頸損だより事務局通信 No.122 11月号
KSKP頸損だより事務局通信 NO.122 11月号 2018.11.4
<活動予定>
☆ 11月25日(日)頸損女子トーク 於:難波市民学習センター
☆ 12月 2日(日)頸損だより秋冬号発送 於:CILあるる
☆ 12月 2日(日)12月期役員会 於:CILあるる
☆ 1月13日(日)1月期役員会 於:CILあるる
☆ 1月20日(日)新年会 於:長居障害者SC
全国頸損代表者会議
9月16日に岡山国際交流センター・多目的ホールにて全国頸損連絡会代表者会議がおこなわれました。東京、愛知、岐阜、京都、大阪、兵庫、香川、愛媛、徳島、九州の10都府県から集まり、新会長、新事務局長から挨拶と共に新執行体制の活動重点目標の提案があり、その後2018年全国総会大阪大会の総括、2019年全国総会九州大会の準備状況の報告、2020年全国総会を岐阜支部での開催についても決定されました。続いて各支部の活動報告&予定告知、他に日本リハビリテーション協会との協働、DPI日本会議常任委員会報告、自動販売機に関しての事務手続きの問題や事務局郵便振替口座異動の報告などがありました。 (島本義信)
65才以上の介護保険サービスの利用料の償還制度について
今年4月から、国の新たな制度として、介護保険の利用を始めた障害者に対して、介護保険の利用料が全額償還される制度(新高額障害福祉サービス等給付費)がスタートしていますが、まだあまり内容が知られておらず、かなりややこしい制度であり、大阪市では今週、その取り扱いを間違っていたこともわかりましたので、それらの情報を併せてお伝えさせて頂きます。 (障大連が大阪市・厚労省に確認した情報です)
◆新高額障害福祉サービス等給付費の概要
65才になって介護保険の利用を始めた障害者(以下の要件を満たす人)に対して、介護保険の利用料が全額償還されるという制度です。障害者医療費助成と同じように、一旦本人が支払っておいて、後で償還される仕組みです。ただし、以下のように対象者や対象サービスにいろんな制限があります。
◇対象者
(以下のすべての要件を満たすことが必要です)
・65才の誕生日の以前5年間に「介護保険に相当する障害福祉サービス」(*)の支給決定を受けていた人。*「介護保険に相当する障害福祉サービス」とは「介護保険相当障害福祉サービス」といい、居宅介護、重度訪問介護、生活介護、短期入所だけに限られています。
・65才の誕生日の前日の年度に市町村民税非課税、または生活保護受給。
(誕生日の前日が4~6月の人は前年度に、非課税または生保)
・65才の誕生日の前日に区分2以上であること。
・65才に達するまでに介護保険の給付を受けていないこと。
(今年4月1日以前に65才を超えている人も、上記の要件を満たしていれば、今年4月からの介護保険の負担分は償還払いできます)
◇対象とならない人
・例えば、65才以前の5年間に、介護保険相当障害福祉サービス「以外」のサービスとされる就労B型等の日中活動やグループホームだけを受けていた人は対象外とされています。
・また、60才から2年間、就労B型で、62才から生活介護に移り3年間利用していた人は、それら以外に居宅介護や短期入所の支給決定を受けていなければ対象外とされます。
・40~65才で、特定疾病により介護保険サービスを利用したことがある人も対象外!とされています。
◇償還の対象となるサービス
・障害福祉に相当する介護保険サービス(障害福祉相当介護保険サービス)=訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護だけで、介護予防サービスや地域密着型介護予防サービスなどは償還対象ではありません。
◇資料
・概要は厚労省のチラシを、詳細は厚労省ホームページ内で「高額障害福祉サービス等給付費等に関する支給認定について」を検索すると、説明文+Q&A(30pもありますが)をご覧下さい。
・詳細版には対象とならない人や、償還ケースのパターン、障害者夫婦の場合のそれぞれの償還額の例などが細かく示されています。
◆大阪市での間違い
大阪市でサービスを利用しようとしたところ、「65才以降に、介護保険サービスだけ使う人は対象になるが、障害福祉サービスと介護保険サービスを併用する人は対象外」と言われ、そのことを既に全区に通知していたことが発覚しました。
例えば、重度訪問介護利用者などではとても介護保険だけでは生活できないので、訪問介護+重訪を併用するのが当たり前ですが、その人は「この償還払いの対象にならない」というひどい扱いになります。
後日、こちらから厚労省に確認したところ、以下のような間違いであることがわかり、結局、大阪市は間違いがあったことを認め、急遽、全区に周知し直すことになりました。
