災害リハビリテーション支援研修会レポート 頸損だより2017冬(No.144) 2017年12月17日発送

災害リハビリテーション支援研修会レポート

大阪頸髄損傷者連絡会 島本 義信

 9月30日(土)に大阪府立急性期・総合医療センターで「被災した頸髄損傷者への支援について」のセミナーがありました。開催された目的は、《 近年の医学・医療の進歩により、頸髄損傷などで呼吸機能が低下し、終日もしくは夜間に人工呼吸器を装着しながら在宅で生活されている方が増えています。その方々が、大規模災害時に、だれがどのように支援活動を行うか、自助、共助、公助の在り方を、災害医療の専門家を交えて考えてみたいと思います。 》
 内容は4部構成になっていて、
1部:知ってほしい!最新の災害医療体制(大阪府が被災した際の、医療全体の支援活動の流れの解説)
2部:知ってほしい!頸髄損傷患者の日常生活(人工呼吸器を使用している頸髄損傷の方の生活やリスク、気を付けることなどの説明)
3部:知ってほしい!機器管理、危機管理(コヴィディエン,フィリップス・レスピロ二クス担当者:バッテリーや耐久性など災害時の気を付けるべき機器についての講習)
4部:みんなで考えよう!災害時の頸髄損傷者のサポート。1日目、3日目、7日目(災害時の対応を全員で話し合い、課題を抽出するためのディスカッション)でした。

 1部では大規模災害時に被災地以外から医療チームDMAT(ディーマット)が災害拠点病院に派遣され、緊急性の高い被災者から被災地以外の拠点病院に搬送することが活動内容だということを知りました。大阪府下の災害拠点病院は17ヶ所・19病院あるそうです。

 2部では頸髄損傷とは何かと言うところから、大阪頸損の柏岡さん、兵庫頸損の米田さんが呼吸器使用しながら日常生活をしている様子を紹介しながら、被災した時にどのようなサポートが必要か考えてみるところから、重度の障害者に避難先があるのか?ヘルパーの派遣などが可能なのか?停電時のリフトやエアーベッド、呼吸器バッテリーの電源確保の重要性が問題提起されました。
 3部では呼吸器の機器の特徴や費用、補助についてや内臓・着脱式や予備バッテリーの持続時間についての話がありました。1社は内臓が3~4時間、着脱式も3~4時間、合計6~8時間の利用ができ、着脱式の予備バッテリーもあるとのことです。1社は内臓が11時間、着脱式は9時間で本体2台が1セットになるため合計40時間の利用ができるようです。2社共に緊急時用として自動車から充電も可能です。
 4部では関西電力から拠点病院へは24時間で電気の供給が始まるようになっているが、個人宅へは地域により復旧時間や日数は分からないようです。呼吸器使用者の電源の確保については最短でも3日は必要とのこと、在宅者の場合避難所に行く方が良いのか、それとも自宅にいる方が良いのか、熊本の場合はどうだったのか?と質問がありました。熊本では障害者が避難できる場所が無く問題になったところから、大阪府では老健や特養などが福祉避難所となるように協定を結んでいるようです。しかしまずは一時避難所の利用を示され、次に要介護度4・5の人は病院へ、2・3の人は福祉避難所の利用につながるとのことでした。
 そして援助としては、自助:共助:公助の割合が7:2:1ぐらいになり、自助とは自分の家族、近親者(訪問看護ステーション、ヘルパーなどが含まれると安心だと思う)、共助とは当事者団体、近所の人など、公助とはDMAT、JMATなどが考えられるとのことでした。


 昨年4月の熊本地震の後に災害時の障害者サポートの現状について報道がされていたので、自分の住んでいる自治体に、災害時にどのようなサポートがあるのか訪ねてきましたが、まずは一時避難所の利用を示され、次に福祉避難所の利用ができるとのことでした。ここは大阪府の見解と同じでした、ただ福祉避難所が市内に1ヶ所しかないこと、スペース的に一部の当事者しか避難できないことなどを訪ねると、老健や特養などの高齢者施設が変わるものとして準備されるとのことでした。これも大阪府と同じで、市独自の提案はありませんでした。
 私の自宅近くには福祉避難所、老健や特養などの高齢者施設も無いので、自宅が全壊しなければ避難所には行かないだろうと思います。そもそも行けないかもしれませんし…。そのためには、身体ケアの用品や薬などの必需品の準備も必要だと思っていたところに、国は40年間研究し続けてきた地震の予知は「できない」としました。今後、気象庁は11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表するようで、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」のような、あくまでも可能性の高まりを伝えるということになるそうです。
 こんな発表されると、毎日安心して過ごせなくなりそうですし、外出もしにくくなりそうですね。それでもいざという時の為に準備し始めるか……何からそろえよかなぁ~!!

 ご近所とのお付き合いも大切ですし、研修会でも出ていた、呼吸器のバッテリーの充電は、自家発電がある公共施設や病院のマップを作ってみるのも自助になり同時に必要な誰かのための共助にもつながりそうですね。


「被災した頸髓損傷者への支援について」のシンポジウムに参加して

兵庫頸髄損傷者連絡会 土田 浩敬

 JR長居駅から徒歩10数分で行くことが出来る道のりを、なぜか私は30分以上かかり、大阪急性期医療センターに辿り着きました。通りすがりの人たちに、道を尋ねながら向かったのですが、聞く人それぞれが違ったことを教えてくれ、最終的にはiPhoneのグーグルマップを見ながら到着しました。そんなこんなで、30分以上遅れてシンポジウムに参加。

 途中からの参加で聞き逃しているところがあるのですが、ご了承ください。話を聞いていると災害時、一カ所の病院に集中する被災者への対応をどうするのがベストであるか、また人工呼吸器使用者への対応。停電時、人工呼吸器のバッテリーについての説明がありました。

 ただ、在宅の重度障害者、そして人工呼吸器使用者はどう動けばいいのか、少し疑問が残りました。とにかく、重度障害者は電気を使用します。身の安全が確保出来れば、水食料の次は電力ではないかと思います。もちろん支援者があっての話ですが、私達の暮らしには、沢山の物や人が関わり、それらが上手くパズルの様に合致して成り立つことなのだと、様々なことを考える機会になりました。


資料

災害時における救急業務のあり方に関する作業部会 : 総務省消防庁「第1回(平成23年7月6日)」の「配布資料2「DMATとは」(PDF)
DMAT事務局ホームページ
大阪府内災害拠点病院(PDF)


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