私の体験談 頸損だより2016冬(No.140) 2016年12月18日発送

 
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私の体験談
《受傷後10年以上経過して膀胱瘻(ろう)の手術》

大阪頸髄損傷者連絡会 石川 真樹

 2000年1月28日に首を骨折、当然ですが即入院、頸髄損傷C6レベルです。
入院当初は留置カテーテルで半年もすると膀胱ろうか間欠導尿かといった所で判断をせざるを得なくなってきたのですが、左C4右C5Bの動きでは自分で間欠導尿は無理でしたが、家庭環境等から、そんなに急いで決めなくてもいいという泌尿器科の先生の提案でしたので、とりあえず嫁に間欠導尿をしてもらいつつ、出かける時は間欠バルーンというパターンで2000年の年末に退院しましたが、1年程で結石が多く出来てしまったので先生と相談したら、僕の場合は尿が溜まれば自立神経過反射で失禁させる方法(括約筋を切るボーリング手術)でいけるという事になり手術をしてオルボンという装着尿器を使う事に。

 でもここで一つ問題発生、先生にどんな装着尿器がありますか?と尋ねると看護師に聞いてと。看護師に聞くと福祉用具の業者に聞いてと。業者に聞くと、取り扱ってないと。
なんじゃそりゃ・・・
たらい回しです。
 この括約筋を切る方法というのが古い方法で当時やってる人が少なくて(膀胱ろうか間欠導尿の人が多かった)病院の頸損の知り合いに聞きまくって何とか当事者を見つけて教えて貰い、ちゃんとつければ漏れにくいという事で即購入し、14年程オルボンにお世話になりました。
 でも5年、10年経ってくると段々失禁の勢いが弱くなり、尿が汚れやすく出にくくなってきて、時には詰まった感じでベットに上がって横にならないと尿が出ないことも増えてきて、時々嫁に間欠導尿して貰いつつ、だましだましでした。
 でもいよいよごまかしきれなくなってきて、失禁して尿が出たのに、その後間欠導尿すると300~600mlも出てくるし、残尿が多すぎて昨年から一年程はけっこう尿臭がきつかったです。

 今思えば。という訳で膀胱ろうの手術を決断、一度膀胱皮膚ろうにしませんか、といわれたものの、評判の悪さや当事者が少ないということもあり(一から認定看護師の話を聞くが信頼できない、ちゃんと装着しても人工肛門のストマと似た感じなので、液体である尿では漏れやすい。ただ体に優しいという点は評価できますが)やっぱり膀胱ろうでという事に。
 また僕は超低血圧で体が冷えやすく車イスでチルトして血流を良くしたり、お尻の除圧をしたかったのですが、装着尿器では密閉されてる訳ではないので膝を高く上げると漏れる可能性があって不安、そして装着尿器はかなり慣れないと難しく、装着はできても漏れることがあって、他の人に頼みづらいという事や車イスも買い替えてチルトにとかいろんな状況が揃ったので、やっぱり手術しようと決断しました。
 ちなみに現在は膀胱ろうにしている人は多くて情報等入りやすい。
 途中なんだかんだありまして当初の予定より遅れましたが、無事手術成功、快適な日々を送らせて貰ってます。ただ僕の場合、受傷後15年で穴を開けるだけでは無理なので、5cm程切開して中身を確認しながらという事になりましたが(受傷後まもなくだと穴を開けるだけでいけるみたいですが)泌尿器科の先生方、関係者の皆様ありがとうございました。
 それからいろいろ教えて頂いた、役員の方はじめ大阪頸損の皆様もありがとうございました。

コスト面について

術前 術後
装着尿器 ¥5,000-/月 尿バッグ、テープ ¥1,500-/月
尿パッド ¥3,500-/月 尿パッド ¥500-/月
オムツ ¥2,500-/月 オムツ ¥1,500-/月
合計 ¥11,000-/月 合計 ¥3,500-/月

※▲¥7,500-/月

(ウロバック取り付け位置)

 飲む量と尿量は術後減りました。術前は結石ができやすいので、結石を出そうと思って無理に飲む量を増やしていました。
 今は好きな時に好きな量を飲めるので良い。ちなみに今は3.5リットル程出ます。
 尿漏れを気にせずに、車イスでチルトにして血流良く、足の冷えも少なくなって快適です。お尻の除圧も出来るし、僕の場合は手術して良かったです、
 実は皆さんが車イスでチルトをしてるのを良いなと思って、メッチャ見てたので。



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