◇当初の大阪市の言い分
(細かな説明ですので必要ならご覧下さい。)
下記の障害者総合支援法の【 】部分)が根拠。
第七十六条の二 市町村は、次に掲げる者が受けた障害福祉サービス及び介護保険法第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービスのうち政令で定めるもの並びに補装具の購入等に要した費用の合計額(それぞれ厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に要した費用の額を超えるときは、当該現に要した額)の合計額を限度とする。)から当該費用につき支給された介護給付費等及び同法第二十条に規定する介護給付等のうち政令で定めるもの並びに補装具費の合計額を控除して得た額が、著しく高額であるときは、当該者に対し、高額障害福祉サービス等給付費を支給する。
一号 支給決定障害者等
二号 六十五歳に達する前に長期間にわたり障害福祉サービス(介護保険法第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービスに相当するものとして政令で定めるものに限る。)に係る支給決定を受けていた障害者であって、同項に規定する介護給付等対象サービス(障害福祉サービスに相当するものとして政令で定めるものに限る。)を受けているもの【(支給決定を受けていない者に限る。)】のうち、当該障害者の所得の状況及び障害の程度その他の事情を勘案して政令で定めるもの
大阪市としては上記の条文に、「(障害福祉サービスの)支給決定を受けてないものに限る」と読めるので、65才以降に障害福祉サービスと介護保険サービスを併用する人は対象外と読める。他の政令市も厚労省に確認したところ、そう答えたと聞いている」との回答でした。
◇厚労省との確認内容
厚労省に直接確認したところ、「65才以降に障害福祉サービスと介護保険サービスの併用する者も対象となる。その併用者は一号の支給決定障害者等に含まれており、二号は今回の新たな償還払いの規定だが、一号の支給決定障害者等との重複を避けるために、「支給決定を受けていない者に限る」との文言を入れた。その部分を誤解したと思われる」とのことでした。
(元もと高額サービス費の償還払いの制度は一号にあり、今回新たに介護保険を利用する人の償還払いを二号に加えたために、条文の表記が非常にわかりにくくなったことが、今回の間違いの原因となりました。また厚労省の担当も人によっては誤解して回答した可能性もあります)
大阪市からも後日、厚労省に確認をとり、こちらの言った通りで確認できたため、全区に「併用者もOK」とのメールをとりあえず発信しました。大阪市のチラシ等もすべて間違い部分を修正してもらいます。
大阪市にはこんな排除はあり得ないので、その時になぜ直接厚労省に確認しなかったのか!と伝え、厚労省にも誤解を生む条文の書き方なので、Q&Aの発出をお願いしておきました。
大阪府には同様に誤解する市があったら助言してもらいたいと伝えています。
◆大阪市での償還払いの仕組み
大阪市ではこの介護保険の利用料の償還払いは、医療費助成の償還払いと同じく、「償還事務センター」(北区同心町)が、担当しています。
「65才の誕生日の翌月頃」に、対象になりそうな人に償還払いの案内(利用勧奨)を送っているそうですが、この間65才になった人で、障害福祉サービスと介護保険サービスを併用していた人には通知されていなかったそうなので、再度通知を送ってもらいます。
もし身近な人で、対象になる人で、誕生日の翌月になっても通知が届いていない方がおられましたら、右記の償還事務センターまでお問い合わせ下さい。
また、相談支援事業者等が相談に乗ることもありますので、制度の詳細で不明な点はお問い合わせ下さい。(なお、相談支援事業者等に対してもまだ制度の情報提供すらされていませんので、早く通知するよう求めています)
*大阪市償還事務センター
(TEL06-6351-8200)
(償還事務センターは障害支援課の1部署にあたり、障害支援課が管轄しています)
◇大阪市での申請手続き
申請手続きは最初に申請用紙にマイナンバーや振り込み口座番号を記入し、障害者手帳のコピーを付けて償還事務センターに郵送。
以降、毎年1回、6月に申請が必要
(国の規定でも毎年所得の確認が必要なので、それは必要になるそうです)
しかし、医療費助成とは違って、毎月、介護保険の領収書を郵送する必要はなく、毎月、介護保険で使った分は償還事務センターの方で介護保険担当と連携して集計して、その利用額を口座に後日振り込む仕組みになっているそうです。
以上、ややこしい制度ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 (島本義信)
