急性期・総合医療センター ピアサポート報告 頸損だより2017冬(No.144) 2017年12月17日発送
急性期・総合医療センター ピアサポート報告
大阪頸髄損傷者連絡会 島本 義信
9月30日に大阪府立急性期・総合医療センターで「第4回 脊髄損傷の集い」がおこなわれました。昨年(2016年)9月からスタートした高位の脊損・頸損の患者さんへのセルフヘルプ活動で、1・5・9月と4ヶ月おきに病棟で開催しています。毎回10名近い参加があり、頸損連からは、入院中の体験や車いすで生活するための自宅の改修実例、日常生活の工夫などさまざまなテーマでミニ講演をし、後個々に質疑応答をしてきました。
今回参加された患者さんはC2.ADL全介助の40歳台の男性1名、C3・4.ADL全介助の50後半~60歳台の男性4名・60~70歳台の女性3名、C5・6.車いすレベルの50歳台の男性1名・80台男性1名・50台の女性1名、脊損の20歳台・50歳台の男性3名と家族の方々、OT・PTの方々でした。
頸損連は兵庫からも来てもらい4名で参加、兵庫の米田さんから体験談を語ってもらいました。当日は夜間に呼吸器使用している方もおられたので、米田さんの話は今後の一歩踏み出す時に思い出してもらえると感じました。
毎回会場の準備をしてくださっている、医療センターのスタッフの方の配慮で無事終えることができました。ありがとうございます。これを見ているあなた、あなたの体験も語ってみませんか?
大阪頸髄損傷者連絡会 中塔 昌宏
9月30日(土)に急性期・医療センターで実施された「ピアサポートの集い」に参加してきました。
当院でピアサポートが実施されるのは今回で4回目になり、僕自身は前回に引き続き2回目の参加となりました。参加メンバーは大阪から島本さん・中塔の2人、兵庫から土田さん・米田さんの総勢4名でした。
まずは島本さんの方から頸損連の概要説明・紹介があり、続いて米田さんから自身の体験をもとにした、「障害者であっても楽しく生きるために」という講演が、パワーポイントで写真を見てもらいながら行われました。
その後島本さん米田さん、土田さん・中塔の2グループに別れ、各グループでの個別対応に移りました。僕のグループには胸・腰損と思われる男性の方2名と頸損の女性1名の計当事者3名、あと家族の方2名が参加されました。
始めに土田さん・中塔の簡単な経歴を話させていただき、そのあと質疑応答に移りました。全員が受傷してまだ3ヶ月以内ということもあり、現状を受け入れることが精一杯の様子で、具体的な退院後の生活まで考えられない感じでした。ですので簡単な質疑応答のあと、受傷後も地域で生活し活動していることを伝え、ピアサポートの終了となりました。
終了後、まだ病室から出てこれない当事者の家族さんと話しをさせていただきました。受傷後の治療とリハビリ・当事者の障害受容と入院期間など、あわただしく退院を迫られる現状のなか、ピアサポートの果たす役割がますます大きくなっていると感じられました。
これからもピアサポートに参加し、入院中の当事者やその家族の標になれればと思いました。
兵庫頸髄損傷者連絡会 土田 浩敬
ピアサポート参加者は大阪急性期医療センターに入院されている頸損の方々で、10数名おられました。そしてピアサポーターは大阪頸損連から4名、兵庫頸損連から私を含めて2名でした。まずは大阪頸損連事務局長の島本さんから頸損連の紹介。そして兵庫頸損連から人工呼吸器使用者である、米田さんの「障害者であっても楽しく生きるために」と題した体験談。普段一緒に活動をする米田さんの話を、改めて聞くことが出来た貴重な時間でした。
その後は、二グループに分かれて個別対応です。何か困っていることはありますか?何処か行きたいところはないですか?と問いかけたところ、まず何が困っているのか分からないですよね。私も思い返すと、その当時はまだそこまで考えられなかったです。何処か行きたいところといってもイメージが湧きませんでした。制度ってなに?ですよね。とりあえず、まだ長時間車椅子に乗り慣れてないから、身体がしんどい、病院のごはんが美味しくない、いつ退院出来るのだろうか...。入院中といえば、そんな感じではないでしょうか。
恐らく参加された皆さんは、退院してからいろいろ経験を重ねていくことにより、障害当事者となっていくのでしょう。でもサポートすることにより、可能性を知ってもらうことが大事なことではないかと考えます。
私の場合は入院中に重度の障害があっても、地域で一人暮らしが出来ることを知ったので、今こうして親元を離れ地域で暮らしています。このように知ってもらうことの大切さを大事にしながら、これからもピアサポーターを続けて行きたいと思います。