無年金障害者の会(学生無年金障害者大阪訴訟元原告) 頸損だより2010秋(No.115) 2010年9月19日発送

頸損だより2010秋(No.115) 2010年9月19日発送

平成22年8月

無年金障害者の会(学生無年金障害者大阪訴訟元原告)

谷川信之

頚髄損傷者連絡会の皆様には、残暑お見舞申し上げます。
昨年3月に学生無年金障害者訴訟が、最高裁において大阪地裁原告に対する上告審棄却判決が下されることで終結をみることとなりました。
訴訟成果として、一審での3件の違憲判決を勝ち取り、そして「任意加入時代の学生」と「サラリーマンの妻」を対象に特別障害給付金が支給されるようになりましたが、内容的には支給額が障害基礎年金の6割程度にとどまり、支給対象も狭いなど不十分さがあり、支給額の増額・支給対象の拡大などの改善を国会請願などで求めていかなければなりません。
元原告は、長期裁判の疲れから体調を崩した方も居ておられますが、状況は無年金であることには変わりなく、厳しい日常生活を余儀無くされています。
また、3月20日に実施した「無年金110番」報告からは、派遣、アルバイトなどの就労形態もあり、「昨年の国民年金納付率」も6割を切っていることが公表され、もはや国民年金制度自体が国民の信用を失い、破綻しているといっても過言ではありません。このままでは無年金障害者は今後とも増え続けていくであろうことは推測されます。
無年金障害者を生み出さない年金制度の改革に向けて、闘いはこれからも続きます。今後とも相変わらずのご支援・ご協力を賜りますよう御願い申し上げます。

また、各政党は以下のような改革案も出しています。
㈲社会保険実務研究所発行の週刊「年金実務」に掲載
自民党合同会議の一部内容を抜粋しています。
「障害基礎年金の25%引き上げなど拡充策」公明党が説明
自民党の障害者特別委員会・厚生労働部会合同会議が5月20日、党本部で開かれ、公明党が検討している「障がい者の所得保障の充実のための国民年金法等の一部を改正する法律案」(議員立法)などについて意見を交わした。
公明党の高木美智代衆院議員と渡辺孝男参院議員が法案の概略を説明し、共同提案とするよう要請。検討中の法案には、障害基礎年金の額の25%引き上げや保険料納付済要件を現行の被保険者期間3分の2から2分の1に緩和、また、特別障害給付金も額の40%引き上げや在日外国人と未加入・未納者に対象を拡大、等が盛り込まれているが、会議では部会長等の執行部に対応を一任することで一致した。
部会の執行部は「障害者自立支援法の抜本的見直し(報告書)」(19年12月7日、当時の自民・公明による与党PT)で、障害基礎年金の引き上げなどについて検討すると明記した経緯を説明し、公明党法案の方向性には賛意を示したが、出席議員からは約4000億円とされる財源調達を始め、制度体系全体のバランス、外国人問題の整理、持続可能性などといった検討すべき課題も指摘された。原案では施行期日を平成23年4月からとしている。
来年度から、障害基礎年金等の受給権発生後の結婚、この出産等についても加算額の対象となります。(すでに法案成立公布済)

民主党メールマガジンDP-MAIL 第458号 2010年7月1日
編集・発行/民主党広報委員会
『新年金制度に関する検討会で7つの原則を決定』
新年金制度に関する検討会で7つの原則決定 仙谷官房長官が会見で、仙谷由人官房長官は6月29日、官邸での記者会見で、同日開催された新年金制度に関する検討会で、年金制度に関して(1)年金一元化(2)最低限の年金額の保障(3)負担と給付の明確化(4)安定財源の確保など持続可能な制度(5)年金記録の確実な管理と、本人がチェックできる体制(6)保険料の確実な徴収により無年金者をなくす(7)国民的な議論の下の制度設計の7つの原則を決定したことを明らかにしました。さらに、この7つの原則に基づき、超党派での議論、国民的な議論を行いたいとしました。

<関連記事>
新年金制度に関する検討会で7つの原則決定(2010/06/29)
http://www.dpj.or.jp/news/?num=18484

無年金障害者「年金110番」相談活動をとおして 2010.5.29
無年金障害者の会

1.目的
推計12万人といわれる無年金障害者の中には本来年金が受給できるのではないかと悩んでいる方が相当数おられると思われる。そこで、「年金110番」を定期的に開催し、相談を受けた問題の解決に努力すると同時に、現制度の矛盾を明らかにして「無年金障害者」をなくす運動を発展させることを目的とする。

2.第1回「年金110番」の実施
(1)2010年3月20日(日) 10:00~15:00の日程で、大阪市内「プロボノセンター」を借り、臨時電話2台を設置して弁護士± 4名・社会保険労務士± 2名。「無年金障害者の会」役員2名が交代で相談に応じた。相談件数が予想以上に多く、1件あたり10~ 15分程度で受けた後別の電話でかけ直して詳細を聞き取らざるを得ない状態になった。すべて相談受けつけカードに記入。
(2)事前の広報として、関係団体やマスコミ(主に大阪府庁・兵庫県庁の記者クラブ約30社に要請)。共同通信から全国発進され、A新聞。M新聞・S新聞・A政党紙などに掲載。当日TV 2社の取材。特に朝日TVが昼のニュースで報道したことにより相談件数急増。
※第2回「年金110番」の実施日:8月28日(土) 10:00~15:00
(3)相談者の状況
① 当日相談件数51件。【その後も「会」への相談3件】
② 大阪18件、兵庫13件、青森5件、京都4件、奈良。和歌山・香川2件、
滋賀。東京。千葉。埼玉。長野1件、不明2件。
③ 当事者の性別 男28名、女13名、不明12名。
④ 当事者の年齢
20代4名、30代6名、40代13名、50代9名、60代11名、
70代2名、不明8名
⑤ 当事者の障害種別
・身体障害(肢体、視力)22件
・精神障害 16件
・内部障害 8件
・知的障害 1件
・不明 5件
(4)相談内容(別紙「資料」参照)
① 障害年金受給者で、等級変更や遡及給付について(3件)
② 特別障害給付金受給者で年金への裁定替えなど(2件)
③ 現在未受給、20才前初診の可能性有り(5件)
④ 現在未受給、納付要件満たしている可能性有り(5件)
⑤ 現在未受給、特別障害給付金の可能性有り(1件)
⑥ 受給資格がないと考えられるもの(24件)
(ア)納付要件を満たしていない(14件)
(イ)納付要件が厳しく(事故直前会社倒産など)2~ 3ヶ月不足(3件)
(ウ)受診が遅れる(障害で退社後初診)(1件)
(工)65才以上の高齢者(6件)
⑦ 可能性について現時点で確認できないもの(11件)
3.障害年金受給に当たっての現状・問題点
(1)障害年金を受けるのに、納付要件が大きな壁になっている。
→納付要件の緩和・見直しなどの必要性。
(2)初診日主義による問題点。(初診日の証明の困難さが目立つ)
(3)事例は少ないとはいえ、これまでにも無年金障害者の会へ報告されているように、失業や就職難、派遣・アルバイトなど働き方の問題が無年金障害者を増やしている。これは今後も続き、更に増える傾向にあると思われる。
(4)免除制度の周知。
若年者(30才未満)納付猶予制度の周知
(学校教育・ハローワークetc.での取り組みの必要性)
(5)障害者の生活にとつて、特に所得確保としての障害年金の重要性、占める位置の大きさ。
(6)その他
・窓口職員の対応
・日常的に相談に乗れる人材や体制
・その他

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