星ヶ丘医療センター ピアサポート
大阪頸髄損傷者連絡会 大西陽子
ご本人は60歳少し超えた専業主婦で、成人の子供二人と夫の4人世帯。
転倒時顎を打撲。 両手の痺れ感があり、気になって仕方がないと。機能障害?立位や歩行も手すりがあれば十分可。入院中は歩行器使用だが、松葉づえを勧められていて、退院後家のリフォームは考えていないとのこと。
外出時は車いすを使用していて、入浴(シャワー浴を好む)は、デイサービス利用を考えている。
排泄障害は全くなく、夜間の移動が不安なためポータブルトイレ使用を検討中。
在宅でどの程度家事が出来るか、ADLがどうなのか、1度自宅への外泊体験で、退院後のイメージを掴むようアドバイスし、また、外出時の移動支援など、役所等での相談を勧める。
ご本人が明るくポジティブな方でしたから、初対面とはいえ楽しいうちに1時間があっという間に過ぎました。
多少なりともお役に立てる部分があったのなら幸いです。
大阪頸髄損傷者連絡会 石田和浩
この度、星ヶ丘医療センターにて行われたピア・サポートに参加させていただきました石田と申します。
病院を訪問し、同じ障害を持つ当事者が元気な姿を見せ話をすることで現在入院されている患者さんをサポートできるのは、このピア・サポートという活動の大きな強みだと再認識いたしました。
加えて、患者さんやリハビリスタッフの先生がたのお話を聞き、医療制度や福祉制度を理解することも当事者として大きな力になると実感いたしました。
医療制度については、大きな視点で観ると、やはり入院期間が十分に確保できないという問題点が未だに課題となっているように感じました。
例えば、受傷されてからまだ日が浅い急性期の患者さんが望まれるリハビリを受ける時間を確保するのは、年々難しくなっている様に思います。それに加え、怪我をしてから障害を受け入れる時間や退院後に自分が住む地域の受け入れ態勢を整える時間などが十分に無く、その時間的な猶予の無さが頚髄損傷や重度の障害を負ってしまった者たちが社会へ復帰する第一歩の妨げとなっていると感じました。
福祉制度については、入院されている方の年齢により違ってはくるのですが、介護保険制度や障害福祉制度など専門的な知識を必要とする疑問を持っておられる方もいるように感じました。しかし、そのような質問に自分の経験だけで答えることは難しく、質疑に対し細やかに対応するにはサポートを実施する側にも自分の経験と日々の生活で得た知恵に加え、福祉や医療の的確な知識が求められる場合があると思いました。
その点を踏まえると、スケジューリングの観点から難しいのは承知ですが、急性期で入院されている患者さんの担当の方々(福祉課の職員や担当のケアマネージャー、家に帰ってからお世話になるメディカルスタッフなど)にこのようなサポートの場に一緒に参加していただくのが理想なのだと感じました。
対照的に、上記のような専門知識だけではなく、やはり障害を先に負った「先輩」として実生活に即した生きていく上での知識や知恵、または趣味やレジャーなど地域社会に復帰してからの生きる楽しみや障害があっても出来ることがたくさんあるという生きた経験を伝えられると、怪我をされたばかりの患者さんにも明るい未来や希望をより想像してもらいやすくなるようにも見受けられました。
実際、今回のピア・サポートの中で患者さんの趣味の話に花が咲き、大きな障害を負ってしまっても十分に自分の趣味や外出を楽しむことができるということをお伝えし、その話を聞いておられた患者さんとご家族の方の目に少し輝きが戻ったように感じました。
以上のことを踏まえ、私の個人的な希望ではありますが、こうしたピア・サポートのような当事者の活動の中にも福祉制度や医療制度の知識、頸髄損傷に特有の医療的知識が豊富な人たちと連携し、様々な分野に関係している人たちに協力を仰ぎながら実施していければ、ピア・サポートという活動にいっそうの広がりを持たせられるのではないかと僭越ながら考えております。
あくまでも若輩者の希望的観測ではありますが、そうすることによってこれから地域社会に復帰される方たちにとっても私たち当事者にとってもピア・サポートという活動がさらに心強いものとなるのではないでしょうか。
ビアガーデン交流会 実施報告
大阪頸髄損傷者連絡会 杉本真一
8月の第一週目の18時に大阪駅前第一ビル1Fエレベーター前に集合し、屋上ビアガーデンに場所を移し恒例のビアガーデン交流会を行いました。
当日は異常な蒸し暑さでしたが、雨の心配もなく無事に開催できました。ただ、いつもより少ない参加人数となり残念でしたが、初めて参加された方もおり、良い交流の場を持つことができたのではないかと思う。
次回の企画もお楽しみに~!!
・新年会