1年だったと言い訳がましいことを理由に開催出来なかった理由としてしまいました。体調はなんとか大きく崩さずやってこられたことを評価しています。
 私達が現在置かれている立場というと、自立生活が出来ていないことから、この先どうやって自分の身を守っていくかということで、メーリングリストでは課題に挙がりますが、実際のところ対処法は見つかっておらず、24時間体制で無い以上、選択肢が限られてしまいます。
 呼吸器を付けていると吸引など大変なことと認識がなされ、各々が住む市町村の事業所は、すんなりと受け入れてくれるところはあまり無く、やっとの思いで介助者が確保出来たとしても、慣れた頃に辞められるケースが多く、安心した生活を今後送れるかといえばそうではありません。かと言って施設入所やレスパイト入院も視野に入れておかなければならないことは、私達が生きて行くための最終手段とも言えるのではないでしょうか。
 情報はメーリングリストや機関誌、今後の共有できそうなのは、Skypeを取り入れていくのも繋がりを続けていける手段だと感じます。

 最後に鳥屋さんから、現在障害者という枠組みの中で様々な問題が出てきていることは止められておらず、意識として今有る制度に自分達が当てはめて行くことは非常に難しい。今生きていること自体が紛れもなく実績であり、自分たちが必要としていること、困っていることの解決策として作っていくこと(施設や団体、制度等)も大切ではないか。という現状におかれた私達のことを具体的に挙げられました。そして声を絶やすことなく常に挙げていかなければならない。なかなか集まることが難しいからこそ、これまでの背景、経緯を感じて「いつかできる、解決するではなくみんなで作っていこう」とする事が重要ではないか。「呼吸器を付けている人がいるんだ」ということを、世の中の人に知ってもらい、もっと頸損連やCILを活用していくこと、「これから先に当事者に当たる人のためにも繋げていくことが大切だと考えていかなければならない」とまとめて下さりました。
 本当に私達の様な人工呼吸器使用者が存在するという意味で、社会参加をしつつ世間へアピールしながら声を挙げていかなければならない、もっと安心できる世の中にしなければいけない(自分たちが制度を変えていくためにも)と目標を持ち、今後の活動として取り組んでいく必要があると思います。

カテゴリー: 機関誌「頸損だより」記事 パーマリンク